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短編2

数滴毒を垂らしただけ

作者: 猫宮蒼



 ラシィ・キュレットは冒険者ギルドの受付として働いている。

 幼い頃に冒険者を目指そうとしたものの、そもそも適性が全くなかった。

 魔法は生活魔法がちょっと使えるだけ。

 武器の扱いはかろうじて護身程度。その護身も相手を倒せるだけの力量があるわけでもなく、どちらかといえば隙をつくって逃げ出すのがやっとといったところで。


 幼いころの憧れは憧れのままに、それでもちょっとだけ近い世界で……と考えた結果ラシィは冒険者ギルドの受付嬢になったのだ。


 受付は別に女性でなくても問題はない。

 ただ冒険者の大半が男性であるので、事務仕事の得意な男性が受付にいるのと女性が受付にいるのとでは、訪れる冒険者のテンションが違うのだ。


 たまに面倒くさい絡み方をしてくる冒険者もいるけれど、そういうのは受付の奥の方で仕事をしている荒事にも対応できる人に任せればいい。

 最初から受付にいかつい男性がいると、今度は冒険者になって間もない新人が委縮してしまうので、一見すると強そうに見えなくて、その上で可愛いだとか、綺麗な女性が受付にいる方が話がスムーズだったりするのだ。


 忙しい時はさておき、暇なときは冒険者との雑談も許されている。

 ラシィは冒険譚を聞くのが好きなので、にこにこ笑いながらそういった話を聞いていた。


 ラシィの冒険者人気はそれなりに高い。

 仕事が終わったら一緒に飯でもどうだい? なんて誘いもそこそこある。

 けれども面倒ごとに発展すると厄介なのでラシィはそういった誘いは断っていた。

 だって、あいつの誘いは受けたのになんで俺の誘いは断るんだ、なんて絡まれたりしたら面倒極まりないから。人間は平等ではない。そう切り捨ててやればいいだけの話だが、下手な逆恨みをされても困るので。

 平等だったらラシィだって今頃は冒険者として活躍していたはずなのに。


 確かに強い冒険者はギルド職員以上の稼ぎもあるけれど、しかしその稼ぎは安定しているわけでもない。

 一生遊んで暮らせるくらいの一攫千金を稼げるような冒険者などそういないし、ましてや大金が入った途端豪遊して早々に素寒貧になる者もいる。

 そもそもいつ死んでもおかしくないのが冒険者だ。

 それもあって、金遣いは大半荒い。

 勿論すべての冒険者がそうというわけではないが、堅実なところは稼ぎもそれなりである。


 あくまでもラシィにとって冒険者という存在は憧れと、仕事上で関わるだけの存在であった。プライベートでまでは関わらない。線引きがはっきりしていた。


 そんなラシィには結婚を前提に付き合っている恋人がいた。

 冒険者たち向けの武具や道具を扱う商会で働いているアイクである。

 魔物やダンジョンといった存在があり続ける限りは冒険者もなくならないので、商会が余程の不手際でもやらかさない限りは冒険者ギルド同様安定した職場であるとも言える。


 健全なお付き合いをして、そろそろ結婚しようか、という話になっていたのだが最近になって雲行きが怪しくなってきた。


 ちなみに雲行きが怪しくなってきた事に関する情報源は冒険者の皆さんである。

 一人二人なら、ラシィに横恋慕して相手との仲を引き裂いてやろうと考えた可能性も出たけれど、男性だけではなく女性の冒険者までもが忠告してきたのだ。

 女性の冒険者がアイクに懸想して……とは考えにくい。だって夫婦で冒険者してる人たちもラシィに情報を持ち込んできたのだから。


 確かに最近ちょっとアイクの様子がおかしいな、と思ったりする事はあった。

 けれどそれも仕事が忙しいのと、結婚間近というのもあって色々と気疲れしているのかなと思っていたのだ。ラシィだって色々忙しいのと大変なのとで精神的にお疲れだったし。


 ところがタレコミによるとアイクはどうやら他の女とお付き合いしているらしいのだ。

 お相手は冒険者たちがよく利用する酒場で働くメリィ。

 ラシィとメリィ、名前の印象ちょっと似てるな……それがラシィが最初に抱いた感想である。

 この街は大きいのでもしかしたら、気付かれないと思ったのだろうか。確かにラシィは気付かなかった。自分の行動範囲内で堂々と浮気されてたら目撃した可能性も高いけど、どうやら二人が浮気して行動しているのはラシィの行動範囲外での事なので。

 休みの日にちょっと気分転換で普段行かないようなとこに行けば目撃できた可能性はあるけれど、そうなる前に冒険者の皆さんからタレコミがなされたというわけである。


 ラシィは一切知らなかったという点でアイクの浮気は上手くやれていたと言えるけれど、しかしその他大勢の目を欺く事はできなかった。そもそもアイクは仕事で直接冒険者と関わるわけでもない。冒険者が利用する店で働いてはいるが裏方で冒険者と顔を突き合わせて話をするような事もない。だからすぐにバレるような事にはならなかった。

 しかしながらそれ以前にラシィは冒険者ギルドの顔みたいなものだ。この街のギルドを利用する冒険者はラシィの顔を知らないなんてありえないし、ちょっとした雑談から結婚を前提にしている恋人がいるとも知っている。


 アイクという名前こそ冒険者たちは知っていたが、しかし顔を知る機会はなかった。


 しかし、街中で堂々メリィとデートしていた時にメリィが「ねぇアイク~」なんて甘ったるい声で名を呼んだ事で。


 アイク? ラシィの恋人だっていう男の名前だな?

 となって一部の冒険者が顔を把握し、次にまた見かけた時に他の仲間たちにあいつがラシィの、とそっと教え、アイクの顔を把握した他の冒険者たちが念のため他にアイクという男がいないかを確認し、その上で浮気したくそ野郎がラシィの婚約者だと確定し、それからラシィに伝えられたのである。

 その際メリィの情報も伝えられている。

 流石冒険者。連携が半端ない。

 危険な場所に赴く事もあるので仲間同士での連絡は疎かにしてはいけないとはいえ、こんな平和な街でそれが発揮されるとかラシィだって思わなかった。

 ちなみにメリィの面が割れたのは、アイクと一緒にいたのを見た冒険者が酒場で見かけ、あれあいつ……となってそこからだ。


 ラシィだけなら多分そのまま隠し通せていただろう。

 何故ってラシィは別に酒場に足を運ぶことがなかったので。


 アイクとメリィの敗因は、ラシィの顔が冒険者たちに広く知られているという点に限る。

 ラシィが冒険者という街に大勢いるような存在から周知されない目立たない人物であったなら、きっと誰からもあいつ浮気してるぜなんて教えられる事もなかっただろう。


 少し考えたらわかりそうな事ではあるのだがそれに気づかなかったというのは恐らく。


 恐らくアイクが裏方の人間だったからだ。

 彼自身、冒険者と関わる仕事をしていても自身が直接冒険者とやり取りをする事もなかったために、同じく冒険者絡みの仕事をしているラシィも自分と同じような裏方――精々ギルドでの依頼を纏めたり経理関係の書類仕事しかしてないのだと思っていた可能性がとても高い。

 受付と言われても、そこまで密接に冒険者と話をするようなものではないのだと思っていた可能性もある。


 アイク自身、冒険者として一度でも冒険者ギルドを利用していれば受付にいる者というのがどれだけ存在感があるかを知っただろうけれど、一度も利用したことがない場所だ。人から話を聞いたところで、アイクの想像と話をした人物の脳内の光景とが一致するとは限らなかった。


 そうでなくとも自分が知らない事を正確に想像しろというのは無理がある。

 ある程度の情報があったとしても、その情報を正確に組み立てて真実を構成できるかどうかは人によるのだから。



 ともあれ、冒険者たちから話を聞いたラシィだが、なんというか一度の過ちどころの話じゃなかったのでこれから結婚する相手のはずがあっという間に気持ちは冷めてしまった。多分冬の川の方が温かいくらいに気持ちは冷めている。


 これが大勢でラシィを騙そうというのならともかく、そんな人たちではないというのはラシィがよく知ってる。冗談を口にする者は確かにいるが、人をいたずらに傷つけるような嘘を吐くような人たちでない。ラシィに今まで情報を教えてくれた冒険者たちはラシィからみてそう判断できる人たちだった。


 結婚までのちょっとした遊びで、結婚後にすっぱりと関係を切る事つもりなのか、それとも結婚後も水面下でやりとりをするのか。

 そこら辺はアイクとメリィの気持ち次第だろう。だからといって、ラシィはそんなアイクと結婚したいとはとてもじゃないが思えなくなってしまったが。


 ラシィの事を心配してくる冒険者たちには、

「大丈夫よ、でも少し考える時間が欲しいの。気持ちの整理って大事だと思うから」

 と伝えておいた。

 ラシィに対して恋愛感情を持っている冒険者も中にはいるかもしれないが、ラシィの事を妹のように思う冒険者も、姉のように思っている冒険者もいる。

 女性の冒険者たちからもラシィは友人や姉妹のように思われていた。


 仕事は仕事としてプライベートでまで親しくしていないのに、と思っているがラシィは気付いていない。

 暇なときのちょっとした雑談などですっかりそういう認定をされてしまったのだという事実を。


 仕事中はしっかりかっちりこなすラシィが、暇なときはそういったお堅い雰囲気を取っ払って接するのだ。

 公私の区別がはっきりしすぎて、まるで魔物と戦う時とそうじゃない時の俺らみたいなもんじゃねぇか、と一部の冒険者から親近感を持たれていた。



 ――決断を下す日は、案外早くに訪れた。


 仕事が休みの日、ラシィはとりあえずいくつかの食糧と生活用品を買い足しに行くべく街をぶらついていたのだが、ふと普段足を運んでいないところへ行ってみようかと思い立ったのだ。


 まさかそんなアイクの浮気現場になんてそう簡単に出くわすはずもなかろう、なんて思って。



 ところが。


 出くわしてしまったのである。


 それも浮気相手のメリィと腕を組んで、どこからどう見ても二人は恋人同士ですと言わんばかりの状態でアクセサリーショップから出てきたところを。


「ラ……ラシィ……!?」


 どうしてここに……!? と上擦った声でアイクが言う。


「あらアイク。奇遇ね。私今日はお仕事がお休みだから気分転換にショッピングに出かけようと思って。

 ところでそちらの方は?」


 言い逃れができそうな状況であったなら、アイクはきっとそうしただろう。

 しかしどこからどう見ても恋人同士の距離感すぎて、これでは何を言ったところで今更感しかない。

 妹? アイクに妹がいない事はラシィだって知っている。ラシィは何度かアイクの家にも来ていたのだ。その時に両親と顔を合わせているし、アイクの家族構成は既に知っている。

 血のつながらない妹を引き取った経緯を今すぐでっち上げられる程、残念ながらアイクの頭の回転はよくなかった。

 それ以前に妹ですらない。


 従姉妹というにも無謀だった。そして、ただの友達だと言うのだって。

 腕を組んで密着した状態でなければ、まだ誤魔化せたかもしれない。


 どうしたものかと言い淀んだアイクの横で、じろじろとラシィを見定めていたメリィがふっ、と嗤った。


「なぁんだ、聞いてた話だと美人だって言ってたのに大した事ないんですね。

 こんなおばさんを美人だなんて言ってたの? アイクったら」


 きゃらきゃらとやけに甲高い声で嘲笑うメリィは、ラシィからみて醜悪に尽きた。

 冒険者たちの情報で、彼らが利用する酒場で看板娘みたいな立ち位置にいると聞いていたが、ラシィからみて美人か? と言われると微妙だったからだ。


 化粧が厚い。


 まず最初に思ったのがこれだった。

 どんだけ盛るのよ。舞台女優ならまだしもここは舞台でもなんでもないのよ。

 そう言いそうになった。


 ゴテゴテに塗りたくっているのはそうだが、しかしあくまでも自然に化粧をしていないように見せているのもあって、化粧に詳しくない男性であればすっぴんだと騙されるのかもしれない。だが女性から見れば一目瞭然の厚さだった。


 あと、おばさんと言われたが冒険者たちの情報からするとメリィの方が年上である。

 私がおばさんならあんたはミイラか、と言いそうにもなってとりあえずラシィは脳内で三秒ほど素数を数えた。三秒なのでそこまで数えられなかった。


 アイクが何かを誤魔化す前にメリィがラシィを挑発するような事を言い出したものだから、アイクは「お、おい……!」と止めようとしたものの、まだどうにかなるだろうという希望を捨てていないのか妙におろおろしていた。


 死にそうになって尚、それでも窮地を乗り切った冒険者たちの話を聞いていたラシィからすると判断力も決断力も足りていないのね、この人……という気持ちになってますます冷め切っていく。

 そりゃあ冒険者でもない男にそんな豪胆さとか求めても仕方がないのはわかっているが、だったらそもそも最初から浮気すんなと言いたい。

 堅実そうで、誠実で真面目な人だと思っていただけに、この失望は半端なかった。


 むしろここで開き直るくらいのふてぶてしさがあったなら、ラシィだってもうちょっとその場のノリと勢いで行動していたのだけれど。まぁ要するに一発ぶん殴って終わりにしていた。


 だが下手におろおろされてロクな言葉も出てこないせいで、何か深い事情でもあるのかしら……? なんて、絶対ないと思いつつも思ってしまったわけで。

 言い訳の一つでも聞いてから行動しましょ、となったのである。


「アイク、この失礼な人はお友達? それとも恋人? まさか結婚を間近にこんなことになるなんて思ってなかったわ、私」

「いやあの、違うんだ、聞いてくれラシィ」

「何を? 愛人関係は続けたいって相談? それとも結婚の中止?」

「そうじゃなくて」

「そうじゃないなら、結婚後にはこの人との関係を切るってこと?」

「はぁ!? 何よそれ!」


 メリィが割り込んでくる。


 しかし結婚後に愛人関係を続けたいのか、それとも結婚そのものをしないのか、という問いに違うというのなら、結婚はするし愛人関係は続けないという第三の選択肢になるわけで。


「あんたとアイクが結婚するんじゃなくて、あたしがアイクと結婚するのよ」

「あら、でも私、既にアイクのご両親には挨拶もしてあるのに」

「そんなの今からでもあたしに変わったって問題ないでしょ。おばさんは引っ込め」


「アイク。貴方はそれでいいの?」

「え?」

「いいなら別にいいのよ。婚約してるのに浮気された事実はあるから少額でも慰謝料は払ってもらうけど」

「え?」

「で、どうすんの?」

「払ってやるわよだからもうアイクには近づかないで!」

「えっ?」


 ラシィがアイクに問いかけているのに、それに答えたのはメリィだった。


「アイクに纏わりついて結婚に必死にしがみ付こうとしてみっともないって思わないの!? あたしとアイクは真実愛し合ってるんだから邪魔しないでよ!」


 街中で突然の修羅場。

 ラシィとアイクだけならそこまで大声で話していなかったので何とも思われなかっただろうけれど、メリィがわざとかというくらい大声を張り上げるものだから、周囲にいた人たちも足を止めてなんだなんだとこちらを見ている。


「そう。じゃあ結婚式に関してかかった費用の私が払う予定だった分だけは慰謝料として請求させてもらうわ。どうせ大金すぎても払えないでしょうし」

「はん、それくらいなら払ってあげる。後になってからみっともなくやっぱりお金が足りないんですう~、なんて泣きついてこないでよね。そんな事したら警邏呼んで叩き返してやるから」

「するわけないでしょ。貴方のほうこそ後になってからこんなはずじゃなかったのー、なんて泣きついてこないでよね」

「はぁ? 負け犬の遠吠えってやつ? そうやって言ったら不安になって撤回してあたしがアイクと別れるとか思ってる?」

「まさか。こんな男だとわかってたら最初から選ばなかったわ。いらないからこっちにこないようしっかりつなぎとめておいてちょうだい」


 メリィの頭の中がどうなっているかはわからないが、ラシィの本音を精いっぱいの強がりとでも思ったのだろう。

 アイクと腕を組んだまま、メリィは勝ち誇ったように笑った。

「アイクがそんな事するわけないわ。あたしと愛し合ってるんだから」


「そう。お幸せに。

 あ、そうだ」


 そこで一度言葉を切れば、勝ち誇った表情のままメリィはまだ何か言いたいことあんの? と馬鹿にしたように言ってきたが。


「アイクのご両親って少しどころじゃなく気難しい人たちだから、頑張って頂戴ね。貴方の家が資産家なら別居もできるでしょうけれど、アイクは実家暮らしだから。

 私は同居で構わなかったから新居とか考えてなかったけど」

「は?」

「それから、アイクって遅くにできた子だから、ご両親も高齢に差し掛かっていて、数年後には介護とか必要になるかもしれないわ。まぁでも、愛した男性を生み育てたご両親ですもの、何の問題もなかったわね?」

「えっ?」

「じゃあ、私はこれで。アイク、二度と私に近づいてこないでね。

 虫唾が走るから」


「あっ、ラ、ラシィ」

「それじゃあ二人とも、お幸せに!!」


 笑顔のまま颯爽と二人の前から立ち去っていく。

 メリィが大声で周囲の注意を引いたのもあって、無駄に周囲に観客がいた。最後だけラシィも少し声を張ってそう告げれば、なんか知らんが上手くおさまったらしい、となった周囲が勝手にパチパチと拍手と歓声を送り始める。


 なんか知らんが幸せになれよー! と周囲で野次が飛び交った。


 ちなみにアイクとメリィは全く把握していなかったが、ラシィは当然わかっていた。観客たちの中に顔見知りの冒険者が数名いたことを。


 居合わせたのは偶然だろうけれど、それでも何かあればきっとラシィを助けに割って入ってくれたとは思う。けれどもキャットファイトも痴情の縺れからの殺傷沙汰も起こらなかったので。

 彼らは何食わぬ顔をして二人の幸せを祝う側に回ったのだ。



 勿論ラシィだって最初からこんな喧嘩腰になるつもりはなかった。

 もしアイクが都合の良い事ばかりを並べ立ててメリィが騙されているようであれば、冷静に話し合うつもりだったけれど。

 初っ端からあの態度ではその必要もないなと思うわけで。


 最初からこっちを敵視というか見下すような態度の人にまで、ラシィは親切にしてあげようとは思わなかった。仕事ならともかくプライベートならなおの事。職業柄血の気の多い冒険者や機嫌が悪く周囲に当たり散らしたりする冒険者とも接する事はあるけれど、あっちは危険な状態になれば助けに入ってくれる者もいるからまだいい。仕事と割り切れる。

 けれどもプライベートでまであんな嫌な人間と関わりたいなどと誰が思うものか。



 あとからやっぱり慰謝料なんて払わないなんて言われたならばその時はその時だけど。

 あれだけ大勢の目撃者がいる中でやらかしたのだ。いざとなったら証人はごまんといるし、その場合は婚約者に手を出す略奪女として彼女の評判をどん底まで落とせばいいだけだ。


 とはいえ、既に彼女の人生は落ち目のような気もするけれど。






「そういえばこの前のあれ、どうなったの?」


 休みの日に良ければ一緒にお茶しない? と女性冒険者たちに誘われて、ラシィはまぁ、男性とご飯に行くよりはいいかと頷いて参加したある日の事。


 思い出したようにそんな事を言い出した冒険者に、あれ、とは? と思いながらそれっぽい事を思い出そうとする。

 あ、そういえば彼女、以前アイクとメリィと話し合った日にいたな。離れたところで見てたっけ、と思い出して彼女の言うあれが何であるかを悟った。思えばあれからもう随分と経過している。


「あぁ、慰謝料は一応もらいましたよ。結婚式をするための費用で私が負担した分は返ってきました。

 どうやら私がやっぱりアイクとよりを戻すとかそういうの警戒してたのかあの後すぐ結婚したみたいですね」


 ラシィの言葉は完全に他人事だった。だってもう婚約者でも恋人でもない男と、その男と結婚した相手だ。友人でも何でもない、ただ同じ街で暮らしているだけの他人でしかない。


「あの時あの場所にいたけど、あの時の言葉って本当?」

 ほら、あの、アイクって奴のご両親の……と控えめに別の冒険者が質問してくる。


「本当です」


 それについては嘘ではないので素直に頷いた。



 アイクの事は確かに好きだった。どこがいいの? と言われれば、まぁ堅実に仕事をするところとか、真面目だとか、そういう部分であったのだけど。メリィの事を知る前までは、誠実な人だと思っていた。

 ギャンブルに金をつぎ込むでもなく、酒も飲むけど無理はしない。

 面白みのない男、と言われればそれまでだけど。

 それでも、家庭を築くのであればそういう男性の方がいいのだろうな、とラシィは思っていた。

 憧れ拗らせて冒険者の男性と結ばれたとして、いざ冒険に出ていく相手と共にラシィもついていくわけにはいかない。足手まといだからだ。

 だが冒険者が結婚相手となると、そうやって出かけた先で魔物に殺されたり、どこぞのダンジョンで死んだりする可能性がとても高く、夫の帰りをいつまでも待つ事にもなりかねない。死んだとはっきりわかるならいいが、そうでなければいつまでも待ち続ける事になってしまう。

 どこかで見切りをつけて彼は死んだのだと思って新たな人生を歩んだとして、その後でひょっこり実は生きてた夫が帰ってきて……なんて可能性も考えると、そういったのは望んでいないのでやっぱり冒険者との結婚はラシィには向いていないなと思うわけだ。


 そうでなくとも他の町に行った先で別の女を作っていたなら、今回だってアイクの浮気に気付かなかったくらいだ。他の場所でとなればもう絶対にわからないに違いない。

 上手くこちらに何も知らないままやってるならまだいいが、もし向こうで子供が生まれて、挙句母親だけが死ぬような状況に陥ったなら。

 ある日突然夫が自分の子だといってラシィの知らない子供を連れてくる事もあるかもしれないのだ。

 考えただけで面倒な展開である。



 冒険者というだけで、そこまで想像するのもどうかと思うがそういった可能性がある、という考えが浮かぶ時点できっとラシィの結婚相手としては向いていないのだろう。

 だからこそ、職場が安定していて少なくともすぐにクビになるようでもなく、食いっぱぐれる心配のない男を選んだ。安定した職業というだけなら他にもラシィと良い仲になれそうな男性はいたけれど、その中でもつつましくも穏やかな家庭を作っていけそうだと思ったのがアイクだったのだ。

 見る目が無かった。普段もっと女性にだらしなかったりする男性が冒険者の中にもいたせいで、そっちと比べるととてもマトモに見えてしまった……というのは言い訳でしかない。


「アイクはこの街で生まれ育っていたから、私みたいにここにやってきて暮らしていたっていうのとはまた違っていてね。

 両親と一緒に暮らしているの。でも、ご両親が散財するとかではないから、アイク自身も貯金はあったし私はあのご両親とそこまで関係を悪くしないで付き合えていたから結婚後、アイクの家で同居するっていうのも別に構わなかったのよ。

 ご両親の年もそこそこだから、数年後に介護が必要になるだろうなとは思ってもでもそれも苦じゃないかなって思ってたし」


 穏やかな口調で言う。

 実際介護に関しては大変な部分もあるのはわかっていたが、そこはあえて言わなかった。どのみちもう関係は切れたのだし。


「彼のご両親、こだわりが強い部分もあって細かい部分でこうじゃないとダメ、みたいなのがそこそこあってね。

 でも、冒険者にも細かなルールってあるでしょ? それと同じようなものだと思えば気にならなかったのよ。そこまで意味不明なルールってわけでもなかったし」


 几帳面と言えば几帳面なのかもしれない。世間一般の几帳面と少々違っていたとしても。

 アイクの両親のこだわりというか、決まり事に関しては家の外であったとしても、そこまでおかしな話ではない。あぁ、まぁ、そういうところもあるよねぇ……と話題にすればその程度で受け流されるようなものだ。

 ただそれがそこそこの数あるので、付き合いを続けるとなると面倒だなと思う人は思うだけで。


 一つだけ例を出すならば。

 窓の掃除をするとして。

 上から下にガラスを拭いて、その後右から左に向けて拭く。

 それがあの家のルールの一つだった。

 左右に布を動かして拭くのはアウトらしい。

 左から右もダメ。


 正直他人が聞けばどうでもええがなそんな事! と言い出すかもしれない。

 けれどあの家ではそうではなかった。ただそれだけの事。

 まぁそれで相手が納得するなら別にいいけど、というのがラシィの感想である。ラシィももし窓拭きにそれなりのこだわりがあったなら衝突は免れなかった。


 他にもそういった他人からすれば別にいいだろどうだって、と言いたくなるようなルールが存在していたが、ラシィは別に良かったのだ。それをするだけで両親との仲がそこそこ良好に保たれるのなら。

 同居といっても部屋はきちんともらえるみたいだったし、両親の部屋と夫婦の寝室は離れているらしかったし。

 それなら別に、夜の生活もいいかなと思っていた。


 まぁ結婚そのものがなくなったのでラシィにとってはもうどうでもいい事だ。


 アイクは両親にとってやっとできた子でもあったから、それはもう大切に甘やかされつつも育てられていた。そこにはもしかしたら打算もあったのかもしれない。

 アイクが成人してしばらくすれば、両親もそれなりにいい年だ。

 生活に不便な事も出てくるだろう。その時には、アイクの助けを期待していたかもしれない。

 同居する以上、何かあった際助け合う必要は出てくる。同じ家に住んでいるのに知らんぷりは流石にできないだろうし。


 ラシィはそれも受け入れていたのだ。

 確かに面倒くさい部分もあるにはあるけれど、ラシィにとってアイクの両親は嫌な人ではなかったから。


「私は気にしてなかったけど、でもあのメリィって人はどうかしらね?」

「上手くやってたらちょっと慰謝料払うだけで済んで幸せになってるって事? うわぁ、わたしだったらブチ切れそう」

「そうよ、どうしてあの時アイクの事ぶん殴っておかなかったの? 二股野郎よ?」

「殴ったら私の手が痛いじゃない」


 即答だった。

 殴っておけと言った相手は冒険者で荒事はよくあるだろうけど、ラシィはあくまでも受付嬢で荒事には向いていない。殴ったとして、逆にラシィが大ダメージを受ける可能性だってあったわけで。仕事に支障がでないならともかく、そうでなくとも日常生活には若干響きそうだし殴るという選択肢は最初からラシィの中にはなかったのだ。


 あまりの即答っぷりに女冒険者たちは思わずぽかんとしたくらいだ。それから遅れて一斉に笑い出す。

 ラシィには何が面白いのかわからなかったが、まぁ楽しんでるなら何よりね、と受け流した。


「それにね、この前アイクのお母さんと会ったの」


 折角だし、と更に情報を投下すれば彼女たちは笑うのをやめて「それで?」と続きを促した。


「結婚間近でまさかこんな事になるなんて、って嘆いてたし、アイクが選んだ相手への愚痴もあったわ。

 私としてはマリッジブルーだったのかもしれないけど浮気されたのは事実だし、アイクとは残念な事になったけど仕方なかったの、って感じで話をしてたんだけど。

 帰り際に思わず言っちゃったのよね」


 一度言葉を止めれば、もったいぶらないでなんていったの? と続きを催促された。


「メリィってば私の事をおばさんなんて言ってたけど、実際は彼女の方が年上だって事。

 だからもしかしたら彼女、マトモに数を数えられないのかもしれないわ、ってね」

「それだけ?」

「えぇ。数もまともに数えられないんじゃ、家計を握らせるのは怖いですね、って言っておいたわ」


 その言葉にまたもや彼女たちは笑い出した。


 メリィは酒場で働いている。給仕が仕事内容の大半だが決して文字が読めないわけでも簡単な計算ができないわけでもない。

 ラシィにおばさんなんて言ったのは、それこそただの挑発だったはずだ。

 けれども言ったのは事実。ラシィはともかくメリィは最初からそれなりに周囲の注目を集めて負け犬になるであろうラシィを嗤ってやろうと思っていたのか、あの時は最初からそこそこ声が大きかった。

 だからこそ、その発言を耳にしていた者はいる。


 だが、あの場にいた目撃者たちならともかくあの場にいなかったアイクの両親にそこだけを聞かせれば果たしてどう思うか。

 アイクが手を出したのか、アイクに言い寄ったのか、どちらが先だったのかはさておきそんな頭の悪い女に家の事を任せていたら、財産があっというまに食いつぶされるとでも思うのではないだろうか。

 アイクの稼ぎはそれなりにあるけれど、いずれもし子供が生まれてメリィが家に入ったなら。

 そんな頭の悪い女に子育てを任せて良いものかと。


 そうでなくとも義理の娘になるはずだったラシィとの仲を裂かれたも同然なのだ。


 アイクの両親のメリィに対する感情は最初の時点からあまり良いとは言えなかった。

 愚痴の内容からも、彼女は大雑把な部分もあってあの両親の中にあるルールを無視する事もあって、新しい家族というよりは異物であるという認識が強い。

 その時点で結構なストレスだろうに、そこにさらに数もまともに数えられない程度の知能、という情報を与えられてしまえば。


 良い印象のない人物に、更に悪い印象しかない情報が与えられたなら、関係が良好になる可能性はとても少ない。


「新婚なのに義理の両親と一緒の家で暮らしてのびのび羽を伸ばせない。しかも家には独自のルールがあって息が詰まる。

 そこに更に義理の母が家計にまで口を出してきたら……一体どうなっちゃうのかしらね?」

「わぁ、更なる修羅場の予感じゃない」

「ま、略奪女にはいい薬よ」

「それもそうね」


 冒険者たちは口々にそう言って、誰もメリィに対して同情した様子はなかった。



 あれ以来、ラシィはアイクともメリィとも出会っていない。

 アイクが働いている所はあくまでも冒険者たちが利用する店であってラシィが行く事はないし、メリィが勤めている酒場だってそうだ。


 なのであの二人に関しては、せいぜいが冒険者たちからの噂でしか耳に入ってこないけれど。


 あの後どうやら本当にアイクの母親は家計を管理しだしたらしく、メリィは欲しい物があっても気軽に買う事ができなくなっただとか、夫がよそよそしいだとか、それこそ様々な愚痴を酒場で零しているらしい。

 そうして羽振りのよさそうな冒険者に擦り寄ろうとしていたけれど、それが今度はアイクの方へ伝わって浮気を責められたアイクと大喧嘩したとか。


 その流れでメリィは酒場を辞める事になって家にいる事になったものの、あの家のルールを細かくおぼえていないのもあってか、毎回義母との口喧嘩が絶えないだとか。


 家に馴染めないメリィにアイクはというと、それくらいの事がどうしてできないのかと嘆いただとか。こちらは店で同僚に愚痴ったのが巡り巡って冒険者経由でラシィの耳に届いた。

 アイクは生まれた時からその家のルールで育ってきたけれどメリィはそうではないのだ。しかもメリィからすれば守る必要もないと思う程度にどうでもいいものばかり。やる気もないから覚える事もない。それが余計に悪循環になっているだけなのだが、きっとあの家の誰もそれに気づかないのだろう。


 子供はまだできていないけれど、このままいけば子育てと介護を両立する可能性が出てきたことに危機感を持ったメリィが、両親の介護はしたくないなんて言い出してアイクとも揉めた、なんて話も聞こえてきた。



 いっそ離婚してしまえばいいものを……とラシィは思ったのだが、引くに引けないのだろう。

 メリィからすれば人から奪ってまで結婚した相手。

 アイクからすれば結婚間近だった相手を捨ててまで選んだ相手。

 これで別れたとしても、きっと周囲は誰もあの二人に同情なんてしないし慰めたりもしない。

 むしろ、まぁそうなるだろうと思ったよ、なんて言われる可能性の方が余程高いくらいだ。


「嫌な想像しちゃったんだけど」

「え、何々」

「私このまま独身でいたとして、もしアイクたちが離婚したとして、よ?」

「あ」

「その時アイクがよりを戻そうとか言い出す可能性って、どれくらいあると思う?」

「ゼロではない」

「うわ、他にいい人いないの?」

「いたらとっとと次行ってる」

「そりゃそうね」


 冒険者相手だと冒険先で命を落とすかもしれないとかいう心配がとんでもないからできれば冒険者以外でいい人いたら紹介して、なんてある種の無茶振りをかます。


 えー、そんな相手心当たりないわよぉ、と困惑しながらも。

 彼女たちはラシィの婚活に協力してくれることになったのである。


 その結果、数か月後にはアイクが働いている商会とは別の店で働く青年とラシィが冒険者たちの紹介で知り合う事になり、二人はゆっくりと仲を深めていき、三年後には結婚することとなったのである。



 ちなみにラシィが結婚して一年後、アイクとメリィが離婚したらしくアイクがラシィの勤める冒険者ギルドに顔を出しにきたようだがその頃にはラシィは仕事を休職していたので。

 ラシィがいない間受付嬢を担っていた後輩から、冷ややかな応対をされてすごすごと立ち去っていったのだとか。



 ラシィがその話を知ったのは、赤ん坊が生まれてそこそこ成長して職場復帰した後だったので。

 すっかり過去の出来事でしかなかったのである。

















 いらっしゃい、依頼でしょうか? え? ラシィ……? 先輩が何か?

 いえ、彼女は今休職しておりますが。何故って、結婚して子供ができたからですよ。

 は? あ、あぁ、貴方が。いえ、結婚間近で浮気して別れた男ですよね。あいつが浮気も何も先にしてたのはそちら。先輩は貴方ときっちりお別れしてその後で相手を見つけてしばしのお付き合いをした後この人なら、と決めて結婚したんです。

 他の女と結婚した貴方をどうして待つ必要があるんです?

 え? 自分の母親と上手くやれなかったから?

 知りませんよそんなの。普通に考えたらそんなの上手くいくはずないでしょう。

 先輩とそちらのお母さまが良好な関係を築いていたのにそこに割り込んできた略奪女と仲良くする必要、お母さまにはなかったわけですし。しかもあとからやってきたのはそちらのお母さまの家のルールに従えなかったから余計に仲良くできなかった。それだけでしょう?


 あいつが妻の事を悪く言った?

 事実しか言ってませんよ。だって事実じゃないですか。貴方のお相手だったメリィさん、先輩より年上なのに先輩の事おばさんなんて言って。

 数もまともに数えられない、なんて返されたって仕方ないじゃないですか。


 そのせいで貴方のお母さまが家の家計を握ったから何です。ロクな計算もできそうにないのに家計を預ける方が不安なのは当然でしょう。

 メリィさんが貴方の家のご家族と仲良くやる気がなくて、お互いに我の張り合いした結果破局したからってそこに先輩は関係ありませんよね。


 あぁ、先輩の言ってた通りになりました。

 あの様子じゃ上手くいきっこないって私たちも言ってましたけど、先輩はもし貴方が破局して離婚した後先輩のところにやってこられてよりを戻そうなんて言い出されたら、って考えてましたよ。そんな面倒ごとに付き合ってらんないって。

 本当はお付き合いも面倒だって言ってたけど、そのせいで自分を待ち続けてくれた、なんて思われても困るからって他の人とお付き合い始めたんです。

 結果として大正解でしたね。貴方と違って浮気もしない先輩を大切にしてくれる人と結ばれましたから。

 先輩のところはご家族ぐるみで付き合ってとても円満らしいので、貴方と違って離婚することはないんじゃないでしょうか。お子さんも生まれましたからね。


 大体、よくまぁ、先輩の知り合いが街に大勢いるのに堂々浮気なんてできましたよね。

 先輩に知られなければ、って思ってました?

 目撃者多数すぎて貴方は先輩に一度の浮気がバレただけのつもりだったかもしれませんけど、あの時点で何度も逢瀬を重ねてたのは知れ渡ってましたよ。


 先輩を捨ててろくでもない女を選んだのは貴方だし、その失敗を先輩のせいにしないで下さい。


 別れたなら、過去の女にすがらないで新しい恋でもみつけたらどうです?

 もっとも、貴方が浮気して選んだ女と上手くいかず離婚した話はこの街の人たちのほとんどが知ってる事なので、新しい人がみつかるかはわかりませんけど。


 はい、依頼をしにきたわけでもない冷やかしなら、帰ってくださいね。

 先輩が復帰した後でまた冷やかしにくるようなら、その時はこちらも実力行使で追い出すかもしれません。

 あと、先に言っておきますがうちでは恋のお相手を斡旋するとかそういう依頼は受けてないです。

 はい、さようなら。

 次回短編予告

 どんなにしょぼそうに見えるスキルでも、使い道はある。

 活かせるかどうかはその人次第。だからこそ、馬鹿にしてはいけない。

 そんなスキルを与えられている世界の話。

 次回 使えるかどうかは人次第

 近日更新予定。

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― 新着の感想 ―
後輩ちゃんが全部代弁してくれました。GJ!!
後輩ちゃん、ナイスー!!
 もう遥か昔ですが、初代プレステ草創期の某RPGにも「数が数えられない」でネタにされたキャラが居たのを思い出した……。  まあそっちはシステムとスクリプトの咬み合わせが悪いだけで、本人は一本気で義理に…
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