4-19 ドラゴンマスター 恐怖の次はフレンド
「いやあ、どうもどうも。」
そう言っておくから出てきたのが…明るい感じの陽気な女性だった。普通にいえば活発系の…後ホットパンツか?この世界にそれはないだろ。
「やっほ。とりあえず、ここだとちょっと困るのだ、こっち来てちょ。」
すっごいフランクだな…。でも美人である…エルフは定番の金髪蒼目だが、こいつは茶髪の赤目…。こいつもモンスターか…。
「と言うかお姉さんきれいなのだ、そのドレスも。」
そういえば、これこっちに来るときに変化で意識した。記憶にあるドレスなんだ。何だろうね…。
「いやあ、切れるような美人とか、初めて見たのだ、私はミーア、よろしくなのだ。」
今度は鑑定がさっきから機能してない。大方ラノベ特有”鑑定阻害”機能だろう。さっきのハイエルフも”限定鑑定阻害”が付いていた。だからあのステータスは”見せている”のだ。あれくらいは
うちにごろごろいるぞって。勝てる気しないなあ…。ただ言わないのがいずれは越せる。今はって感じだ。これぐらいを配置してるって事はこのミーアはもっと上って事だ。見えない。
「一緒に行きます。」
「うーんクールビューティ、クルものあるね。こっちこっち。」
そう言うと手招きされて、2階に行った。2階は…個室がいっぱいだな。
「ここは宿なのだ、よく出稼ぎの兄ちゃん来るから。でここで腰を据えるというと、ここは少し高めにしてあるから、よそに行くのだ。ここにいるのはちょっと小金持ちばかり。」
「小金持ちねえ…。」
「プチセレブ言ったら、通じなかったし。」
「そうなんですか…。」
リーもさすがに神妙だ。そして適当に部屋に入ると手にもった鍵でドアを閉める。
「この宿は、実は全部密閉防音加工。だから、密談と後秘め事ダイジョブなのだ。」
「妙に高性能ですね。」
「こだわり?なのだ。」
流石魔王というべきか。
「改めて自己紹介だね、私はミーア。魔王軍生産主任。主に服とかのデザイナーなのだ。」
「服のデザイナー?」
「うん。」
すんごい、すんごい。大事な事だから2度言うが、魔王軍幹部というセリフが疑わしいぐらいに、純粋そうに見えるのだ。疑うという言葉を知らない。
「今、他の幹部がみんなお仕事で。で私が仕方なーく来たのだ。」
「それはすいませんでした。」
「うーん違う、みんな、ダンジョンマスターに興味津々なのだ。半分取り合いなのだ。だって新しいダンジョンマスターに会えるのだ。だから空いてるんじゃなかったら他の子が来たはずなのだ。」
「思いっきり珍獣ですね…。」
それは思った。
「で、ナオ君からの…あ…魔王様ね。魔王様の言伝があって、きっと”ラノベのテンプレでギルド出来たらだれか一人くらいはダンマスがギルドに潜入して情報収集するはずだから、カードの機能確かめて”。」
何か引っかかる、いや、頭の奥が疼く、その名前には…。が、ラノベ知ってる?という事は?
「魔王は異世界転生者?」
「転移者かな。」
うわぁ、これはもう勝つ要素0ですわ、相手、やらかしまくって無双後決定ですわ。りーも同じことを考えたらしい。
「で、特製のカードは今後を見据えて色々機能が入ってるお得版。で、使えば報酬あるからガンガン、使っちゃうのだ。」
手のひらにある金色のカードを見る、どさくさに紛れて持ってきたがこれ…まだ登録してないのよね。
「普通のだと、本人認証、依頼確認、銀行機能、後討伐確認、ドックタグ、緊急救援信号機能、あとパーティ編成機能、自身鑑定表示が入ってる。全部カードで自動でやってくれるのだ。」
なんか、普通に元の世界より高スペックなのですがこれ?
「で、金色は簡易位置検索機能、逆探知機能、鑑定表示詳細偽装機能、指名依頼、依頼発注、指名依頼BL機能、フレンド機能、BL機能 後、DM登録で、金貨とDPトレード、給料分配金化対応機能が付いてるよ。」
「多すぎない?」
「要求あれば増やすくらいなのだ。」
というか、金色は上回ってチートだろ。相手の位置の捜索?逆探知機能、偽装、指名依頼されるのとブラックリストで気に入らない奴が弾ける?DPと金貨が交換できる?
「DPと金貨はいらないんじゃ?」
「これは魔王が言うのは”DPを金貨に交換する際に出てくる市場に来るであろう”物”で市場を破壊されないための機能”なのだ。」
それを聞いて私は力が抜ける思いだった。何、そこまで考えるの?確かこれがあれば一定レベル以上安いものはDPで交換して売りさばくよりこれで交換したほうが安い。
「だから、必要。但しレートはほぼ固定なのだ。」
「でしょうね、変動させるとすごい事になる。DP相場という恐ろしいものができる。」
「後、機能入れてテストしたものの、そのカード使うほどの相手は現在2名しかいない。だから、使えるか確認。」
「2名?あと一人?」
「うん。”教授”。下だと…金は誰もいない。そして持ってるのは魔王軍だけ。」
「教授?」
「教授くん。後はあなただけ、だけどそういえば名前ないのだ。どうする?カードに名前ないと人間、あなた疑うのだ。」
そういえばい貴方と言われか無いな、名前…名前・・確か封印中だったはず。だから本名は付けれないし、思い出せない。が…そうだな…私になじみ深い…ネトゲとかで入れた名前。
「リューネでいい。」
「リューネ?それはいい名前。きっと鑑定に乗るのだ。そして、金色にあるフレンド機能あるのだ。フレンドなってみる?きっとネルが羨ましがるのだ。クックック。」
なんか仲がいい友達会かな、さっきまでの殺気じみた緊張感返して欲しい。けどネトゲでさえフレンドは初めて。チャンスでもある…。ボッチだったからさ…。フレの壁厚すぎだろ。
「フレンドお願いします。」
「なら、フレンドになって欲しいと思ってお互いのカードをタッチさせ合うのだ。そうすると、フレンドになって、手紙が送れるようになるのだ。但し一週間一回なのだ。後、位置が確認可能なのだ。ただし、ダンジョンにいる時は機能しないようになってるのだ、スパイ防止なのだ。」
流石にそこは警戒してるか…。がそこはカバーできる。が、生涯初めて、ネトゲ的フレンドゲットだぜ!いや…相手が陽キャなのがつらい。
「いいわね。」
かなり便利だろう。一週間に一回というのもほどほどの者だろう。これ以上は私でもわかる、ウザい。
「言ってくれれば服とか作るのだ、リューネお姉さん凄いきれいだから、きれいなドレスが合うはずなのだ。ちょっとエチィのでも十分着れるのだ。そういう子少なくて困ってたのだ、」
「魔王様は幼女趣味?」
「いや、普通っ子が多いのだ。むしろ幼女枠はハーリスしかいなくて困ってるのだ。但しショタ枠は選べる。グヘヘ。」
「ダメな大人にならないでよ。」
いや、普通っ子は普通っ子の需要だが、その辺はちょっとずれるな…。が、結構情報は得られた。まあ私も…中身ドラゴンだからお互い様か。カードの裏をタッチしていくとあった。
偽装してるだろうが見てみるか。
名前:ミーア
種族:ハイアラクネ LV4
職業:ダンジョンユニークモンスター 職人 LV5
ソウルレベル:3
HP:多め
Mp:ちょっと多め
STR:普通くらい
VIT:ちょっと弱い
INT:判断できない
MID:気分による
AGI:がんばれば
MAG:それなり
DP:秘密
SP:応相談
スキル:服飾LV4 宝石加工LV5 織物LV7 美学LV4 その他は秘密。
称号:ミーアブランドオーナー トータルデザイナー、魔王軍生産部門長 後はみんなで探してね。
所持金:(機密レベルが足りません)
装備:、日によって違うよ
思いっきり見える範囲と見えない範囲が分かれる鑑定結果だ。これが鑑定阻害機能か…。流石幹部だな…そして、異彩色放つスキル配分だ。大方余るDPで贅沢しまくった結果だろう。これ見るだけだとまともに戦闘できるかさえ怪しい。がさっきのハイエルフより低いはない。という事は4桁とか5桁がありうる。で、遊びにこれだけつぎこめる。って事だ、零細の我が家とは大違い。後時々ショップにあったミーアのとかは彼女のだろう。そりゃあ、これだけのものがあれば一流だろう。
「鑑定はささッと隠しておくといいのだ。でもまあ…ドラゴンさん本当に…すごいのだ…。」
「なんで?」
「だって10でそれでしょ?」
「まあね。」
「それだとレベル隠した方がいいのだ。それくらい凄い。大方力業だけでこの世界の頂点行ける。それくらい。」
「そんなに?」
「ただし”教授”は二桁で5ケタと対等だった。から、指標以上にはならない。」
「何その化け物。」
「いや、勇者。」
「勇者!」
勇者か、このカードのもう一人は!
「あいつは例外的に強いのだ。普通に勝てるかわからないのだ。それくらい勇者というのは法外的なのだ。ステータスはある程度飾りと思っていいのだ。」
それは私怖くて死にそうだぞ、ステータスに信頼性ないのは…。後、この話からすると勇者、魔王軍幹部、そして私か。金のカード持ちは。
「おっと忘れてたのだ。伝えること伝えて帰るのだ。金のカード持ちには情報が公開されるのだ。」
「勇者が4か月後に来る話?」
「いや、インスタンスダンジョンが各地にできているかもしれないって話なのだ。」
「何それ?」
「私が知ってるのはダンマスの卵って事だけ、なのだ。これは各地にランダムなのだ。」
うわぁ、確かに3人だけだから怪しいと思ったがランダムか、ここから。ライバルが近いと潰して回らないときついぞ。しかもこの話。
「って事はモンスターは今後。」
「今後、外に出る可能性があるのだ、だからギルドを作ったのだ、一か月前。」
「それは準備いいわね。」
これは予想外に発展しそう。かなり。
「そして、もう一つ、神様からの提案で、”ダンマスが20人以上でかつ上位10%以内なら魔王のダンジョンに入ることができる。”」
「何その変なご褒美?」
「魔王城は難攻不落。あれを落とせる人は一切いない。確信してるのだ。」
「そんなすごいの?」
「すごい。それは凄いのだ。だからそこは安全なのだ。」
「それはいいわね。」
魔界ねえ、異世界の上の次の世界か…。。
「後金色は金色専用のランク分けとなっている。銀は”銅・銀・金・王”の4種、そして金は”レベル制”。」
「レベルせい?。」
「ちょっと難易度上げてあるのだ、やった依頼と難易度に応じてポイント化でそのレベルだけで判断して依頼できるのだ。金額の多くはこの人たちへは天文学的な数値となるので、ポイントを金貨
に変換する事もできるのだ。それが報酬で交換すればランク下がるがしなければ、高額の依頼受け取れるシステムなのだ。後このポイントで、ダンジョンのショップ購入機能が使えるので、高級品
が転送されるのだ。」
「それは凄い。」
本気の至れり尽くせりだ。例えばカードで物を買えば人間でも”ダンジョンショップ”の購入者になれる。目の前に食べ物がない時に食べ物、水が出せる、これは強い。但し依頼を解かないと
いけないが。
「さて、そろそろ行く。後、よければ魔王城のマスターさんに会える日を楽しみにしてる。」
「分かった。後、今日は私のおごりなのだ。この部屋泊っていくといいのだ。じゃあねー。」
そう言うと、彼女は歩いて部屋を去った。確かダンジョン配置変換は”ダンジョン関係者以外誰にも見られていない”が条件だ。私は違うしね。
「本当にいろんな意味で怖いお方でした。何も言えませんでした。流石マスター、正気ですか?」
「正気よ。」




