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第十二話:ルキフェルとルキアの教会生活 中編

ルキフェルったらずるいな〜。



一人だけ勉強から逃げてさ。



確かに人間のことを学ぶのは楽しいんだけど……



ルキフェルがいないとつまんないよ。



それに勉強中のミアさん、何か変だし。



ものすっごく優しく教えてくれるのは別に良いんだけど………



視線がなんていうか、う〜んと、捨てられてる犬を見るような感じなんだよね。



私、精霊なのに………



それに勉強してることは、ウィルたちだって知っていることだからなんか居心地悪いし。



いっそのこと、ルキフェルに個人授業して貰おっかな?



ルキフェルなら私の事情を知ってるから、妙な態度はとらないだろうし。



ルキフェルは町でお金を稼いでいるらしいけど、別に必要なわけじゃないらしいし。



うん、そうしよう。



お昼ご飯の時にミアさんとルキフェルに言ってみよう。



私を人間の町に連れてきたのはルキフェルなんだから責任とってもらわないとね。



ハ〜〜。ルキフェル早く帰って来ないかな〜〜。



……………あっ!? ミアさん!!?



えっと、少しボウッとしてただけです!!!



やる気はありますよ!!



………ハイ、ごめんなさい。





う〜〜、ルキフェル〜、早く帰って来てよ〜〜。















「ありがとうございました〜。また、よろしくお願いしま〜す」


「ああ、あんがとな」


俺はお礼の言葉とともに代金を受け取って、鍛冶屋を後にした。


さてと、そろそろ帰るかな?


あの男二人が帰った後は全然客が来なかったし。



昼近くになって鍛冶屋のおっちゃんから鉱石運びを頼まれたから、今日は二件だけか。


まあ、おっちゃんから150ゴールド貰えたから計750ゴールドの儲けだし、上等だよな。


俺はそんなことを考えながら教会への道を歩いていった。






「ただいま〜」


『おかえりなさい』


「ルキフェル〜!!」


「おわっ!?」


帰ったら、なぜかルキアに飛びかかられた。


避けられたけど、避けたら床に直撃して可哀想だし、受け止めたが。


「もっと早く帰って来てよ〜」


「? どうかしたのか?」


本人は答えそうにないのでこちらを見ている子どもたちに問いかける。


「べんきょう中にボウッとしてたから、ミアさんに怒られて………」


ハルトの後にエイミが続け、


「しゅくだい、いっぱいだされたの」


「たの〜」


最後にウィルが締めた。仲良いな。でも、なんで三人で言うんだ?


「で? なんでそれが俺のせいになるんだ?」


「だって〜」


ルキアは微妙に涙目だった。三人の前だから泣くのは堪えているようだ。


「ルキフェルが何してるかな〜って、考えてたら怒られたんだもん!」


「……………はい?」


なにそれ?


「だいたい私を連れてきたのはルキフェルなんだから、最後までルキフェルが面倒を見てくれなきゃ困るよ」


憑いて、もとい付いてきたのはそっちじゃなかったか?


「そもそも一人だけ町に行くなんてズルいよ。協調性がないよ。みんな一緒に勉強するべきだよ!」


確かにもっともらしいことを言ってる気がするが、駄々をこねてるようにしか聞こえんな。


あと後ろの三人、キラキラと期待した目で俺を見るな。


「だからね、ルキフェルが私の先生役してよ。一対一で」


「ずる〜い」


「ぼくも〜」


「エイミもウィルもダメ! 私の特権なんだから!」


……………………うん、結論、俺関係ない。


「ミアさ〜ん。手伝いますね〜」


「ってスルー!!?」


いや、かったるそうだし。





「ミアさんからも言って下さいよ〜」


「しつこいな」


昼飯の最中までルキアは俺を勉強会に参加させようとしている。


今日は本当にねばり強いな。そんなに大変な宿題が出たのか?


「……………そうね。ルキフェルを一人にするのは心配だし………」


「だよねだよね! 私だけ内容が遅れてるから、ルキフェルが私に教えてくれれば全部OKだよ!」


あら、ミアさんもそっちサイド? 形勢不利だな。


「ミアさん、俺は一人でも大丈夫だよ。今日だってこんなに儲けてきたし」


俺はミアさんに今日の分のお金を渡した。


ミアさんは金額を確めると、なぜかさらに険しい表情になった。


「やっぱり危ないから、ルキアの提案を採用しましょうか…」


「待った! 俺は別に危険なことなんてしてないよ。何でも屋をしてるだけだし」


「それにしては金額が多くないですか?」


「うっ!!」


鋭い。さすがミアさんだ。けど俺は嘘は言ってないし。


「……ほら、みんなオマケしてくれるんだよ」


嘘じゃないよな。俺が要求したわけじゃなく、相手が勝手に代金をつり上げたんだから。


「………この前貴方が町中で大人たちを叩きのめしたと聞いたのですが」


「いや、その、ケンカ売られてつい…」


「つい、で十数人を全治1ヶ月ですか?」


………………やりすぎたかもしれん。


いやでもムカついたんだよな、アイツラ。孤児のくせにそんな金持ってんじゃねぇとか、因縁付けてくるし。


一応、俺は労働の対価としてお金貰ってるんだから文句言われる筋合いはない。


「いやでも、強盗まがいのことしてたし」


そいつら働いてないみなさん、もといゴロツキのみなさんだったから町の人には感謝されたんだが。


「それでもです。なんでも暴力で解決しようとするのは貴方の悪い癖ですね」


それじゃあ俺が単純バカみたいじゃん。


「暴力だけじゃないですよ。戦略も使います」


あと、魔法も。まぁ、魔法が使えるとバレるとややこしいことになりそうだから秘密だけど。


普通の人は魔力なんて感じないから、コンバットフォームくらいならバレないだろう。


「……余計にタチが悪いじゃないですか」


「………あれ?」


そういえばそんな気もする。


「もう!! 論点がズレてるよ!!!」


ルキアに怒られて、本来の話題を、いや議題を思い出す。


「ミアさん、とにかく俺は一人でも大丈夫だし、危なくもないよ」


「いえ、私が危険と言っているのは町の人たちです」


ズルッ


思わず椅子から滑り落ちそうになった。


「あれ? 俺の心配じゃないんですか!?」


何気に傷つくな。


「貴方には心配なんていらないじゃないですか。いえ、貴方がどんな問題を起こすかは心配ですね」


ひょっとしなくても、俺トラブルメーカーの認定受けてる? なぜだ?


「とにかく明日からはルキフェルにも勉強会に参加してもらいます。良いですね!?」


良いですねって、拒否認めてないっすよねミアさん?


ハルトたちも頷いてるし、味方ゼロかよ。まさに四面楚歌、まな板の上の鯉、自分で作った騎士団に裏切られた少年状態だ


そんなわけで俺の何でも屋はしばらく強制休業が決定した。


空はこんなに青いのに、俺の心は曇天だった。


…………………やっぱり俺って不幸な星の元に生まれたのかな?


どうも、読んでくださったかたありがとうごさいます。


内容ですが、終わらすつもりが途中で力尽きました。


次回こそ、終わらせる予定です。


それでは感想・レビューお待ちしています。わりと本気で(^_^)

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