表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
始まりの魔王 高橋直の章
44/1805

3-16 長谷川 VS ダンジョンオールスターズ+1

 それは長谷川達が魔王討伐の旅に出た次の日に起きていた。勇者たちが魔の森に入るのを確認すると即座に軍隊はエレンシアに侵攻、勇者なきエレンシアはもはや国の体さえ難しい都市国家であり、それは数日で落城しそのまま地図からエレンシアの文字はなくなった。そしてそのエレンシア上で発見したのがあの召喚魔法であり、勇者召喚の詳細が書かれた報告書である。多大な魔力の品を、生贄に捧げて行った召喚で、これで勇者を召喚しその力は瞬く間に他を圧倒したと書いてあったそれを見た国王たちは即座に国宝の魔道具を持ち寄り勇者召喚に踏み切る。そして召喚されたのが女神曰く”S級勇者”の一人である”教授”と呼ばれる勇者だった。黒髪黒目の少年であり、確かにこの辺で…いや黒目とか結構いた。10歳の少年に見える大きさからしても異様さがうかがえる。

「君は勇者なのか?」

「私は友から”教授”と呼ばれている。まあ、これがうわさに名高い異世界召喚か、ふむ、やっぱり最初は木の棒かね?」

 その異様な言動に戸惑いつつ、ここまでかかった時間は一週間だった。がここからの勇者の動きはS級の名前にふさわしかった。まずは勇者の力を聞いて分析そして、各軍隊に勇者に勝つために軍部の強化として、カタパルトと呼ばれる投石器、クロスボウ、そして、大型の木の杭を打ちだす”バリスタ弓”それらを兵士に作らせ、配備させた。また、その隙間において、自分の修練は欠かさなかった。

「これで勝てるんだろうな?」

「魔王が来るか、その勇者一行が来るのか知らないが、どちらにしろこれ以上の手はない。死ぬなら一緒だぞ」

「お前だけが頼りなんだ!」

 どう見ても言動だけなら爺さんなんだよな…。ただ、動きに全くの無駄がない。王たちも頼りにしてそれぞれの役割を果たしていく。長谷川達が元の街に帰るまでには決戦の地には5万を超える軍勢と、遠距離武器で全員が兵装を組み魔法部隊が防御を張るというそれまでの物が何だったのかと言わんばかりの最強軍隊が出来上がった。ただこのままいけば…。

「大方負ける、または圧勝どちらかだね…。」

 そう、全員があの長谷川の凶悪ステータスを知らないんだ。問題ある。

「お願いします。もう負けなくていい。今度は。勝ちたい。」

 ネルの声は硬い。

「念のため私の半分は預けておく。けど無茶しちゃだめです。」

 エレノアがメルの手を握る、

「分かってる。みんなで憑依もする。何とかなる。」

 そうネルの願いは”長谷川と戦うこと”だ。

「あの時怖かったのもある、がそれ以上にあいつらはナオを殺そうとした、あんなこと言うなら破壊なんてしなけりゃよかった。止めればよかった。ナオにあれだけして許してもらおうなんて許せない。」

 僕はどっちも大事だった。止めれなかった。そしてこれに伴いいくつも安全策を重ね…そして段取りを練った。間に合いそうにないならエレノアがかばってでも殺させず、ネルが来るまで時間を稼ぐ

そしてネルが来たら、戦闘を任せる。ただ勝つだけなら闇討ちでもいいが…これを利用して人間にエルフを売り込むべく作戦を練ったのだった。


 長谷川は王たちを睨み、前に一気に出る!

「バリスタ!撃て―!」

 教授の掛け声とともに今度は大型の杭が水平に!

「拡散!一閃!」

 拡散のスキルは武器を当てたダメージを周囲に分散させ、範囲を広げる効果がある、連鎖可能で今回は全力の9回!バリスタに当たった刃物の衝撃が周囲のすべてのバリスタの矢および本体を切り裂く。その不自然な光景に全員が凍り付く。

「この辺使ってこなかったんだよね…。だって使わなくても勝てるし。」

 流石の王たちもこれには凍り付いたようだ。

「まだまだ!弓や部隊撃て!連弩隊撃て!」

「そしてさ。」

 そう言うと、剣を空に掲げる。

「私、魔法のほうが得意なんだわ。」

 その言葉と共に、すべての矢が、空中で停止して、その場に落ちる。そして長谷川の掲げた手からその先の城よりも大きな火球が生まれる。レベル1灯火に支援魔法、付与魔法等を大量にかけた

通称”余の弱パンチ”攻撃!

「死ね。」

「ルートパイルランサー!」

 聞いたことないけど、さっきの具合からすると木魔法?結構高そう。

「バリア!」

 その掛け声とともに地中から槍が城壁を包む。この火球はその程度じゃ止まらないよ。

「が、それじゃこれに足りない。」

 剣を前に突き出す。が!

「蔓の鞭壁!」

 その言葉で槍の先っぽから鞭が飛び出し、網目状に防壁を張るが!その位置で爆破されると防がれる!

「拡散!」

 その言葉と共に火球は拡散し、周囲の部隊を飲み込め!

「霧の結界!」

 霧が火球を包み、霧散していった。森魔法…何かいろいろ違う?まさか、ブーストかけまくった魔法が消えるなんて…何かある?

「さすが。」

「褒めても何も出ない。」

 エルフの少女は油断もしてない。教授も

「大丈夫かね?」

「勇者なら手伝う、あいつ、人間殺す。」

「わ、分かった。」

 慌てて教授は構える。エレノアはじっとこっちを見つめている。

「どっちが魔王軍なのかわかりゃしない。」

(向こうのほうがよっぽど勇者してる。皮肉な。)

「皆の者奮い立て!我らにはエルフの守護者が味方している!勝てる!」

 その言葉に全員が奮起する。みんなが敵に回っていく。本来ならそっちのはずなのに!ただ、魔法は防がれるとみていいがこれなら!

「パニッシュ!」

 手を突き出すと…手に違和感!自分の体が光に包まれる!暴発か!

「私を忘れては困るのだがね…。」

 額をくいっと上げる少年。メガネ?

「私特製バリアの味はいかがかな?」

「魔法無効だから意味はないわ。」

「さすが化け物。」

 だけど意味は分かってきた。さっきから攻撃する瞬間に武器を抑え込むようにバリアを使ってるのか。魔法なら手の先に張って暴発させてる…。初見だと全然わからない。悔しい。

「ルートパイルランサ―!}

 その言葉に足元から…一気に飛び立ちジャンプする。

「精霊たちよ!」

 その言葉とともにネルの周りに各種魔法が発生する!あれはレベル7魔法?ちぃ!あの数は!

「身体強化!ダウンフィールド!」

 教授が出したバリアを素手で破り無理やりデバフを発動!魔法と精霊たちを全部遅くした。そして

【格闘術LV10、拳闘士LV10を入手しました。この効果により、格闘術は拳闘士と統合されます。】

 拳を一気に振り抜く!その爆風が周囲を包む!チャンス!

「そのまま拡散!」

 それは一気に拡散し、兵士および兵器の全てがはじけ飛んでいく。ついでにこの効果で、ネルと、あの少年には拳を当てたはず!

「化け物。」

 ネルの息は洗い、ぎりぎり生きてるようだ。

「だな。」

 教授も生きてる、かばったんだろうか・・。後の軍隊はほぼ全滅と言っていい。ネルの顔は暗い…泣きそうだった。

「これで終わらせる!あまり使いたくない。」

 ネルが泣きそうだった。が、手加減はしない!

「森林召喚!エコーウッド!」

 その言葉とともに周囲が一気に森に包まれる、木遁って奴か!周囲の見通しは悪い。エコーウッドは魔界の地にある森の木の一つで洞が大きい魔素の親和性の高い木である。特徴はその近くで魔法を使うと、その発音や魔素を真似て放出する効果がある。その為、この木がある地域では魔法攻撃は暴発で自分が死ぬ恐れがあるので禁止されている。

「ハウンド!エコー!パニッシュメントレイ!」

 その掛け声とともに周囲から光の衝撃波が!…私の体の直前で止まった。が、大方周りの木が全部魔法詠唱してる。…もし魔法無効なかったら死んでる。強い、そして惜しい。

「一応言っておく。私には魔法も物理も効果ない。触れることさえかなわない。諦めなさい。今ならごめんなさいで許してあげる。」

 これでいい。終わりなんだ。私の思い描いた未来にその先が全く存在してなかった。ちらっと見えた未来予知の終演。

「………。神よ、ご照覧あれ…。霧の結界!」

 その言葉で周囲に霧が…何か、空気が変わった、そしていきなり周囲がが水…。そのまま私の意識はなくなって、・・・私の人生はそこで終わった。


 ネルが霧の結界を張った後、森の中から轟音と、そして声が聞こえた、そして彼女は泣きながら合言葉を言った。元々戦闘中にある決め事をしていた。ナオとの約束だった。

「もし、勝てる見込みがないと判断したら。僕が出る。僕が責任を取る。」

「ダメ、私が行く。」

「見守るけど、もしダメな場合…。」

「合言葉いう…わかった。それなら”神よご照覧あれ”でいい。魔法に聞こえる。」

「分かった。その合図で霧の結界をあいつの周囲に張ってくれ。それでいい。」

 そしてネルは言われた通り結界を張った。霧の結界の効果は二つ。一つは”結界機能”すなわち防壁として、魔法を防ぐ効果。そしてもう一つは”範囲内での視界と注意力低下”である。

実はダンジョンの入り口にはある条件がある”誰にも見られていない場所”にしか入り口は設定できないのだ。だから本来はあんな線所に入り口は作れない。そこで考えた。森林召喚してさらに霧の結界を張り中の注意力を奪えば”見られていない”扱いになるんじゃ?、試したら出入り口をそこに作ることが可能となった。そしてそこからは一瞬だった。

「そんな手があったんですね…。」

「負けて俺ツエーさせるには、こんなものはいらない。」

「確かに…。」

 緊急で宝箱に最も価値がありそうな”異世界の下着”を入れた宝箱をB1Fに緊急高速展開し、それを最大まで宝箱に入れ誘因設定を最大にする。そうすることで、テレポート誘因を発動。そして、入り口をジオフロントの海底奥深くに設定した。このダンジョンは面積は2㎦の乗数だが高さ、海底はレベルの合計×1kmになっていた。そしてジオフロントのレベル合計は25.すなわち25キロの深海の海底なのだ。8キロでも人間が住めない超重圧かなのにさらにその4倍も奥深い海底である。無論重圧がかかる。それはたとえ物理無効だろうと”攻撃でない”ので無効化できず。それは一気に体を襲い…そのまま彼女は森林の上彼方まで打ちあがり…そしてそのまま頭から落下した。そう、それはダンジョンに入って一瞬の命だった。

「…何が起きた?」

「魔法。追い打ちをかける。」

 そして軽く何かを唱えるとネルの手に巨大な火の玉が現れる、これは、終わった後を消去して時間を稼ぐためだ。ついでにあれで、エレノアはかばった人ごと死んだことにすればいい。

「あの木ごと奴らを焼き払う、これで終わりのはず!」

 ネルは教授に聞くでもなく火の精霊経由で火球を森林召喚した森の真ん中に打ち込む。森林は焼け…それは劫火となっていった。

「終わったのか?」

「これで、しばらく待って。反応がないなら死んだ。」

「こっちもほぼ全滅だ。待つしかないさ…。」

 激戦の終わりをつげ、教授は近くの破壊されたバリスタに座った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ