表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うす青い強弱の交差点  作者: 結城 義仁
8/22

08 秋祭りの苦い思い出

秋も深まり10月のよき日。

一年でもっとも市内が盛り上がる秋祭りの最終日。


祭りも終わりに近づき、少し寒くなってきた。同級生と二人で

帰ろうとした時、「おい明上、ちょっと金かせや」びっくりして

横を見ると、チンピラ野郎に脅せれて明上の顔が真っ青で足も

ガタガタ。


俺が「おい、どうかしたか」と明上に聞くと。チンピラに「おど

れは、だれじゃ」と恫喝された。


こいつは屋台の片づけを見張りに来て祭りを仕切っている地回り

の若いしだ。そう思った瞬間に、若いしが腹をめがけて蹴ってきた。

さいわい急所は外れていた。


その瞬間、俺は無意識に境内に落ちていた竹の棒を拾って殴り返し

た。 逃げようとしたので追っかけ、もう2~3発殴ったら地回りは

「まっとれや」と捨て台詞を残して走り去った。


「結城、やばいから早く帰ろうや」と明上が言った。


俺は、なんとも言えない不安に襲われた。

おい明上「仲間が来ないうちに帰ろうや……」

二人で自転車を飛ばして帰った。


その日は遅くまで寝付かれなかった。


翌日、寝不足で頭がボーとしたまま学校に行くと、違うクラスの同

級生( 同級生だが、一年年上の落第生 )が「結城、昨日神社で喧

嘩したろう」「どうして知ってるんじゃ」……。


それはな「昨日の夜、悪の知り合いから聞かれて、お前だとすぐわ

かった」「それからどうした」「あいつには、ヤバイ取り巻きが

いるから、やめとけ」と言っといたから。


それに「奴は、まだ使い走りの若いしだ。心配するな」と聞かされ。

一安心。


      祭りには、こんな事件は特別に

             珍しいことではなかった。



俺が中学時代にも神社の境内の人ごみのなかで町のチンピラと、里

帰りをしていた学生服姿の大学生と、理由は良くわからなかったが

喧嘩になり。


当初は学生の方が有利な戦いをしていたが、突然、チンピラが20セ

ンチ程の刃物を取り出した。

 

    その瞬間、学生の腕からピューと血が噴出した。

 

      「ワー」と言う観衆の悲鳴が......。


      その時、チンピラの姿は消えていた。



      俺は、こんな時代に、こんな所で生まれ育った。


       よい時代だったか、わるい時代だったか?


        ~ ひとことでは、表せないな ~




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ