11-24 勇者48 ナギサの復讐を見る勇者
「私、自分の足が信じられない。そして、君、何者?」
なぜか渚沙さんと同じスピードで、走るメルさんと、そしてアニメみたいな走り方をする渚沙さんが来たのは…学校だよね?なんかすごい城壁ができてる。
「私が増援で参りましたが。ナギサさん。あなたが主役なので、ミーアと私、リナミアはサイドを守ります、敵は南から。首都にそれた場合はドルカスと南が潰すそうです。」
走った先で待っていたのはなんか、雑貨店の店員らしい人と、後…秘書らしいスーツの女性。
「ミーアは?」
「配置で待ってます。ネル様が結界を張り、3方を抑え込みます。漏れたところをミーアと私が押えます。あなたの所に最大限くる見込みですが、リナミアを背後においておきます。」
「分かりました、配慮感謝します。」
「ただし、リナミアが動くなら。再特訓だそうなので。」
「…わかりました。がんばります。」
ナギサの顔色が悪いような…。
「で、その子は?」
「ハーリスさんから許可を取ってあります。あれも回答済みです。」
「というか、さっき。この人たち居なかったよね。」
「ああ、まずは自己紹介ですね、私、楽園の営業部長。由羅川美月と申します。」
そう言うと彼女は名刺を差し出した。僕たちは勝変えられたまま受け取る、メルさんも何故か受け取る。
「それにはちゃんとショップの商会が書いてあるので、そちらをご覧ください。特にそこの勇者殿は有望ですから。うちの商品を買ってくれることを期待してます。」
「勇者!この子が?」
メルさんが驚いている。勇者ってそんな驚くの?
「それ言い出したら、私は魔王だからねぇ…。」
え?魔王?ナギサさんが魔王?
「魔王様…ですか?」
流石に里中さんも驚いたようだ。
「まあね、で、君たちは見学となる。この学校を確保してDPにして売るために現在、ダンマスの部隊がこっちに来てる。モンスターの大軍で1万は越える。レイド発動からのコンボで軍隊を増やして、で、こっちに侵攻してる、この土地を荒らして、できれば君たちを回収して売り飛ばすために。」
「売る!?」
「勇者はダンマスにとっても価値が高くて。で、ばれたら最後、あんたの仲間は襲われる。だから、最初のターゲットであるここで、連中を抑える。そして君たちの自由を守るのがお仕事よ。」
「僕たちも何かできますか?」
「できないといいたい。」
ナギサさんの答えは即答だった。
「私はそんな…。」
「聞いたことがある?スタンピードの比じゃないだけの魔物の群れよ、相手は、あんな手加減したゴブリンなんかじゃない。本物の戦争よ。まずは見てなさい。あなたが捨てたものを。」
「でもなんで、ナギサさんはこれを?」
その顔は悲壮を通り越して…唇をかみしめていた。
「私の兄上はあいつらに殺された。仇なのよ。」
「え?」
その言葉に全員が…ナギサを見つめる。
「そして、私はその為にいろいろ準備してきた。あの腐れ勇者どもと屑みたいなダンマスを殺すために。」
「復讐ですか?」
里中さんも思ったようだ。
「違う、兄上は生きて欲しいといった。そっちを優先するけど、じゃあ、あいつらを許すのかは違うでしょ?やるのは私しかいないんだから。」
その顔は復讐だけじゃないって感じだ。
「でも世界の深淵って…この壁ですか?」
「そうよ。私がDP払った。私もダンマスなのよ。」
「えー!」
その時聞いたのは衝撃の事実だった。俺たちは勇者召喚のミスでここに転送された見たくて、で、それを最初に発見したのがナギサさんとメルさんだった。メルさんはここが気になったので
即答でここに来た。でそのあと僕たちが召喚されたので、それを知っただのダンマスがこの学校をDPに変え、消すために来てる。そして彼らはそれを守り、ここを学校の先生と後で協議す
るためにここを守るんだそうだ。ただ、もうここはナギサさんのダンジョンの領域になっており、ナギサさんが自由にできるらしい。それでこの壁を急遽作った。
「この建物が勇者たちの世界の物とはね…そりゃあ、みんな狙うよ。」
「価値も莫大ならコピーも難しいけど、けど確保すればダンマスにとって莫大なDPが入るのよ、ここは。」
「この世界が中世だから?」
「それもある。ただ、私たちが来るときには建物は転送されなかった。すなわち現在ここだけが、元の世界の建物があるのよ。だからこれを他のダンマスに売るだけで莫大な儲けが出る、大陸買う程度のね。」
「商人としては扱ってみたいけど、死ぬの怖いわ。」
メルは首を横に振って、学校を見つめる。
「だろうね。」
ナギサは呆れて、いくつかの光る玉を取り出しては体の中にそれが消えていく。
「それは?」
「スキルオーブ。貰った報酬で急ぎで補充してる、これでスキルを得ることができるのよ。ついでにダンマスはこれをDPで売り買いや生産をする。」
「じゃ、じゃあ闇魔法も?」
「この付き合いになるなら元値で売ってもいいわ。但しMAGの値が容量になるから、更に訓練しないといけないのよ。」
「万能じゃないのね。」
メルさんは落胆してがっくり来ている。何の話だ。
「ハーリスさんいる?この子に戦闘を見せるのは?」
そう言うと、いつの間にか…横には金髪の幼女がいた。
「分かりました。こちらからエレノアに連絡を入れます。エレノアが守ってくれるはずです。」
そう言うと、そのまま…去っていった。いきなりでびっくりした。
「ついでに美月ちゃんが勇者で、リナミアとミーアが魔王軍幹部。ネルもそう。」
「え?」
「魔王軍!」
「ナギサさんがトップなんですか?」
僕たちはいっせいに驚いた。魔王様だよ。この人。
「いえ、魔王の上がいるのよ、大魔王。私はまだ新人の魔王よ。ついでに…。」
「・・・よばれてとびでた、じゃっじゃっじゃじゃぁぁーん。」
「なんかずれてますよ、本物の魔王様。」
「すいません、ナオに指導されたのですが、慣れませんです。」
いつの間にか赤いドレスの女性がいる。いや、さっきから人が往復してるのは分かるけど、全然わからん。
「私があなた方の護衛をするのです、安心してください。後、じっとしてくれれば、ある程度自由でいいですよ、もうそろそろなので、、あなた方はそのまま上に置いて…見てもらいます…。」
そう言うと僕たちの体が透明な何がにつかまれるとそのまま上空に持ち上げられていった。みんな驚いているようだ。
「これは…。」
「私が持ち上げているのです。私は戦闘に参加しないので、大丈夫ですが…。そこから来てる敵軍は見えるはずなのです。」
そこに見えるのは高台にいるにもかかわらず、地平線を埋め尽くしそうなモンスターの…いやかなり大きいのもあるな…。
「こんなの勝てるわけがない。」
「うーん、その為に私たちが控えているのですよ。」
エレノアさんが困ったように言う。
「ついでに勇者とかこれ位を相手…はめったにないですが、その為だけに彼女はここまで頑張ったのです。」
ちらっと見た彼女も…え?ロボ?




