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第一回

順番としては、「箱姉→螺子→柊城隼人→鍵猫→藤堂要」の順番でやっております。ぐっだぐだですが、どうぞご覧ください。

 事の始まりはひとつの教室からだった。その教室は誰も入ったことのない、『開かずの教室』であった。まず了承して欲しいのは、俺は自分で入ろうとしたわけではないということと、こんなことになるとも思っていなかったこと。


 そして――――。













 ◇  ◇


 目の前に映る光景は、想像していたものとは全く異なるものであった。学校の廊下から、学校の廊下へ出た。直後、背後からの強い視線を感じた。こんな異形の空間で、こんな異常な状況で、こんなにも異質な視線を味わうことがどれだけ恐いかは想像に難くないだろう。「目」に見えているものはいつもの廊下だ、見慣れて歩きなれたいつもの廊下。しかし、肌に感じる空気は異様に寒く、背筋を凍らせた。

 とにかく、この視線から逃げなくては。逃げ足には元々自信があったが、なぜだかこの時、この視線からは逃げられるかどうかは不安であった。

 兎に角今は逃げなきゃ不味いだろ!


 ダッ、俺は床を思い切り蹴って全力で駈け出した。それでもその視線は俺を追いかけてくるような錯覚にとらわれる。

「な、なんだってんだよ、どうなってんだよ!」

 俺を追いかけてくる『何か』に向かって、俺は泣き出しそうな表情で叫んだ。その『何か』を視界に捕らえた瞬間、俺は拍子抜けした。

「なんだよ……ただの黒猫だったのか……」

 おどろかすなよ――。


 その時。



「おどろきましたか?」




「……へ、えっと、あれ?幻聴か?どこかからか声が……」

「幻聴なんかではありませんよ……私です、私」

 目の前の猫は座って足の毛繕いをしているが――この猫が話しかけているのか?

「…お前は何者なんだ?」

「人に名前を聞く時は、まず自分が名乗ってからってのが礼儀だろうが。」

「え?あ、はい、すみません。俺は上坂かみさか総慈そうじっていいます」

「ぴっちぴちの15歳です」とも付け加えておく。さらに左腕を頭に、右腕を腰にあて、セクシーポーズもおまけしておいた。黒猫は露骨に嫌そうな顔をしている。


「え、あ、俺、名乗ったので……あなたも名乗ってください。」

「私はコルグレット・リグナス・アールグラント・レヴィン・バスタロン・コード・シュウィラン。長いだろうからルグでいい。現在は見ての通り黒猫だ」



 

 ――――これが、「俺」と「ルグ」の不思議な出会い。

 俺の運命が大きく左右された日だった。

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