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Endless summer  作者: 育深
闘技場編
25/58

ある男と序列10位

俺が場の空気を乱しまくっていると、


門の向こうから馬車がやってくる。


そこから降りてきたのは、俺が喧嘩売った王女様と甲冑を着込んだ少女。


甲冑を着込んだ少女は俺にヘイト値マックスである。


まぁそりゃそうか、王女様ぶっ飛ばそうとしたんだからなぁ。


別に気にかけることもない、と考えていると、隣に居たシュリアが背伸びして耳打ちしてくる。


「あの子がゆーさ君ぶっ飛ばした子だよぉ?」


あの子、と言うのは甲冑少女のことを指しているのだろう。


しかし困った。

大勢の前で恥をかかされた為か、ちょっとイラついてきた。


あっちは当然のことをしたまでなんだろうが、こちとら知ったことではない。


自分がそんなことを考えてしまっているのを鑑みれば、力を持って転生してこなくて本当に良かった。

なんて思ってしまう。

俺が最強レベルの力なんざ持ってたら、謎の化け物と人間が協力して俺を滅ぼすまでであるだろう。


して、何故シュリアは俺にこのことを態々言ったんだ?

言わなきゃいいことだろ。


と思って彼女の表情を除き見れば、したり顔でこちらに視線を送る黒髪エルフの姿。


あっ、これただの嫌がらせだわ。


保護者とか言ったのは謝るから……

つか事態ややこしくして何になるっていうんだ。


……特大ブーメランとか知らないです。


俺たち一同は、とても微妙な雰囲気でキャリッジに乗り込んだ。


やべえなんだこのふかふかな乗り心地は……ソファだろこれ……


赤いソファがそのままキャリッジに使われているようだ。

それに外を見るための窓もついている。

ガラスは貼ってなかったので襲われた時とかどうするんだよとは思ったが、これもきっと魔法の一言で肩がつくんだろう。


ふかふかを存分に堪能していると後から残りの6人が乗り込んでくる。


乗ってくる時間は疎らだったが、俺たちが乗り込んでから数分の内に12人全員が集まった。


「それでは今から闘技場の方に行きます」


王女様が一言そう告げると、数秒遅れてキャリッジが動き出す。



動き出して数分後、俺はあることに気づいてしまう。

……これはいけない。

俺本格的にぼっちだ。


知り合いといったらシュリアくらいなもんなんだが、そのシュリアさんはさっきの銀髪ちゃんと赤髪ちゃんと3人寄って姦しくしている。


俺は端に座って壁側に寄りかかっているような体勢で、右隣はさっきの金髪君。

しかし、彼と俺の間には人1人分の隙間ができている。

ちなみに彼は隣の王女様と仲睦まじげに話している

正直疎外感がやばい。


こういう時はもう寝たふりに限る。


拘置所生活が続いていたからかカケラも眠くはないのだが……


なんてぼやきながら目を閉じると、肩をツンツンされた。


粗方シュリアだろうなぁ。

なんて思って目を開けると、

そこに居たのはサルだった。


俺は、シュリアにサルって奴が居るってことは聞いていたのだがそいつの外見を知っていた訳ではない。

顔がサルっぽいのと耳が大きい時点でもうサルだ。


「あぁ、どうしたんすか?サルさん?」


俺は眠たいフリを装って声をかける。

初対面で名前知られてたら警戒しちゃうかな?

ちょっとまずったな。

しかし返答は俺の予想していたものとは違った。


「サルって誰だよ!?

俺の名前はジョージ・カールだよ!

序列は10位!」


猿顔を驚愕の色に染めて言う彼。

シュリアはきっと、カールって名前とサル顔を混ぜてサルさんにしちゃったんだろうな。


何日ネタ引っ張ってきてんだあいつは……


まあこいつには聞きたいことがもあるし、友好的な関係を築くべきだと思う、猿ネタで弄るなんて言語道断だ。


「そうかそうか、シュリアからサルって聞いてたから勘違いしてたもんでね。

悪りぃな。

改めてこれからよろしく、オサルノ・ジョージ」


「やめて!?」


はっ!ついついやってしまった。

謝らなければ……!


「オサルノさん、それで俺聞きたいことがいくつかあんだけど」


「直せよ!?

まぁいいや……聞きたいことって?」


いいのかよ、駄目だろ……

寛容ですね。


「闘技場のこと、俺よく知んないからさ。

そこら辺のことを教えて欲しいんですよね」


「はぁ、そいえばお前ってずっと拘置所入りだったもんな、名前なんて言うの?」


ぬかったな。

名前教えんの忘れてた。


「志乃優沙。

ファミリーネームが志乃」


「はぁん?なんか変な名前だな」


ジョージは小馬鹿にしたような笑い声を小さく上げながら言った。


むっ……


「お猿のジョージには言われたくねえよ」


「イントネーション変えないで!?」


俺にささやかな反撃に対し、悲痛の表情で糾弾したジョージは、すぐに面持ちを神妙なものへと変えて闘技場のことについて話してくれた。


「闘技場っつうのはな、まぁ名前の通り闘技するところなんだが、種類が3つある。

1つ目は人族系と獣を闘わせるタイプ。

2つ目は人族系同士、トーナメント形式で闘うタイプ。

3つ目は……まぁ色々あった時のための臨時的なもんだ。


んでもってこれの前者2つで勝てば、相当な額の賞金が出るっぽい。


因みにこの闘技場自体私有のものだが、王国が認可してるから非人道的なことはできないシステムになってる。

死亡事故とかが起きないように、試合の際には選りすぐりの治癒魔術師と医者が控えてるって話だ。

部位欠損でも時間さえ置かなければ治っちまうらしい。


んでもって俺らが今回出るのが2つ目のトーナメント。

出ることになった理由は俺が前回大会のチャンピオンのクソガキと喧嘩したから。

以上」


……おい最後1番重要だろ、適当に済ますな。


「なんで喧嘩なんか?」


ふと疑問に思い尋ねると、彼は短く唸った後に事情を話し始めた。


「あぁっ……とな、チャンプのクソガキっていうのが本当にガキでさ、16歳くらいだったんだよ。

んで俺ら相手にはめっちゃ気を使うように振舞ってたんだけど、俺聞いちまったんだ」


「はぁ……何をだ?」


「そいつが自分の兄を家から追い出そうとしてるって話。

多分兄の方が弱いからとかそういう理由だと思う。


でも俺その前に迷子になっちゃってさ、そん時に案内してくれたのがその人だったんだ。


その話が本当なのかどうか聞いたら、


「私の家に無能は必要ありません」


だってよ。

それで言い合いになってつい……」


愛すべきバカってヤツですかね?なんかサルっぽいな。


でもそうか……力がモノをいう世知辛い世界だからかなのかねぇ?


つかこいつらって恐らくめちゃくちゃ強いっぽいし、闘技場めちゃくちゃにしないだろうか?

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