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冗談じゃねぇーよッッ!!  作者: 宮野明紀
4/5

あっ、四天王に挑む前に殺られる。



…こッ、これは…どういう事??



「うわぁ〜♪

日向ちゃんの猫耳可愛い〜!!

すっ〜ごくッ!ふわふわしてるッ!!」


「ウフフっ!撫でるとピクピク動くのね?」


「って言うか、髪の色は茶色なのに。

何で耳は黒いのぉおぉ〜??

可愛いけど、面白いねッ!!」


「ねぇねぇッ!!

もしかして尻尾も黒いのぉ??

ちょっと見せてよ〜っ♪」




触覚やら、牙やら、羽やら…?


兎に角、変な物を付けた女の子達が次々と

日向の頭に付いている物を触って来る…。




今の日向の姿は、まるで黒猫の様な魔物。



頭には黒猫の耳…。後ろには黒い尻尾…。


更には、三本ヒゲまで付いていた。




……え〜っと…。


まぁ〜。とりあえず〜。


あの薬は凄いって事は分かったぁ!!



アイツから貰った変装薬は

どうやら化け猫だったらしいけど…。



日向は、騒ぎ出した女の子達を好きにさせながら

理事長に聞いた話を思い浮かべた。




ーーーー




「あ、ところでさぁ。

その…四天王っとか言う奴ら…って…

どういう方法で暗殺するの??


神様でも難しいのに…ッ…。」



「ウッフフフ〜。

心配いらないよぉッ!日向ちゃんッ!!

大丈夫、ちゃんと作戦はあるよっ!」キラッ☆



「…そのふざけた声は、苛つきが増すだけだから

止めといた方がいいですよ?


それより、早く言って下さい…。」



「えぇっ〜?!

日向ちゃん…っ可愛い顔して冷たいなぁ〜!


まぁ〜。簡単に言うと…。

暗殺方法は、2つ。

まず、彼等に近付き…仲良くなる!!

そして、油断したその隙をついて…


この剣で刺すか…

この薬を飲ませるんだよ。」




理事長がテーブルの下から

取り出して…日向に見せた。



懐サイズの小さな剣は…

銀色に輝き

刃には見た事が無い文字が綴られており…。

所々に小さな宝石が光っていた。



小さな可愛らしい瓶に入った液体は

金色に輝いていて、美しい。



「…あの…。

コレ…何ですか…?」



渡された物をじっくり見た後

理事長の仮面を見ると

理事長は、先程までとは違う…。

優しい笑みを含めた声でゆっくり話を進めた。



「この2つは、どちらも魔物退治用の専用武器でね…。

法力を持つ者にしか見る事も…

触る事もできない。

でもやっぱり日向ちゃんは、凄いね!!

剣も液体も両方見えるなんて…。」


「…はぁ…。

正直…私にはよく分からないです…。」



「まぁ…まだ分からなくとも無理はない。

それは、ゆっくり自分で知って行くさ。」


「はぁ…。そうなんですか…?」



「まぁ…この武器に対しては…

使うのは何方でも構わない。


勿論。剣の方が確実性はあるが…

殺す感覚は怖いだろし

血を見るのが嫌なら無理をせず…

この液体を飲ませればいい。


2つとも魔物達の弱点だからね…。

日向ちゃんの好きな方を選んでいい。」



「はいッ!!分かりましたっ!!」



「あ、そうそう!!コレも必要だね!!

日向ちゃんにとっては、武器より必需品だから常に持ち歩いてね?」



「??何ですか?これ…?」



「これは変装薬っと言って…見た目も匂いも一時的に完全な魔物の姿になる事が出来るんだよ。


小さなカプセル状になってるから手軽だし

変装対策は、コレだけで十分だよッ!」



「えっ?コレだけ??」



日向は、渡されたピンクの瓶を

睨みつける勢いで見ていた。



「でも、効果は24時間までだから

夜寝る前は、必ず飲む様にね??」



「…あっ…はい。

分かりました…。」



少し自信無さ気に言うと

理事長は日向の髪を優しく撫でた。



「…はぁっ?」



「大丈夫。

君なら出来るッ!!

私も出来るだけサポートはする。

だから、お願いだ。


四天王を倒して欲しい。」



「…理事長は…

どうしてそんなに私を買ってるの??」



「…私は何でも知っているからだよ。

君なら必ず出来るからね。」



「しかも、何でそんなに私の事知ってるんですか?私、貴方と始めて会ったんですが…何処かでお会いしましたか…??」



日向は、恐る恐るそう聞いてみると…

暫く沈黙の後、目の前の男は突然立ち上がった。


「おっおおおっとッ!!これ以上はダメだッ!!

幾ら日向ちゃんでも

それを教える事は出来ないのさっ!!

何故ならぁあッ!!

私は秘密主義者だからねッ!!

あっはははぁーっ!!

さっ!!早く教室に行きたまえッ!!

先生は、遅刻は許しませんよぉ〜!?

あ、くれぐれも薬を飲むのを忘れずにッ!!

きっと可愛い魔物になれるだろうッ!!!

ハッハハハハッ!!!」



「……。」



ーーーー



…何か思い出したら腹立って来た…。



何が秘密主義者だっ!!!


転入したばかりの生徒に

思いっきりあり得ない事情を暴露さてる癖にッ…!!




まぁでも、今更変更できないし…

引き返せないよなぁ〜。


それに…両親が居ない私にとっては…

あの条件は助かるし…。



やるしか無いよね!!




「よしっ!!

腹が減っては戦は出来ぬッッ!!!

いただきますッ!!!」



昼休みになり、日向はどうにか

女子の質問攻めから逃れて、食堂に来ていた。



これまた、金持ち学校ならではの食堂。


綺麗なステンドガラスの天上。

広々とした空間が広がっており、アーチ型の大きな窓が優しい光を差し込んで、豪華なシャンデリアが幾つもある。


もはや食堂とは言ってはいけない様な雰囲気がある。



「う〜ん♪すげぇうめぇッ!!

流石ッ有名シェフッ!!腕が違うぜ…!」


「…ねぇ、貴方。」


「んッ!?グフッ…!!ゴホッ!!

えっ?!あっ、あぁ。何…??」



昼から豪華な幕の内定食を、男子もビックリな食べっぷりでガツガツ食べていると


突然、目の前に女の子が現れた。



おぉ…めっちゃ可愛い…。



エメラルドのウェイブが掛かった髪…。

目は深緑…睫毛もめっちゃ長い…。



フランス人形みたい…。


あっ…同じ青のリボンしてるって事は

同い年かな??



……でも背中に羽が付いてる…。


しかも頭に触覚も生えてる…。

あ、でも他の女の子達より羽も触覚も大きいなぁ…。




じっーと見つめていると

向こうも此方をじっーっと見つめて来た。



そして、可愛らしくにっこり笑った後

日向に近づき、首元に腕を巻き付けて抱き付いて来た。



「うへぇッ?!はっ?!えっ?!

何っ?!ちょッ…!?」



思わず立ち上がった日向の猫耳を触ったり、スカートから出てる尻尾を撫でる様に触って来た。



何だこの子ッ?!?!

可愛いけど何か違うッッ!!!



引きつった笑みを浮かべながら

如何にか言葉を出した。



「なっ…何か用かぁ〜?!」



「フフッ…。可愛い猫耳ですね。

尻尾まで付いてますし…。」



少女は、花が咲いた様な笑みを浮かべながら



「本当、よく出来ていらっしゃるわぁ〜!

どう言う魔法を使っているのですか?」




「…はっ…?」



…何か嫌な予感がする…。




そして彼女は、先程とは違うチシャ猫の様な笑みを浮かべながら耳元にそっと顔を近付けた。





「ねぇ貴方…。

…魔物じゃないですよね?」





…これは…


四天王に挑む前に死亡フラグが立ってると思います…。






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