4-14 リーメ君のダンマス日記 今後のお話
またしばらくリーメ君視点です。時間経過表現の為に主人公が時々こうやって入れ替わります。ご留意ください。
その日の夜、村のみんなは地下室に集まって会議することになった。大きさは狭いが皆が集まるには十分だった。もう20人ほどだったからだ。そしてそこでは…。
「これからどうする?今度からもあのバカ領主の連中はここに来るだろうし、最悪兵士送ってきてッてなる。 」
「確かにそうなるぜ。あの調子だと、調子のいい事いうからきっと大軍で来る。」
「皆さんには前もって言っておきます。」
「何だい?」
ガルッチの顔は真剣だった。
「リーメちゃんの全力が出せるなら、はっきり言って、都市の一個や2個なら大軍ですりつぶすことが可能です。が!」
その言葉に全員がガルッチのほうを注視する。
「そのあとは国が出てきて潰される、または、報告だとこの村位なら、手を振るだけで潰せる”勇者”がこちらに討伐に来ます。勇者とは皆さんになじみ深い言い方すると
前の皆さんの男衆が行った戦争で5万人の兵を”ほぼ一人”で倒すのが”勇者”です。しかも、今いるのがその中でもさらに最強の呼び声高いやつなのです。」
その話は、SNSとか言う不思議な文字盤の話で聞いていた、
「じゃあ、そいつがあいつの仇なのか?」
「そうは言いきれませんが、可能性は0ではありません。そして、それ相手である場合、今の我々では全滅します。復讐にかられ死ぬのは構いませんが、せめて一矢報いる程度なければ
復讐でさえもありません…。」
全員が俯く。パパの敵の”勇者”そんな奴がいるんだ。そして、5万の大軍を一人で潰すほどの化け物…。
「なので目立つのは得策ではありません。死ぬだけです。なので、何とか手を考えないといけません。このままではいずれって事です。」
その宣告は重いものだった。
「そんな事…。」
「普通に暮らすなら勇者も、軍隊も関係なかったのです。」
「そうだけどさ…。」
僕もそうだった。
「私としてはさ、復讐したい。男どもが戦争して勝手に死んでで、私たちを苦しめさせるのは許せない。」
その意見にみんなが頷く。わかる、そして、その力を僕たちは持っている。が、ガルッチが言っているのはその先の事だ。その先には僕たちには市が待っているって事。
「そうですねえ…一応カスタマーセンターに聞いてみましょう。…え…あ…はい…了解しました。」
「何してるのあれ?」
「んあ、前説明聞いたら、こういう不測の事態で、コアが分からないものがある場合、上に問い合わせるんだと。」
すごい、あの夢の人にも聞けるの?
「一応、これは原文そのままでお伝えいたします。”干渉はできない、自分で責任を取れ、ただし、少し待て”だそうです。これは魔王談です。」
「どういう意味?」
「この世界のダンジョンマスターは現在3名います。」
「ほう?」
「トップの”魔王軍”、”龍のマスター”、そして”鬼のマスター『リーメ』です。」
「という事は魔王と一緒の力?」
「ダンジョンマスターは領地、ダンジョン、収益ですので一概には言えませんがやれることは似てます。」
「へぇ…。」
そんなすごかったんだ。
「ついでに勇者に対抗できる力は現在、ダンジョンマスター以外いません。ですが、現状では、力がありません。」
「連絡付くなら、魔王に…。」
「それが、先ほどの回答です。」
みんなの口を重くした。
「なら、リーメ。私たちはあんたに従う、」
「え?」
「あんたがそんな凄いやつになったなら、私たちはあんたに従う。いいね。また、ガルッチ、メルッチだっけ?あんたらもよろしく頼む。もう私たちに生きる道はないんだ。」
「は。」
その言葉にメルッチとガルッチは深くお辞儀をする。それに合わせ、村人たちはお辞儀した。鬼ちゃんはじっと黙ってみていた。
「で、どうするの?」
「どうするかわかんねえんだよ。」
「とりあえずこのまま、村でDPを貯める方向で行きましょう。そして皆さんには…報告があります。」
「なんだい?」
「これを持って、クラム村の住人はダンジョン関係者として扱われ、DP収益から除外されます。」
「何それ?」
初めて聞いた。そんなもの。
「これはなれ合いによる癒着防止システムであり、ダンジョン関係者の皆さんを守るための物です。ダンジョン関係者になると例え、命令がなくともこのダンジョンから出るモンスターは皆さんを襲いません。ただし自衛はします。その代わり、本来得るはずであったDP種液は全部維持費に回されることとなり、収益は0となります。」
という事は?
「今までクラム村で入っていたDPは無くなり0となります。また、ダンジョンに入っても一切DPを発生させません。」
「えっと足引っ張ってるって事?」
よく分からない顔で隣の家のミカちゃんが聞く。
「その代わり皆さんはダンジョンでの安全が確約されます。たとえ敵対者がいて戦闘されても、あなた方は襲われません。また関係者に・・・。」
「俺たちがレベルとか、システム教えて強化できる、そして、効率よく力をつけられて、お互い共存できる、そんなのによそ者扱いするのがいいのかよ?」
メルッチの言葉は重かったように聞こえる、
「まあな、俺とから言わせれば、相棒はいいやつだからお前たちの言うこと、ホイホイ聞いちまう。それでも、不満か?」
「聞いちゃうの!?」
「ただし、眷属化はやめた方がいい。」
「何それ?」
聞いたことない。
「俺も本当はお前に名前を付けて、ダンジョンの幹部として働きたい。ただしそれをやると…。」
「それは私が説明します。ダンジョンのモンスターにはランクがあります。ゴブリンたち通常モンスター。そして”ネームド”又は”ユニーク”と呼ばれるモンスターです。うち”ユニーク”は幹部でもあり手厚く保護されます。その代わり…。」
あ、そういえばメルッチとガルッチは・・・。
「ダンジョンとダンジョン領域の外へ出ることができなくなります。」
「「…。」」
「厳しいんだね…。」
その言葉全員を黙らせるに十分だった。
「はい。そして人間でも実は”ユニーク”になれます。眷属化というものです。がこれはさっき言った悪いところを伴います。お勧めいたしません。なので、私たち以降生まれたダンジョンモンスターも己で言いださない限り、認めません。」
「利点もあるんだけどな…。けど、外に出るというのも、相棒の為になると思ってる。だから俺は我慢してる。俺にはそれしかできねぇ。」
「すごいね、みんな…。」
それはなんか、大人を見せられた感じだった。




