シェリフ~へたれな保安官は皆のヒ-ロー~一話目後半
ヘーは走る・・・・
ただ空に自分の道を作り・・・・・
其の上を・・・・・
其の身は・・・・
黒いインナースーツに赤い装甲・・・・
装甲は必要最小限であり・・・・
顔は黒い面で覆われ・・・・
紅の文様が無表情に輝いている・・・・・
文様により鍛えられた肢体は輝き・・・・・
背中に刀を背負う・・・・・
紅を愛する・・・
鬼は駆ける・・・・・
あらたなる鬼か・・・・・・
鬼でありながらあらたをもたらす者か・・・・
女の声が響き・・・・
「待たせた!」
ギュオンと誰も乗って居ない黒いバイクが降って来る・・・・
「そうでも無いさ」
「ベニ」
ヘーは飛び乗り・・・・・
ヘーが叫び・・・・
「ノリ」
「良く!」
ベニも叫ぶ・・・・
黒いバイクに紅の文様が描かれ・・・・
「オニで」
「レッドで」
「「ゴーシャドウ」」
ヘーとベニが声を合わせ叫ぶ・・・
紅のバイクは虚空を加速しふっと消える・・・・・
空を支える大樹の如く堂々と聳え立つ・・蔦・・・・
緑の蔦が高く太く絡み合い緑の文様が脈動し・・・・
其の中で捕らえられた・・・・
スズは・・・・・
「んん」
「ふふふふ」
緑の蔦は這いまわり・・・・
ミシミシと力強く抱き付き・・・・
ぬちゃと粘液を出し蔦の間を蠢く肉塊が浸食し・・・・
バキンッと・・・・・
「面が壊れ」
「ああ」
「現れたるは」
「愛らしい♪」
顔を覆いたる蔦は外れ・・・・
美しき凛々しき貌が現れる・・・・
「ミスティ」
スズは顔を撫でる黒い白衣の美少女を睨み・・・
「なに♪」
「ん」
「どうしたのー♪」
「なにが」
「ん」
「あらあら♪」
「の」
スズが大きく口を開けた瞬間・・・・
蔦とは違う白い液体を迸らせる・・・・
肉塊が顔に張り付き口に入り込む・・・・・
スズは両手も体も蔦で動かせず・・・・
能力は特務服により・・・・
封じられ・・・・・
ただもがき抵抗し・・・・
「だめよ」
スズの体をミスティは撫でつつ
「私は乗らないわ♪」
「私は喋らない」
「ああ」
「でも」
「どちらにしろ」
「同じ」
ミスティは微笑み・・・・
「んんん」
「くすくす」
「本当愛らしい」
「さあちょと早いけど」
「邪魔な心を壊しましょう♪」
スズの心は砕かれようとされている・・・・・・
「シルバー」
「グッライ」
声が不意に響き・・・・
銀線が閃き・・・・
スズの口に入り込む肉塊を切り裂き・・・・
蔦を切り裂き・・・・
だが切断に至らず・・・・
ミスティは驚き見回そうと・・・・
「なっ」
「何処から」
違和感を覚える・・・
ミスティの顔から血が数滴ぽたりと・・・・
「あはははは」
「私をきずものに」
「くすくすくす」
「だれぇぇぇ」
「貴方のお名前は」
瞬間ふっと消え・・・・
ミスティはようやく見つける・・・・
「スラッシュ」
赤い装甲の黒い特務は左手の鞘付きナイフを手に・・・・
ミスティは姿を晒し・・・・
「何よ!」
「ツマラナイ」
ミスティは白けたと右手ををかざし・・・・
文様が輝き・・・・・
「命ず」
「・・・・・・!」
驚き叫ぶ・・・・
「特務服では無い!」
「だって趣味服だし」
「レッド」
「ブレイク」
ベニの声が響き・・・・・
紅のバイクが陰から・・・・
ミスティは喜び笑う・・・・
「何♪何なの♪」
「趣味服!」
「訳が分からない!」
「すごくドキドキするの」
「ねえ♪」
ヘーの声が・・・・・
「クレイジー」
「バリア」
そしてヘーとベニの声が重なり・・・
「「ゴー」」
「「インパルス」」
キンと音が響き・・・・・
ドォォォォゴォォンと爆発が起きる・・・・
蔦の大樹がぐらっと崩れ・・・・
消え去る・・・・
違うあるべき場所に帰った・・・・
黒い白衣はぼろぼろに・・・・
白い眩い肌が・・・・
「あはははは」
ミスティは喜び笑い・・・・・
「私はミスティ」
「ミスティ・アオイ・ユメ」
くるくると回り・・・・・
「また会いましょう♪」
「其の時はお名前教えてね♪」
「喜びを与えてくれた君♪」
光の粒子と成り彼女も勝っていく・・・・・
「ミスティ?」
ヘーはスズをお姫様抱っこしつつ・・・・・
消えた虚空を見つめ・・・・・
「消えたか」
「駄目追えない」
ベニはヘーを支えつつ・・・・
ヘーは面を外し・・・・
「帰るか」
「了解!」
ヘーは光の糸を体から出し
「思考念糸」
「展開」
「結合」
スズを光の糸で優しく・・・・
ヘーはバイクに乗り・・・・
その後ろにスズを乗せ・・・・
「さて帰るか」
「麗しのグッリブに」
「「ゴー!」」
陽気に走り出す・・・・・・
お読み頂き有難う御座います。