彼女の想う宇宙
とある金曜日の夜、私は自室でパソコンを開いていた。掲示板閲覧をしたり健康法やらなんやらのサイトを開いたり、動画をみたり、ただただ暇を潰していた。そして、そんな風にして、ある見出しのホームページに辿り着いた。
見出しは 【宇宙意思】。 私は幼い頃から何かとオカルト話が好きというか(宗教関連を除く)、興味があったし、宇宙の話も好きなのでそのサイトを開いた。ざっと流し読んだ内容はこうだ、[この世には宇宙というたった1つの巨大な、絶対的な意識しか存在しない。地球上の人間は、人間社会のなかで皆一人の人間(個体)として区切られているためあたかも人間の意識というものが世界に約70億存在すると思い込んでいるがそれは違い、皆1つの巨大な宇宙意識に属する。 無意識下で繋がっている。人間に限らず、存在する全ての生物、物質、事象…それらは全て1つの、唯一絶対の宇宙意識そのものである]といった話だった。私は、まぁ神社やお寺に行けば手を合わせるけど、宗教などの話には全く興味がなくて、全て理屈で(例えば宇宙からしたらこんなことはちっぽけなこと…というような考え方で生きてきた)考えてきたけど、この話にはとても惹き付けられた。そういえば、宇宙の始まりはビッグバンだというけれど、ビッグバンが起こる以前の無の空間というのはいかなるものか。超ヒモ理論だとか、完全な無はなかっただとか、まぁ様々な説があるらしいけれど。私は高卒のフリーターで理系知識なんて全然浅いけど私なりに考えたのは、有と無で考えれば、最初に無が在って、宇宙を興そうという意志がそこに(とある一点)に在って物理法則なんか無視した超常的な力でビッグバンが起きたんじゃないかな。
これもこのサイトで知ってなるほど、と思ったことだけど、【無が通常で、有こそ異常】という考え方。確かに、全ての効率を考えれば無であればいいのだ、生物は生まれてきて必ず死ぬ。星でさえ寿命がありいつかは滅ぶ。地球や太陽もそうだ。なんの意味があるのか。 太陽はなんの為に燃えているのか、最後は燃え尽きるのに。 そりゃ、地球に住む私達、太陽の恵みを受けて生きている私達からすれば太陽は私達を照らす為にあると考えてしまうが、それだけの理由ではないだろう。 きっと奇跡のような確率で、太陽から程よい場所に地球が位置して長い年月を経て今の私に至っている。 それも奇跡のような偶然であり、必然的な事象でもある。少し前に観たアニメのキャラクターが「人は無意味に生まれて無意味に死ぬ」なんて事を言っていたけどそんなことはきっとないんだ。そんな事を言い出したら、宇宙を含む全てのことがそうなるのだ。 「有」とは異常で、全ての効率を考えるならビッグバン以前と同じように無であった方が絶対にいいはずなのに、それでも有となったなら、宇宙が興り、生が生まれたなら、宇宙意志がそうさせたならそこにはきっと意味がある。 だから無意味だなんてことはないと、自分のなかで静かに解決した私、過枯未来19歳であった。まぁ一概には言えなくて、ならば戦争をして自滅の道を辿る人間もまた宇宙の意思なのか…なんてことを考えると辻褄が合わなくなってしまうのだった。 これはあくまでの私いち個人の考え方で、 意味があることが正義だと決められないし、無意味もまた正義かもしれない。 視点や捉え方の問題であって、全て相対的なものだから。 自分自身が1つの宇宙意思の核で、死んだ時即ち意識が閉じた時、自分を取り巻く全ての事象(宇宙)は終了する=消える。という話もある。これも面白いな…。最近ではこの世はホログラフィックで、全てが仮想現実だ、と唱える科学者もいるし。また、宇宙が宇宙自身を認知させるために、宇宙法則に悖った行動をとる人間を生み出した。 ほんと、真理はなんなんだろう。