表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

言葉の刃でペチペチと頬を叩く

あれから数日後、今日はとある令嬢を紹介してもらった。あの逆ハーレム軍団に所属する、騎士志望の男がいるんだけどね?その人の婚約者ですってよ。


控えめでカスミソウのような可愛らしさのある女の子じゃないの。でも侯爵家の娘さんで大切にされていたのが解る容貌。素敵だわあ。これで婚約者が脳筋っぽいのが信じられない。


「それではレティシア様、こちらの招待券をどうぞ」


私がカスミソウことレティシア嬢にクラブのチケットを手渡そうとした時だった。


「なあ、待って」


私とレティシア嬢の間に男が現れる。おおっと?この人は?あの逆ハーレムの一員じゃないか?というかレティシア嬢の婚約者だね。彼はレティシア嬢の目を見た。


「レティシアは俺の婚約者だろ」


私に対しては敵愾心増々な雰囲気。必死に威嚇してきて可愛いね。レッサーパンダみたい。私もレティシア嬢もウフフと笑った。私は言葉の刃でペチペチと頬を叩く。


「親しい女性が他にいらっしゃるのでは?いつも一緒にいらっしゃる特待生の」

「違うって」


めちゃくちゃ嫌な顔をされた。まあ、知ってるけどね。レティシア嬢もくすくすと笑う。


「解っています。殿下の護衛として彼女の側を離れられないのですよね?でも、貴方は何も私に説明しなかったわ」

「君からの手紙で、解っているのかと…」

「答え合わせをしなければテストの点数はつけられないものです」


そうだね。ホウレンソウはきちんと茹でないとダメだね。報告、連絡、相談ができないと家族感でも誤解が生まれて亀裂が走るんだぜ?


「想像してみてください。私が常に特定の男性と一緒にいたら、どう思いますか?」

「それは…理由があるんだろうと…」

「三ヶ月も貴方とはお茶会すらしないのに、その男性と毎日のように出かけていても?」


そっぽを向くレティシア嬢。婚約者の彼は暫く目を彷徨わせていたが、やがてシオシオと項垂れて「悪かった」と謝った。レティシア嬢の言ったことは彼がやったことだからね。


でも、この男はまだマシなものだ。たびたびレティシア嬢宛にちいさな花束とか贈ってお詫びムーヴはしていたのだから。花束一つでどうにかなると思うのならば、それは勘違いだけどな。


「ずっと殿下の護衛をしなくてはならないと思っていたけれど、母上にレティシアとはどうなのか問われて」


気にしてみたら、ちょうど婚約者が逃げようとさていたのだ。彼は慌てるだろう。人間というのは手に入っていたものを失う方が圧倒的に惜しくなるからだ。なにより私が作った前例…毒餌があるしね。


今までは婚約した女はそのまま手に入ると男達は思っていた。だが、プレイボーイが男爵令嬢に捨てられた様子を見て考えを改めた…というか勘違いした。クラブに行った女には捨てられるって。で、イマココ。


「とてもキツイことを言いますが、本来ならば護衛は交代制です。貴方だけに負担をかけるシステムならば止めるよう声を上げるべきかと」


それに、と私はヒソヒソ声で続けた。


『殿下から離れても貴方の将来にはまったく影響がないのです。危険の少ない学園での護衛ごっこと思われるだけです。ちゃんと騎士団のもとで下働きしたほうが高評価ですよ?』


彼は驚愕といった表情でこちらを見ていた。まあ、これに関しては彼は悪くないよ。なにせ親からも殿下の身を守るんだと言われているし、普通ならば学園で王子の身辺を守っていたら王族からの覚えが良くなる筈だからね。


でもねえ、その前提条件が崩れてるんだわ。これは第三者だから気付くことであって、台風の目にいた彼が解るわけないんだよね。そのことに気付かなかった家族やレティシア様も悪いっちゃ悪いけど…解るわけないよね。あんな嵐の中央がとても穏やかなんてさ。


「今後、どうなさいます?」

「殿下の護衛について家族と相談したいと思う。俺は、ちゃんと騎士になりたいから…」


彼にとって大事なのは夢だと、レティシア嬢もそれを確認できたので満足そうに頷く。


「ごめんなさい、意地悪をしてしまいました。どうかお詫びをさせてくださる?」


もともとレティシア嬢はそんなに怒っていない。さっきのお詫びムーヴもあるし、彼はまだ特待生を好きになっていなかったからだ。女より夢を優先できたわけだし。だから、これでお互い仲直りって感じだね。


特待生の好みから微妙に外れていたし、そんなにお金持ちな実家でもないから本格的な攻略が始まっていなかったんだね。ついでに落とせればいいやみたいに思われていたわけで。運よく逃げられたわけだ。よかったね。


「お騒がせしました」

「いえいえ。仲睦まじいのが一番ですよ」

「ええ。これから一緒に出掛けようと思います」


これも打ちたかった一手。特待生の逆ハーレムから逃げ出した男がいるという必要な前例だ。このカードが発動した時!魅了の効果は無効化される!


つまり、あいつら自主的に特待生の側にいるんやで…というふるい落としですな!同時に特待生の勢力を削ぐことで罠にはめやすくなる。


(ついでに、特待生ハーレムから抜け出せたのは私のおかげだとチラつかせてお金を搾り取らせてもらお)


ククク…銭の香りがしますなあ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ