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桜色・迷い道  作者: ゆほ
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桜を想う気持ち

私には血の繋がりはないけど「お兄ちゃん」がいる。



お兄ちゃんに初めて会ったのは8歳の時で、その時お兄ちゃんは16歳だった。



第一印象は「大人っぽくて超かっこいい」


まあ8歳も年上なんだから大人っぽく見える訳なんだけどさ。



さすがにテレビに出てくるアイドルなんかよりは若干(でも本当に若干よ!)見劣りするけど、はっきり言ってクラスの男子なんか目じゃなかった。


小2男子と比べるのもなんだけど、その位私の心には花が咲いたってことよ。



ママ達の再婚で私は転校することになった。でも前学校の友達にも新しい学校の新しい友達にもお兄ちゃんは自慢の存在だったわ。


ママが仕事を続けていたから学童に入った。夕方家に帰ると部活を終わらせて帰ってきたお兄ちゃんがおやつにホットケーキ焼いてくれたり勉強みてくれたり毎日がすっごく楽しかった。


4年生になってお兄ちゃんが大学受験の頃には、今度は私が夕飯の支度やお兄ちゃんの夜食を作ってあげていた。



ずっと同じ人だけっわけじゃなかったけど、お兄ちゃんには常に「彼女」がいた。最初の頃は「お兄ちゃんはかっこいいんだから、彼女がいて当然!」みたいに思っていたけど、段々お兄ちゃんのことをかっこいいって思うだけじゃ済まなくなってきた。


なんていうかお兄ちゃんの隣りにいる女の人を消しゴムか何かで消したくなるような、心の中に黒い物体が発生することもしばしば出てきた。




でもね、私が高校生になってから「もしかしてお兄ちゃん、私のこと女の子として意識してる?」って思うことがあったんだ。そのときはお兄ちゃんに彼女がいなかったりしたから、「もしかして」ってすっごい期待しちゃったの。だってそもそも私達血が全く繋がっていないんだから、その気になれば結婚だって出来るはず。


でも、お兄ちゃんの態度が徐々に変わっていった。


仕事が忙しくなったとは言っていたけど、金曜日の夜とかすごい香水の匂いをさせて帰ってくるようになって、しかも毎回匂いが違うんだよ。私のことを避けてる風でもあるし、かなり落ち込んだ。



落ち込んでいる私に同級生がある決断を迫ってきた。

返事をしなくちゃいけないけどお兄ちゃんの本当の気持ちも知りたいから、でも直接聞くのは避けられている身の上ではかなり勇気のいることだったから、お兄ちゃんに相談を装ってメールをした。



その返事は一週間経っても来なかった。



多分それがお兄ちゃんの返事。


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