11-22 勇者48 脱出する勇者たち
下村先生以下、数人が鑑定が使えて、能力が分かってきた。うち数人は光魔法という魔法が使え、夜の明かりはどうにかなる見込みだ。その人たちが見回りをしつつ、みんなで教室で寝ることと
なった。僕は手元のカードを見る、ずっと俺と一緒にデッキ。炎属性のカードの束。大会をしたころが思い出深い、全国も見に行ったよな…。が、結局ゲームや漫画見たくそいつがリアルになる
ことは・・・?
「なんだこれ?」
一番安いコストの冒険者傭兵部隊だけが光ってる。いや、気が付かないと光ってるように見えないんだろ…あの透明な存在は重力を無視したように天井にいるみたくて、ずっとこっちを見張
ってる。
『月宮君。ハーリスから連絡があった。スキャニング完了。後は?』
『こっちは見張り数名で野営ですね・・・出れそうな格好してるので、行けると思います。』
『じゃ、そろそろ行くよ。声が聞こえた子は?』
じっと天井を見る。終わったらしい。
『思いっきりこっち見てます。あれ、こっちを確認してますね。まあ、好都合でしょう。軽く…。』
俺はわざと天井に親指を出した。
『なんかやりづらいです、気が付いてます。合図も送ってます、怖いです。』
うわ、ひかれた。が、隣で寝てる里中さんを軽く揺する。
『がんばれ、結果オーライって奴よ。後連絡があった。教授とネルに連絡付いた。で、ネルがこっちに来る。で、そっちは送った後。戻ってきて。』
『了解しました。』
増援が来る?味方の?その時だった、ドアを数回叩く音ともにガラスを割る音が聞こえた。その音に見張りの子が走ってくる。
「玄関から音が!」
「全員起きろ、そこのカウンターをバリケードにするんだ!」
下村先生の怒鳴り声が聞こえる。そして、向こうから全員走ってくるとそのままバリケードで扉を封鎖し…一方だけ開ける。大きさは実は8歳の子供ほどなので、気持ち悪い以外は何もない。
数体のゴブリンが一気に開いたドアから突入するとモップや箒、バケツでぶん殴り…動かなくなったかと思ったらそのまま光となって消えていった。ここまでゲームかよ…。
「ゴブリンに勝ったぞ!」
全員の歓声が聞こえる。
「先生、ゴブリンは本来集団で生きています。なので、これに気が付いたモンスターが来るかと思います、ドアが開いた今なら逃げれます。逃げましょう。」
聞いた話だと、こっちに制圧に来る連中がいる、そいつらが善人とは思えないし、そいつらが来る前に人里に逃げる。人里までこれば、天井の奴も…。
「みんな、夜は…そういえば光魔法使えるやつがいるな、ゴブリンが夜行性出ないなら逃げれる。みんな、準備しろ!人家の位置は分かるか?」
「煙は西から来ました。なので、そっち側かと、案内します。」
そう言うと俺は、戦闘に出た、里中も一緒についてくる。それに合わせ数人が走ってくる…あ、ドアが開いてる、外は、凄い高原の空気だ。気持ちいい。がそうは?あれ?西の方が明るい。
「なんかあっちが明るいです。人がいる可能性があります。」
「本当だ、がゴブリンの可能性もないか?」
大村の言葉もわかる。
「が、ここであるだけの食糧で死ぬよりはいいです。」
暗闇で勢いつけて出てきたが、よく考えたら人型殺したんだよな…。いや、今は考えちゃだめだ。
「行きましょう、俺は死にたくないです。」
そう言うと駆け出す。
「仕方ない、みんな…光魔法を使えるやつは明かりをともしていけ!」
そう言うと…あれ?森だよねここ。なんか一本道だ。少し獣道っぽいが道ができてる。これならいける。
「村長お願いしますね。」
「分かっている、本当にくるのか?」
「かかる食糧費はこちらに置きます、これはそのまま来なくても、他の箇所に行ってもお渡しします。」
葬儀場まで高速で送られ、事情説明御とんぼ返りしたメル・ジーンは、村長に金貨の袋を手渡す。依頼は単純に”あの施設に来る人間を近くの村に誘導するので、その受け入れ態勢を作って欲しいというものだ。報酬ももう払い込まれた。ギルドの仕事が速すぎる。ここは人口30人の村で、そこまで大きくない。三日…彼らの話が本当だと50人は来る。だから
「分かった、食料は持って来て。」
「はい有ります。上空から飛龍隊が確認して、50人だそうで、三日は耐えれるだけ持ち込みました。後、毛布も。」
商会で手を回し、葬儀終了から一人だけ土魔法のというか使える人を渚沙が連れてきたおかげでどうにか、さらに短縮してこれた。三日分の急ぎの、食料持ってきた。ここで体勢を整える必要がある。その時聞いた話だと、飛龍隊が数十は王国の首都に飛んでいったという。大方ギルドが本気出してる。そして、もう一つ。
「後は明日くらいから、遭難者が来るかもしれないから山狩りを。だったな。」
「はい。ただし私が依頼したと、分からないようにお願いします、これはギルドに行くと褒章が皆様に入るかもしれないので、手柄と褒章は欲しいでしょ?」
「まあな。徴税官の覚えがよくなれば税も安くなる。でもなんで、隠したいんだ?」
「ちょっと金がかかる方法使ったので、これがばれると、うちが赤字になるんですよ。だからばれたないんで?」
「どういう?」
「ほら、あれ。」
指さした先には大きめのゴーレムがある。
「ああ。分かった。分かった。」
納得してもらったようだ。本当はナギサさんにダークボックスに食料詰めて村の直前まで大量の食糧を入れてついでに私を肩に担いでもらって全速力で走ったのだが・・・。金カードさんを顎で使ううのはもうなしにしたい。あそこまで凄いとか…。金カードは格が違う。




