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うす青い強弱の交差点  作者: 結城 義仁
7/22

07 田上先輩が大学に挑戦するそうだ……。

 青野と久しぶりに出会い、天気もいいので自転車でウロウロしていた。


たまたま田上会長の近くを通った時。青野が会長のところに寄っててみ

よや。と言うので何気なく尋ねた。


行ってみると丁度、居られた。


雑談をしているうちに想像もしなかった話が「僕は大学受験のために

、1年の時から勉強はしていたんだ」と聞かされて、びっくり。


俺が「どこの大学に行くんですか」「結城君、僕は東京の政法大学に行き

たい」「何故ですか」と尋ねると。


「現状の成績では、目いっぱいレベルを上げても、政法大学が限度なの

でね」


さすがだな田上先輩は、本人にとって最高レベルの学校を、目指してい

るんだ。


この出来事が俺の将来に大きな影響を与えてくれた。

俺も大学へ行ってみようかと考える。大きなきっかけに。


田上先輩はその後、本当に希望どうりの法政大学に合格し東京へ。



     今からでも遅くない…? 俺も負けないぞ。


       義仁は、目の前がパット開いた。



        絶対、東京の大学を目指すぞ。


      強く決意をしたが、どうすれば行けるのか?


          方策はまだ、なかった。


この時代の工業高校は今と違って、まだまだ人気のあった。

希望者は市外だけでなく県外からの学生も少なくなかった。


住まいも様々で、自宅、会社の寮や親戚の家等。広範囲から通学していた。


方言も、まちまちで、すぐには友になれず、やっと方言に違和感が、なく

なった頃に友が一人、二人と増えた。


放課後は実家が下宿屋の岡田宅に仲間の5~6人が自然と集合し、花札や

マージャンでなどで良く遊んだだりしたもんだ。


不幸なことに、この年は例年になくきびしかった。


本校では珍しく三年生に上がるときに同級生の落第生が多くでた。

なんと5人も。その中に学友の三人も含まれた。

残念ながら二人は、理由は良くわからないが学校をやめてしまった。


上級生からも二人が落第して別のクラスに。

その一人が教室に来るなり「結城、宜しく頼むな」と、親しそうに。

同級生になったのだから偉そうにするなと腹の中で。


そいつが、ある日、競輪用の自転車に乗っていた。「・・どうかした

んか」「おれは、競輪選手になるんじゃ」と。


その後そいつは学校を辞めて、競輪の世界に入り、そこそこの選手に

なれたと、風邪の便りで聞いた。


      人生いろいろ ~ こんな歌もあったような?



    この時期が私も友にも、一番重要な境目だったのか?


   学校を辞めてしまった者達の、その後は、ほとんど不明だ




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