エンディングの少し前
拝啓 桜舞い、人々も活気づく季節となりました
地球の人類の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか
一ノ宮いろはと申します。この世界に生れ落ちて早14年、物心ついた時には既に和ノ國は第二王女の席に収まっておりました。
私の両親はこの国を治める王様と王妃様でした。一夫一婦制のようで、側室さんなども見たことがございません。
どちらも美男美女な上、二人の子供を持っているとは思えないほどに若作りです。見た目20代で十分通じますよ。
子煩悩なところも子供からすればうれしいものです。
あぁ、顔だけの王様と侮るなかれ、実務能力も抜群に高いです。この和ノ國、主な収入源が観光なのですが、先王の代と今の代とで収益が全く異なります。桁一つ変わっているかもしれません。
今の世界の国のうちで三番目くらいには豊かな国でしょう。
世界中の国がかなり平和になったことも大きいかもしれませんが、それでも世界第三位の大国までのし上げたお父様とお母様の手腕は目を見張るものがあります。
あと、私の上の兄様もすごいです。私の4つ上の18歳にして190cmの高身長に少し浅黒い肌、彫りの深い顔と蒼い瞳ととんでもない色気ある顔をしています。その微笑でどれだけの淑女をときめかせてきたのでしょう。私もその一人。
それだけでなく、両親から受け継いだ優秀な遺伝子をフル活用して両親の元で王子としてバリバリ働いています。
そんなお兄様も私を溺愛してくれております。少しは他の方のことも見て差し上げて……
こんな人たちに囲まれて育った私ですが、お母様に似た黒く艶やかな長髪と人形のように整った顔に育ちまして、巷では「人形姫」と呼ばれているとか。
他人の前で表情をあまり変えないのも一端を担っていそうです。
150cm手前で止まった身長は担っていないはずです。
そんな私ですが、家族にも言っていない秘密が一つだけあります。
乙女の秘密が一つというのも寂しいもではありますが……
まぁともかく、そんな寂しい乙女一ノ宮いろはの唯一の秘密は、
「成長とともに地球の常盤生駒という少女の記憶が流れ込んでくる」
というものです。もしや彼女は私の前世だったりするのでしょうか。教えて神様。
初投稿なので要領を得ない部分が多々あると思いますがどうぞ広い心で読んでいただきたく。
ちなみに彼女はあくまで主人公の一人です。メインの主人公はアリシアです。登場まであと数話……