_1__はい、死んだ~♪
初投稿につき至らない点もあることと思います。
感想・ご指摘・アドバイスなどお待ちしております。
俺、佐藤 蓮は退屈な仕事を切り上げ、自社内にある見飽きた作業デスクでお昼休憩を満喫している。
ーったくつまんねぇ仕事だよなぁ~。
心の中で愚痴りながら午前で湧いたストレスを駆除するべく、コンビニでまとめ買いしていた餡子入りの餅をやけ食いするのだった。
安いからと栄養の偏った食事をとることはダメだと知っているし、餅は普段あまり食べないのだが今日は偶々だった。
そう、偶々━━━━━━━━━
「ん゛ん゛っ!?」
喉に餅を詰まらせて━━━━━━━━━
「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!!!!!!」
っと死ぬわけにはいかないのでなんとか気道確保すべく真っ赤になった顔を上に向かせたのだが、勢いが激しすぎて椅子ごと後ろに倒れてしまい、そこで俺の意識が飛んだ。
倒れた際に後頭部を強打し、無事死亡。
佐藤 蓮 25歳 独身男性 他界━━━━━━━━━
下らない理由にしても人が死んだのだ、周囲の同僚や上司はさぞドン引きしていることだろうと思われたがそんな素振りはは微塵も無かった。
後ろに倒れた際に勢いが強すぎて足が顔付近まで来おり、ち〇グリ返しの体勢だったこと
夏の暑さからか餅がベタついて人差し指と中指以外が手に絡みつき、ダブルピースをしてしまっていたこと
なぜか寄り目だったこと
おまけに舌が見えるくらいまで口がポカンと開いていたこと
これらが原因で、人が亡くなったとは思えない光景が事故現場には見られた
「ぎゃははははは!!!!!佐藤ぅこの野郎マジ!?おまっ!ぎゃははは!」
「うひゃひゃひゃひゃ!!!腹痛てぇぇ!!これマジで死んでんのぉ!?うひゃひゃぁぁ!!」
「プはぁーっ!!佐藤君その姿、君にはやられたよぉ!!プふっ!こりゃ名誉殉職だな。プははははは!!!」
先程まで蝋人形みたいな顔して仕事をしていた同僚と上司が顔を真っ赤にして涙を浮かべながら必死に爆笑し、まるでそこに芸能人が居るかのごとくスマホのカシャカシャ音が鳴りに鳴りまくった。
こうして佐藤 蓮の最後は爆笑の渦に包まれたのだった。
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「━━━━━っと━━━━━━━━━か?」
誰かの声で意識が戻った。
長い間眠っていた感覚だった。
恐る恐る目を開けると、真っ白な空間が広がっているのが見えた。
「へ?」
正直一瞬ドキっとした。
道路とかどこかの部屋ならまだ分かるが、急に見慣れない場所で目を覚ましたら誰でも一瞬ヤバイと思うだろ。
「どうやら目覚めたようじゃの。」
体を床から起こして右を向くと、紺色のローブ姿にフードを深く被った白髪白髭の老人がこちらに向かって立っていた。
老人の見慣れない格好に違和感を覚えつつ、そういう俺の恰好はどうなのかと確認すると真っ白のローブを着ていた。
なんかデカいTシャツみたいなデザインだなと思った後、おかしな現在の状況へと意識が移った。
そうだ、この老人の声で意識が戻ったんだった。
「あ、あの・・・」
老人に質問攻めをして自分がどうしてここに居るのか情報を引き出そうとしたが思い止まった。
いや、待てよ思い出した。
俺は餅を詰まらせて死んだはず・・・、あの時の苦しみは忘れるものか。
え?だとするとちょっと・・え?えええ???
直前の記憶、今居る地平線まで真っ白な空間、そしてこの白いだけの空間にどうやって生活しているのか謎な老人・・・これだけの情報があればゲームや漫画に慣れた人間なら十分推測できる。
「まさか俺は転生するのか・・・???」
俺がそう言うと老人はニヤリと笑った。
「ほぅ、ご名答じゃな。まさしくお主は新たな生を得られる状況にある。」
やはり俺は転生するのか、いやもうしているのか?
「それにしてもお主の様な死に様をする輩は初めて目にしたのう。満点じゃ。お主、わしが知る中で最も芸術点の高い死に様じゃった。」
「はい??芸術点??」
おいおいこの爺さんたらいきなり失礼だぞ。
俺の死に様を笑うんじゃない、餅を詰まらせたのがこの老人にはバカウケだったのかな。
怒りたい気持ちもあったが、案外俺は冷静だった。
この老人が来世の命運を握っている可能性があるのだ、今は軽率な発言は止そう。
「へ、へぇ~~気に入って貰えて良かったです。」
「でも、餅で亡くなる人って日本じゃ珍しくない様な気がするのですが?ご存じでは無いのでしょうか」
俺が落ち着いた調子で聞くと、老人は眉を上げてニヤニヤし出した。
「うぉほほ!そうじゃった、お主は死んでおったのじゃから知らんのか。」
「後ろを見るのじゃ、あれがお主の死に様じゃの」
老人の言葉を受けて後ろに振り向くと俺と似た姿の男性が、床にち〇グリ返しの状態でアへ顔ダブルピースを決めていた。
「ええええええええ!!??」
俺そんな死に様だったの!!??
自分の死に様を知ってショックだったが、俺の死に様を再現してくれている男性の顔をよく見ると見覚えがあってもっとショックだった。
「俺がいるううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺が目の前に居ました。
こんな文字の羅列に目を通して下さった皆様、感謝でございます!
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