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桜色・迷い道  作者: ゆほ
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桜色の出口

小さい時お兄ちゃんが遊園地に連れて行ってくれたの。


母子家庭でお母さんは休日に仕事が忙しい人だったから、お兄ちゃんと行った遊園地が初めて遊園地だったの。


たくさんのキラキラした乗り物があって、キョロキョロしてたらお兄ちゃんを見失っちゃった。


お兄ちゃんを探そうとするんだけど、やっぱり乗り物や景色に心を奪われちゃって、なかなかお兄ちゃんを見つけ出せないでいたんだ。


亜美つぐみ!」


声がする方を真っ直ぐ見たら手を差し伸べてくれたお兄ちゃんが立って待っていてくれた。


私は迷わずお兄ちゃんの方へ走り寄ってその手を握りしめたの。


そうよ。お兄ちゃんがちゃんと手を差し出してくれれば私は何も間違えたりはしないのよ。






結局お兄ちゃんは私を8歳の子供ままで見ていたんだと思う。失礼な話しよね。もう立派な16歳だっていうの。お兄ちゃんと初めて会った時のお兄ちゃんの年なんだよ。


入学した高校の制服が意外にも初めて会った時お兄ちゃんが来ていた制服と似ていたので、後輩にでもなったような気分ですごく嬉しい気持ちになった。


お兄ちゃんが私を子供だと思うからこそ、私の未来を大事に考えてくれていることも分かる。分かるけどね。




なんていうか、いいんだよ。


お兄ちゃんが好きでそばにいたくて、それはお兄ちゃんとしてじゃなくて、ってちゃんと自覚してるんだからさぁ。




お兄ちゃんに誕生日プレゼントを渡そうと思って、でもちょっとびっくりさせたかったら目をつぶってもらってたんだ。


目を閉じて私のベッドに座っていたお兄ちゃん。


あの時はもう兄妹としてしかそばにいられないんだって思ってたから、でもやっぱり好きだから、ちょっとキスしちゃえって思って実行したら・・・



あーゆーのってどうなんだろう。


どっちもちゃんと告白とかしないまま、かなり濃厚、だったよなぁ。



でもその時お兄ちゃんは「誰とも付き合うな」って言ってくれたんだ。本気の本気って?かなり何度も念押ししちゃったけど、お兄ちゃんは怯まなかった。



唯一つ、遠くて、でもいつからくる未来についてだけは断言するのを拒んだ。



お兄ちゃんが私の将来を束縛してはいけないと考えてくれての拒否だってことは分かる。でも私の本気も理解して欲しいよ。





今年のお兄ちゃんへの誕生日プレゼントは私の描いた絵にした。でもそれコンクールに出しちゃって現物はここには今はないの。


その代わり金賞をもらったから、その賞状を目録みたいに渡すことにした。



夕焼け色に染まり始めた桜の木を描いたその絵のタイトルは






「最愛 ~桜一郎おういちろう様に捧ぐ~ 」








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