11-31 東雲恵の魔界探訪 商売繁盛だけど儲からないって事あります
その数時間後に行われたダンジョンバトルでは同時でなく、アタックディフェンス型で行われ、ディフェンスがあえて小出しにした茨木側の少量負け。そして攻撃においては潜入したケイたちに猛攻を仕掛け、普段は行わない火焔遠距離包囲戦を行い、それにケイが耐えて攻めきれないまま終了となり、結果余り点数が出ない形でのダンジョンバトルでの勝利となった。実際は映像に出た分を全部ユウが生み出しその場で倒して、帳尻を合わせて、茨木たちが部屋の前で一応待機してにらみ合うだけだった。いくらダンマスの命令で特攻できるモンスターの性格とはいえ無駄死に近い差がある戦闘はしたくない。そんな彼らのできるせい一杯がにらみ合うだけだった。ついでにしかけないように茨木から厳命されており、それも忠実に守られていた。お互い満足みたいな顔で、戦闘が終わった事と、一応マスター同士が同じモニターを見ていたが、茨木からすると、起きたことすべてが信じられないという顔になっていた。あんな包囲戦しかけたことが無い。
「今回は君の全力を受け切った我々の勝利だ。」
「…あのガキに感謝しろ、あいつ…。」
「それを抱えた私たちの勝利だよ、わかるかね?」
「済まないが部下たちの補充があるからよ…後親分に報告に行ってくる。」
顔だけは繕い、茨木は部屋を出た。元々月下と魔王国においてはこういうダンジョンバトルでの戦闘が多く、魔王国と千鳥万花は国境をまたぐリアルバトルが多いとされている。がヨシカゲの体勢になってからは流石にバトルの数が激減してきていた。あのダンジョンバトル勝利数1000が途方もない数字で、ダンジョンレベル7で諦めるダンジョンマスターの数が増えたためだ。
「ふっふっふ。あいつの顔の青さは、さすがカラムの懐刀。スキルがなくともあれだけ固ければ強いか…。」
そこから連日ケイはダンジョンバトルの戦闘で単独先行させられ、盾となり…。又普段において楽な略奪は全部他の勇者が行う体制となった。
「これって…。」
「こんなに戦うと…立ってるだけで辛いよ。」
一応諜報活動が行えないためにステータスを見て調整した、本来は自分のダンジョンにフロアを結合させるために作った魔族のサブダンジョンマスターの”身代わり君”を使い、行動を支持、代筆させつつ3人は今までヨシカゲ体勢になってからやってきたことをコア越しに精査し、大木戸のコアルームに通い詰めていた。事前交渉をこちらで行い、補填を支払う事で対応しているが…。
「でもそこまでバトルするのか?負担大きくないか?」
「だからみんな集まってるんですよ、弱小が上から部隊を借りてバトルするんです。ただ、今回はしばらくランク7であるヨシカゲ大将の戦闘しかしていません。今のままだと勧誘もうまく行きませんしね…。」
「よっぽどその月光がうまかったんだね。」
「ダンジョンバトルを行い交渉し、条約のみで行っていたので、相手も受けやすくそれ以外に敗北確約戦闘もしてましたから。」
「なにそれ?」
「挑んで勝った場合、同数わざと挑んで負けるっていう契約です。回数や侵入者数が欲しいマスターにとって大軍で入ってすぐに帰ってくれる敵は大歓迎ですからね。その分下への負担を自分たちを切り詰め、自分たちの能力は…まあ…。」
大木戸の顔は微妙だった。
「なんだ?」
「彼らは人間の誇りがあり、ダンジョンシステムをほとんど使わなかったんです。縛りって奴です。それでレベルアップした分のみで戦っていました。モンスターの自分たちの召喚は行わず、人間の大都市から傭兵団や、山賊を統合して。月光団を建設。それを自分のダンジョンに住まわせていたそうです。なので費用0でバトルを行っていたので、実質儲けしかなかったようで。それの時の傭兵団が現在の中核にいます。今はヨシカゲタイセイになって、死んでモンスターに魂を移植するモンスター化があって、それでバトルする暇がない…だそうですが…。」
「月光さんって…。」
「人間として戦い、人間としてトップに立つ。そして…あの魔王軍を潰すんだ。そう言って彼に雇われたりし建ったりして、集まったのがここだったんですけど、。」
大木戸が俯く、
「どうした?」
ゆっくりと3人座っているようだが。実際はコアから情報を受け取り、内部のサブマスター及び内部にいる”身代わりマスター君”にデータの精査をしてもらっている。
「最近の月下の庭園は、目先にこだわるというか…。盗賊団みたいで、いくつかのダンマスは離れたいんです。但し所在地がここになっていて、移動させるのにも許可がいるという…協定になっています。協定は絶対です。」
ダンマス同士の”会談”の結果生まれる協約はマスター以外は物理的に解除不可能となる。ダンジョンの移動指示もだ。そこに脱退条件等を定めた条文があるある場合…その文章に従わないといけない。
「確かにあるね。脱退を宣言した場合全モンスターと全DPを月下の庭園に引き渡し、脱退させる。但しこれ…。」
優ちゃんの顔も青い。この条件は…。
「この条件満たして脱退すると、ダンジョン維持できないで死亡する。後ダンジョンレベル7でコアを独立化させると、そのコアを渡さないといけなくなる。」
「…やっぱり。それに僕たちは第一の僕を捨てて逃げる事はできません。」
「行動精査終わったよー。クロ。」
コアも見守る中、優ちゃんが書類を懐から取り出し、置いていく。
「どうも、ヨシカゲたちが最初に月光を倒したときにリンチしたみたい。で、それが”悪行”とカウントされたみたい。無抵抗の謝罪の意思がある存在をもてあそんで殺した。って事、一応称号確認して、勇者の文字が消えていた。」
「処罰対象…ですか?」
「ギルドが公式に見つけた場合は。処罰対象、軍隊向けようが何しようが殺す。但しここは”ギルド管轄外”なのよね。」
「でしょうね。」
「で、もう一つ依頼がある。」
ケイは椅子に座り足をぶらぶらさせつつ、答えていた。
「依頼者のナギサちゃんは。自分の手で復讐を果たしたい。って事。」
「え?お嬢、生きてたんですか?」
「月光がどうもダンマスの地位を”譲った”。だから今の月光のダンジョンのマスターはナギサちゃんで。その一人だけは…。」
「良かった…んでしょうけど…複雑ですね。生きていてうれしいですが、戻ったら…。」
「だろうね。彼女は彼女で頑張っている、」
「僕も逃げたいです。今の月下の庭園の空気は最悪だ。数人のダンマスは離れるべきだと、言っています。が協約は…。」
「だよね。」




