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彼女の想う日常

10月末の月曜日の午前11時、私は目を覚ました。

私は、過枯(かこ) 未来(みらい) 19歳。

3月に高校を卒業してからはフリーターで、今はアルバイトもしていないので週末平日に関わらず、私が起床する時刻は大体午前10時から12時だ。

昨日は台風だった為か、カーテンを開けた窓の外の景色は普段より澄んでいるように思えた。そして風は強く、空は普通に青い。 夏の晴天の空はなぜあんなに鮮やかな青色なのだろうかと、私は思うのだった。

秋晴れしたこの空の色をどう表せばいいのか、わからない。

こんなによい天気で、普通は嬉しいはずだと思うのに、私の気持ちはあまり弾まない。むしろ少しばかりの寂しさを感じるのだった。 来月から新しくアルバイトを始めることにはなっているけれど、それ以外では特に何の目的もなく生活している。

進学する予定もないし、というか私の家庭はあまり裕福ではないので進学する為のお金がない。 アルバイトをして貯金をして、進学しようという気にもなれない。親の扶養から抜けるつもりは当分ないので、その範囲で稼いで進学資金だなんていったら、何年もかかってしまう。 車の免許もないので、就職する気にもなれない。自動車学校の費用も、親に頼むのは心苦しいので自分でアルバイトをして資金を貯めて、そのうち免許をとればいいと緩いことを考えている。私は、自分にとことん甘い。現在モラトリアム中のモラトリアムな19歳だ。 しかし幼少期からなにかとストレスが多い生活を送ってきたので、自分に甘くしてあげないと身がもたない気がするのだ。身というか、心が。私は若干の疾病恐怖症なので、ストレスは万病の元というのを過信している。なので自分にストレスがかからないように、と考えたらこんなだらしない生活になったのである。フリーターでこうも何の目的も焦燥感もなく、怠惰な生活を送っていると自分の健康ばかりが気になってくる。 こんなご気楽な生活をしている自分がストレスを抱えているはずがないので、やはりただの甘えた堕落者である。

とんだ馬鹿な、甘えた言い訳をするどうしよもない私である。

裕福な家庭ではないからこそ、私の、片親家庭の片親である父が、早朝から出勤して夜遅くに帰宅する姿をみて、自分は早く自立して職に就き、親を楽させてあげようと思うのが普通というか、あるべき姿であろうことはわかっている。こんな生活をいつまでも続けられるはずがないことはよくわかっている。

だけど、今後の進路について、どうしたらいいかわからない。

とりあえず来月から始めるバイトで、少しずつ貯金だけしておこう、という怠けた考えしかまだ浮かばない。

これは序章の、起承転結の起にもならない、ただのきっかけです。

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