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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「極端な意見は間違っている」教~誰とも価値観が合ったことがない、偏屈者の独り言~

おお、よく来てくれたのう! ここでお主に出会えたことに感謝じゃな! まあひとまず、そのあたりに座ってお茶でも飲みなされ。

昔々、王政の国があったそうな。

ある日、「民主政の方がいい」と言う人が現れたそうな。

すると、沢山の「極端な意見は間違っている」教徒たちが、

「民主政だって?! そんな極端な意見は間違っている!」

と言って、「民主政の方がいい」と言った人を寄ってたかって殺してしまったそうな。

おしまい。


昔々、人々が神を信じる国があったそうな。

ある日、「神はいないと思う」と言う人が現れたそうな。

すると、沢山の「極端な意見は間違っている」教徒たちが、

「神はいないだって?! そんな極端な意見は間違っている!」

と言って、「神はいないと思う」と言った人を寄ってたかって殺してしまったそうな。

おしまい。


最近でも、自分でろくに調べもせず周りの意見に流されたり、根拠の薄い出どころの情報に踊らされたり、少ない・偏った情報源に依存したりした積み重ねで出来上がった自分の意見を盲信して、自分の意見を「真ん中」と思い込む「極端な意見は間違っている」教徒がたくさんいるそうじゃ。


気をつけることじゃな。


…………なになに、「うんうん、そんなやついるよな、全くけしからん!」じゃと?

…………やれやれ、気づいておらぬようじゃな。

「極端な意見は間違っている」教徒とは、「これを読んでいるあなた自身」と、そして何より「作者自身」のことじゃよ。お互いに、気をつけることじゃな。


これで、話はおしまいじゃ。


…………え? もう話は終わりじゃ、帰りなさ…………なにぃ? 「極端な意見は間違っている」教徒にならない方法を教えて欲しい、じゃと? ……はっはっはっ、面白いことを言う奴じゃのう! 分かった、一つ教えてしんぜよう。実を言うと、のう。


それは無理じゃ。


人は、自分の遺伝や生まれた時代・場所(つまり環境じゃな)、あとは運で自分の意見を決めてしまう生き物じゃからのう。いろいろな情報に触れるとか、反対の意見の人の話を聞いてみるとか、足掻くことは大事じゃが、完全に「極端な意見は間違っている」教徒を辞めるのは無理じゃ。


しかし、大事なことが一つあるぞ。ここまで話を聞いてくれたお前さんには、教えておいてしんぜよう。まあ、これ自体も時代や場所によって変わるんじゃが…………簡単に言うとのう。


相手に殺されそうでない限り、相手の意見がどんなに極端だと感じても、どんなに自分の意見の方が絶対的に正しいと思っていても、相手を殺さぬことじゃ。


ここで言う、「殺されそう」「殺さぬ」の範囲は、「傷つける」や「悪口」なども含む人と含まぬ人がおるじゃろうて。…………なに? 「絶対含むはず!」じゃと? わしもそう思わんでもないが、場所や時代によって、考えも変わるじゃろうて。何より、「絶対」という言葉は「極端な意見は間違っている」教徒のよく使う言葉じゃよ? ……ああ、勘違いしないで欲しいんじゃが、人を傷つけたり悪口を言ったりして良いと言ってあるわけじゃあないんじゃよ? いつの時代でも、「無条件に」「誰でも」人を傷つけたり、悪口を言ったりして良いなどと思う人は少なかろう。「〜という条件下なら」「〜という人なら」良い、と考える人が大多数じゃろうて。その条件の一つが、「極端な意見の人なら」というわけじゃろうて。……よしよし、ここまで話を聞いてくれるとは、わしは嬉しいぞ! もう一つ、教えてしんぜよう。実を言うとな。


作者自身には、何にも分かっとらん。


こう、もっともらしいのかもっともらしくないのかよく分からぬことを言っておるがな、本当のところは何にも分からんと言うのが実際じゃ。お主も、この話を聞いただけでそんなに気に病む必要はないぞ。話はこれで終わりじゃ。すまんな、特に締めらしい締めもないんじゃ。


じゃあの、さらばじゃ!


ちょっと偉そうに熱く語ってしもうた。すまんの。……では、機会があればいつかまた会おうの!



presented by……Penname Maker League

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