予想外
色々という二文字では語りきれないほどの事情から急遽始まったカフェ『ノエル』での勉強会、そんな会も2時間を経過しようとしていた。
そして
そこにある人物が飛び入ってくるのであった。
星来とちひろの馬鹿二人も2時間程集中が続いていた。
それは美希と夜がそれぞれ付きっきりで教えてるからなのか…それとも偶然か…
星来「なんか今すっごい馬鹿にされた気がする」
ちひろ「分かる、すっごく馬鹿にされたよね」
美希「なんの話?」
星来「いや、なんでもないっす…」
再度目をテキストに落とす。
星来「あのここってこの公式使っても解けないんですけど…」
美希「ここは…この値をこう変化させたら…ほら」
星来「おぉなるほど!じゃあここはこう変化させて…計算して…こうだ!」
美希「正解だよ!よくやった!」
星来が両腕を上げて喜ぶ
美希はその無邪気な星来の頭にポンッと手を置く
美希「この短時間でここまで良くなるとは思ってなかったよ〜!」
星来「美希さんの教え方が上手いんすよ」
美希「お世辞が上手いんだから〜!」
そんな楽しげな雰囲気の中ちひろも難しい長文問題に手を付けていた。
ちひろ「え〜…?この問題ってここから持ってくればいいの?」
夜「はい、合ってますよ!」
ちひろ「じゃあ文を直して…こう?」
夜「惜しい!ここは主語がHeなので…」
ちひろ「こうか!」
夜「正解!」
ちひろ「そいじゃあ次の問題は…これがここ否定するから〜ん〜?あ!こうなるのか!」
夜「正解!ちひろさんも英語力ついてきましたね」
美希「お?かざっちもできた?」
ちひろ「うん!できた〜!」
ちひろは手を上に突き上げて伸びをする
夜「星来もできたのか?」
星来「まぁね!せ〜ちゃんもやればできるんだよ!」
えっへんと言わんばかりに手をピースにして左目から右目に流す。
美希「よ〜し!成長を感じられたとこで休憩!」
ちひろ「そうしよう!集中しすぎてお腹空いてきちゃった…」
ちひろの言葉に相槌を打つかのように星来のお腹がグーっと音を出す。
美希「あっはは!星来君お腹鳴った〜!」
星来「集中きれたら鳴っちゃった」
テヘっと舌を出す
美希「てかまって!よくよく考えたらうちらチョー迷惑じゃね?2時間くらいずっといるよね?」
夜「それなら大丈夫ですよ!ここのお店隠れ家を売りにしてて、店長の羽川さんとも昔からの付き合いですし、勉強もここでやってたんで」
美希「それなら…大丈夫か」
ほっと安堵する美希であった
美希「心配事も消えたことだし!飲み物取ってくるね」
星来「あぁじゃあ俺も行きます!」
と美希と星来が席を立ち、ドリンクバーへ向かおうと出入り口の前を通るとき、
扉がガチャと開き、チリチリンと風鈴が鳴る。
浜野悠「ここのパンケーキちょー美味しいんだよ!」
桐野誠「へ〜こんなとこあったんだ…知らなかった」
誠と悠がノエルに入ってくる。
誠「お〜ってあれ?星来と中島さん?」
星来「あれ?誠兄!」
美希「お〜?浜野君と桐野君じゃん奇遇だね〜てか、星来君桐野君と知り合いなの?」
星来「知り合いっていうか…従兄弟っすね」
美希「へ〜世間は狭いってよく言ったものだね〜」
星来「そうだ!誠兄!今勉強会してんだよ!」
誠「星来もついに勉強を始めたか…」
星来「完全に馬鹿にしてんな?」
と談笑しながら美希と星来は飲み物を取り、その後ろを悠と誠がついて行く形で席に戻る。
悠「あれ?悠じゃん!それに花咲さんも!」
誠「すげえ異色のパーティーだな…」
ちひろ「え!?は…は浜野君!?」
夜「あれ?兄ちゃん来たんだ」
ちひろ・美希「兄ちゃん!?!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
驚愕の事実の中とりあえずということで全員席に着いた。
美希「一旦整理させて?まず…桐野君と星来君が従兄弟?」
星来「はい!」
美希「んで…夜君と浜野君…悠君が兄弟?」
夜「はい合ってます」
誠「俺からもいいか?夜君はナンパされてたところを花咲さんに助けて貰って、成り行きで勉強会をしている…と?」
美希「うん」
悠「すごい偶然だね」
美希「世間は狭いどころの話じゃなかったよね」
ちひろ「うん…1LDKくらい…」
悠「とりあえずなんか頼んでいい?そもそも僕たちは勉強が一区切りついたから甘い物食べに来たんだよね」
美希「それなら丁度あたしたちもなんか頼もうとしてたとこだし一緒に頼んじゃおっか」
誠「そうだな」
夜「兄ちゃんは苺パンケーキ?」
悠「いいや今日は頭使ったからチョコバナナパフェにする!」
誠「悠君…そんな甘い物を食べられる胃袋がどこにあるんだ…」
美希「あたしは抹茶パンケーキにしよ!」
ちひろ「ん〜じゃあ私もそれにしよ」
星来「俺はプリンにしよ〜っと」
悠「誠は?」
誠「う〜ん甘い物の気分じゃないし悠君から少し貰えれば十分かな…」
悠「分かった〜」
それぞれの注文も決まり、すぐに運ばれてくる。
全員「いただきま〜す!」
それぞれ口に入れる。
星来「う〜ん美味しい!」
美希「やばいこれさっきもだったけどほっぺが落ちる〜」
悠「う〜んこの甘みが頭に染みる〜!」
誠「そんなに頭使ってないだろ…」
悠「食べてないからそんなことがいえるんだよ!ほら!食べてみろ!」
とスプーンに掬った生クリームとチョコレートソースを誠の口元まで運ぶ
誠「え?ちょこれ…」
と口を開けた瞬間に口にスプーンを入れられる
誠「あ…甘い…です…」
赤くなりながらそう感想を述べる。
悠「ん?どうしたの誠?」
誠「あの…いや、今の…だって…」
夜「兄ちゃんってよく人の前で関節キス&あ〜んをやれるね恥ずかしくないの?」
夜!
皆が思っていたことを代弁してくれてありがとう
悠「え?関節…キスとあ〜ん…?・・・あ!あ、えとそのちょ、今の無し!違くて…そのいや…」
二人揃って顔が赤くなる。
美希「二人共顔赤くしてどうしたの?そんな付き合いたてのカップルみたいな反応して…」
・・・
静寂が流れる。
美希「え?まさか本当に?」
誠は悠が何も言わないのを見て反論しようとする
誠「いや違っ」
が誠が言い切る前に
悠が息を飲み、
悠「僕達付き合ってます!」
悠がそう言い切った。
誠「え?ちょっ悠君いいの?」
悠「いいよもう、だって誠と付き合ってることは恥ずかしいことでも秘密にしないといけないことでもないもん!」
誠「悠君…」
誠と悠が目を合わせる。
美希「ちょ!待った!こっちは色々新情報が出てきてパニクってるの!置いてくな!」
と場の空気を美希が一変させる。
悠「ごめん!気持ち悪かったよね」
星来「いや気持ち悪いとかじゃないんすよ、ね?」
美希「そうそう!ただビックリだよね」
ちひろ「え…ちょまってじゃああの悠君にはラブラブな彼女がいるってのは?そんな彼女に一途だって話は?」
誠「花咲さんには謝らないといけない、本当に申し訳なかった」
悠「なに?なんの話?」
誠「いや…あの悠君には聞かれたくない…かも」
夜「あ〜」
全てを察した夜であった。
悠の腕を引っ張りトイレへと連れて行く。
悠「ちょ?夜!話の途中だって〜〜〜」
2人がトイレに完全に入ったのを確認して、話し始める。
誠「その…恥ずかしい話元々悠君のことが好きで…でも悠君ってモテるじゃん?」
美希「すっごくね」
誠「で、そのできるだけ恋敵を減らそうと思って…嘘をついてしまったというわけで…」
美希「なるほどねつまり、恋敵もとい、悠君に近づく女と人知れず戦っててその中にかざっちもいたって訳だ」
ちひろ「そっか…負けちゃったのか〜!」
誠「そういうこと、だからまじでごめん」
ちひろ「いや、いいよ私だってそうするもん!」
全て打ち解けた時、夜と悠が戻って来た
星来「空気読めすぎじゃない?夜?」
夜「まあね」
美希「まぁ気を取り直していこ!あたしいつも思うんだけど告白とかが全然起きないのって告白した後気まずくなるとか、話せなくなる〜みたいなのが理由にあると思うんだよね!だからさ!恋が実らなかったとしても仲良くできたらサイコーじゃない?」
ちひろ「確かに」
星来「それはそうっすね!」
誠「花咲さんがそれでいいならいいんだけど…」
悠「花咲さん…これからもまた話しかけてくれますか?」
ちひろ「勿論!」
美希「よし!じゃあ仲良しの第一歩ということで、連絡先交換しよ〜!」
と各々のスマホで連絡先を交換し、ついでにグループチャットも作った。
星来「あのせっかくなら色々質問し合いませんか?」
美希「それあり!互いのこと知れるしね!」
ちひろ「じゃあまずは私から!皆の好きな食べ物聞きたいな、ちなみに私は〜ハンバーグに、カレーにカツ丼!」
夜「めっちゃ食べるんですね、僕は甘い物ですね」
悠「僕も甘い物全般!だけど、洋菓子限定かも…抹茶とかあんことか和菓子はちょっと苦手…」
星来「あんこ苦手なの分かります!ネチョネチョしてて甘ったるくて好きじゃないんすよね、好きなのはパスタすかね、まぁ麺類が好きって感じです」
美希「あんこ嫌い分かんないな〜、あたしは好きよりだし…まぁでもやっぱ一番は中華料理だな〜」
誠「中華料理?意外だわ〜、タピオカ〜とかマリトッツォ〜とか言うのかと思ってた、俺はラーメンだなぁ」
美希「いやタピオカとかマリトッツォとか古くね?」
誠「あれってもう古いのか…ジェネギャ…」
悠「誠も中島さんも同い年でしょ?」
美希「中島さん呼び距離感じるから禁止で!」
悠「まじ?美希さん?美希ちゃんの方がしっくり来るな」
美希「中島じゃなかったらなんでもいいよ」
ちひろ「それなら私も花咲じゃなくて名前で読んで欲しいな〜」
悠「ラジャー」
ふふっとちひろが笑う
すると
誠が悠の顔を自分の方へ向かせ悠の頭を腕で覆う
誠「この子は俺のだから!ちひろにはあげねえよ!」
ちひろ「ちっ」
夜「はぁ?ぽっと出の奴に僕の兄ちゃんが取られてたまるもんですか!」
と悠の右手を引っ張る
誠「なんだ夜?やんのか?」
夜「君が外れましたね?やってやろうじゃないですか!」
美希「なんか楽しそうだしあたしも混ぜろ!」
と悠の左腕を引っ張る
星来「俺も俺も!」
と悠に抱きつく
誠「ちょ星来!ズルいぞ!」
夜「そうだぞ!僕なんて右手だけなのに!」
悠「ちょ苦しい…まじで…うっ…」
誠・夜・ちひろ「悠君!(兄ちゃん!)」
はい!merp1eです!
いやぁ〜誠にお久しぶりでございます
無事ね受験シーズンも終わり、落ち着いて来たので久しぶりに書いてみました!
てか小説家になろうってサ終すると思ってたんですけど僕の勘違いだったのでしょうか?
まぁね久しぶりだったのでキャラの性格とか、名前も予測変換に出てこなくて大変でしたね
もう前のストーリーを読み返しながらでした、まぁその兼ね合いから性格がちょっと変わってるかもしれませんがそこは御愛嬌ということで、
あとねキャラが増えるじゃろ?そうするとね誰か喋らん人が出てくるのじゃ
まぁそこら辺の実力不足も御愛嬌で片付けられないかな?と思いつつでした。
では!また次の話をお楽しみにお待ち下さい!