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出会い(回想)

七年前 横浜


「待てや、ゴルァー!!」


 不味いことになった。俺は全力で逃げ続ける。


 ほんの数分前、俺は女に三人がかりで絡んでいる男を見かけた。明らかに柄の悪い男たちだ。絡んでいる理由もどうせ碌なものではない。そう思った俺は急いで止めに入った。と言っても唐突に一人の顔面を殴っただけが。


 しかしどうやらその相手は本物のヤクザだったらしい。高校生の敵う相手ではない。


 俺は通りから、路地裏に逃げ込む。入り組んだ道なら相手を撒きやすい。それにこの街は俺の生まれ育った街だ。道は誰よりも把握している。


 走りながら端に積まれていた段ボール箱の山を崩す。


「ウギャアッ」


 ヤクザの一人がそれに躓いて盛大に転ぶ。残すはあと二人だ。


 すると奥にあるドアが開くのが見える。中から店員がゴミ袋を捨てに出てきたようだ。俺はそのドアが閉まる前に飛び込む。中は厨房だった。コックの服を着た太った男が一人黙々と調理し、フライパンの上には火が燃え上がっている。今度は厨房の隅にあるウェイター用らしき、ドアから客室に出る。このまま通りに出よう。


 俺が部屋の中心辺りに来た時、ヤクザ共もついに客室に来た。そして大声で叫ぶ。


「お前ら!そいつを捕まえろ!」


 するとドアの前の席に座っていた客四人が食事をやめ、立ち上がり、俺に飛びついてくる。大人四人相手に、俺にはなす術がなかった。そして後ろから二人がかりで押さえ込まれる。そのまま命令したヤクザの前に連れて行かれる。


「ガキが粋がってるから、こういう事になるんだよ!」


 俺が殴ったヤクザがそう言い、俺の腹を全力で蹴る。必死で胃の中のものが逆流するのを抑える。そして今度は髪の毛を鷲掴みされ顔を上げさせられ、顔面を殴られる。口の中に血の味が広がる。だが俺はヤクザを睨みつける。今できる唯一の反抗だ。


「何だよ、その反抗的な目は!」


 また顔面を殴られる。何度も何度も執拗に。どんどん意識が朦朧としてくる。もう痛みすら感じない。他の客は急いで店から出て行く。


 だが急に殴るのが止まる。疑問に思い重いまぶたを開くと、口髭を生やした男が、ヤクザの腕を掴んでいた。


「それぐらいにしといたらどうや。相手ガキやぞ。」


 その男がヤクザに話しかける。


「うっせぇ!!テメェ何もんだよ。他人の事に一々口出ししてんじゃねぇ!!」


 そう言うとヤクザは男の腕を振り払おうとする。が、そうはいかなかった。ヤクザの方がそのまま宙を一回転する。


「何しやがる!」


 俺を押さえているヤクザの一人が言う。


「何って。見たらわかるやろ。お宅らの仲間一人倒したんや。」


 男がそう答えた途端空いているヤクザが一斉に殴りかかる。


 だが一切歯が立っていない。攻撃が全て防がれて、逆に着実に一人また一人とやられている。そして残すは俺を押さえている二人のみとなり、男がこちらへ歩き始めたその時。


「それ以上、少しでも近づいてみろ。このガキの首掻き切るぞ。」


 そう言って片方のヤクザが俺の首に腰から出した小刀を当てる。しかし男に止まる様子はない。


「もう一度言う。それ以上近づいてみろ。」


「ガキの命はないぞ。やろ、何度も言わんでも、聞こえてるて。お宅らは子ども人質にせんと、こんなおっさん一人倒せんのか? それにあんた、ガキ殺す度胸なんか無いやろ。」


 男はそう言いながら歩き続け、俺達の前で立ち止まり。小刀を持っているヤクザを手刀一度だけで気絶させ。小刀を拾い上げてから、最後の一人に言う。


「今逃げたら、手出しはせんで。」


 ヤクザが大急ぎで走って逃げて行く。俺は押さえていたものが無くなり、力なくその場に倒れ込む。すると男が俺を抱え上げ、そのまま何処かに運び始めた・・・



 



赤星が異世界へ行く、七年前、まだ高校生の時の話です☆


遅れてすいません☆最近ちょっと忙しいんで、投稿ペース落ちてます☆


追伸 コメントお待ちしています☆

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