04 いかにもクセのある先輩達との出会いが……。
『 藤原との関係で多くの先輩と知り合いに 』
藤原と付き合い始めて数ヶ月ほど経ったある日。
繁華街をブラブラしている時のことだった。
「おおー藤原」と声をかけられると「・・・兄」と先輩が、いかにも
久しそうで、俺には先輩・後輩ではなく、単なる仲間同士しに見えな
かった。
我が校の3年生で、いかにも目つきが鋭くて、危ないなと直感した古畑
と、身体がでっかく、がっちりとした、いかにも強面な柔道部の石田の
二人がいた。
石田先輩は柔道部だけあって、身体もでっかく、いかにも強そうな面
構えだ。会って話してみると見かけとは違って、やさしい兄貴タイプ
のいい男。
尋ねていくと、すぐに食べ物を持ってきて、まー食えや。
気楽に藤原と一緒に良く遊びにいった。
暇を持て余し、町裏ををウロウロしていた。
藤原が「この近くに古畑先輩の家がある」「行ってみようぜ」。
ドアをノックすると「ちょっとまてや」と声が聞こえ急にドアが開いた。
「わー」と言いながら、制服姿の女の子が、上着を直しながら飛びだ
してきた。その時は事情が良くわからなかった。
藤原が「先輩、後で来ましょうか」と尋ねると。
先輩は、何もなかったように「まー入れや」と言って、冷蔵庫から
サイダーを出して一本ずつ手渡した。
何となく部屋を見渡すと、ここは自宅ではなく、ワンルームのアパート
だ。後で聞いた話では、親は飲食店を経営していて、毎日帰りは夜遅く殆
ど顔も合わせないそうだ。
先輩がグレタ理由は、なんとなく、わかったような気がした。
その後も古畑先輩とは何回か会った。 何回会っても、なかなか気心が
知れず怖い感覚は、ぬぐいきれなかったな......。
その後、藤原と親しくなった繋がりで、
広域の不良グループ(田神会)の結成にも加わることに。
もう梅雨の季節に入り、じとじとした天候がうっとうしい、ある日曜日、
藤原が俺に川東校の田上先輩のところに一緒に行こうや」と言うので、
何気なく「いいよ」と返事したものの……。
その頃「田上先輩」の評判は、市内以外の近郊にまで鳴りひびき。
身体は小さいが、幼少期からボクシングを始め、かなりの腕前で、喧嘩
をしても負けた事がなく、怖い先輩だと聞かされていた。
俺が今後ずーと田上先輩と長く付き合う事になろうとは。この時には、
考えも及ばなかった。
とにかく3人で、田上先輩の自宅を訪ねた。
「田上先輩、藤原です」奥の方から「入ってよ」。
玄関に入ると「よーきたな、あがって、あがって」「お邪魔します」。
俺が想像していた人とは全く違っていた。
先輩は優しい顔でニコニコして「名前は」「工業高校の結城です」
「港高校の青山です」と言うと「川東高校の田上竜司です、宜しく」
はっ…(宜しく)、挨拶でも負けてしまったな…。
茶を飲み、菓子も食べながら楽しく雑談を。
数時間過ごしたので、帰ろうとした時。
「結城君、青山君、また遊びに来てください」丁寧な言葉にもビックリ。
この先輩は、すごい人だた。
出会えて良かった。今でも時々蘇る。
私は、誰もが認めるリーダーになるには、腕と度胸だけでなく、
人を引き付ける人望が必要だと、
強く心にしまい込んだ。