11-11 ナギサの道 家探し
そして来たのはリンシュメルトだった。というのも防衛として、常に大魔王と呼称しておくそいつの傍にはエレノアがいて、あのハーリスがいる。何ので、防衛は実際何とかなるし、エレノアが休暇を取って遊びに行く=魔界のモンスターの危機という物らしく、つまみ食いとか言って、クラウドドラゴンを食べるという話を聞いた時は…。頭がくらっとしたのを覚えている。あの動画の賞金首より強いのだ、魔王軍は。その為クラウドドラゴンがいない時間帯もあり…というよりあれが一日で復活すると聞いた時はもっと立ち眩みがした。魔界に行かなくても実はテスト用にもらった。”インスタンスダンジョンチケット:イージー”とかいろいろあるのでそっちを・・・。
「マスタァ。待ってください。」
私はコアに肉体を与え、いくつかのオーブを使い人型にした。どうも変身というスキルもあるので私も取っておいたが…大きさ以上の変身はなかった。これは検証済みで、で、魔王軍のよしみという事で、私は…あるモンスターをもらい、それをコアにしている。ついでにこの事を考えたのは私で二人目らしく…。私以外にもう一人これを考えたらしい。そして、実験と言って渡されたもう一体が…レシピはもらったのでそのように育ててみる、その子は現在私に憑依しているゴーストの子である。偵察用と護衛を兼ねつれている。そういえば兄上がいる時はこういうのをとても嫌がったな…人間であることを捨てるのか!と怒鳴ったものである。が、謎な事に称号になぜか???という記述がある幽霊だ。私が作ったのに謎の…モンスターだ。この子が第一の僕だ。年齢は8歳位くらいの子供の幽霊。
「いいけど…。家探さないとね…。」
そう、私たちがいた頃にはなかったエリンシア領域の…南が納める国それが”リンシュメルト”である。今ではこの地域は聖女領とかリンシュメルト領と呼ばれている。ついでに南にある旧モートリアもモートリア領として、別の領主がいるとのこと。無論そこも亜人同盟領地であり、その世の移り変わりに…私はさみしさを覚える。私たち亡き後のモートリアは国家運営に困り、南を見た瞬間、国を売り安泰を願ったのだ。その話を後で兄と聞いた時、憤慨で死にそうになった。私たちはそんな国を売り渡すために働いたことはなかったのだ。で聞いたところだと…。
「いらっしゃいませ。こちら住居案内所です。」
そう、ここですむには、身分証明書をもらった後にここに来ないといけない、実はリンシュメルトは今、エクトネーゼ、エルシュウッドに並ぶ大都市で、モートリアとか近郊都市も大きいがここは学術都市の意味合いが大きいこの世界で一番物が整っている都市である。なので、暮すならここがいいといわれてしまった。
「これを…。」
私は懐から金のギルドカードを見せる。
「これは…えっとどんな建物をお探しですか?」
理解はしてもらっているようだ。金カードは現在50枚はないというギルドやリンシュメルトに無い。ついでに魔王軍の狩り拠点というか、あの時真面目に聞いておけばよかったがNEO雑貨店は浮遊島ともう一か所。このリンシュメルトに実は雑貨店がある。ただ、マイナー店舗であり…裏通りの路地裏店なので、気が付かないとなっている。今ではすっかりダンマスで金カードを連携させるとタブレットにギルドの情報や、勇者SNS、そしてダンマスSNSも見れるので情報はこちらからもらっている。どうも最近勇者の数が減り19人になったとか、俺、街角で、異世界人見たとか、そう言う話が書かれている。19人ならクラスSNSより人数少ない。後ダンマスは…バラのヨシカゲのダンマス募集とか、後、勇者対策本部という板もある。実際のランキング数は三桁に届くが、どうも亜人同盟が6割を占め、あと4割の異世界ダンマスのうち、少数は反亜人同盟となり…現在では領地確保のためのダンマスの同盟引き合い合戦やその為のダンジョンバトルもある。私のダンジョンは月の名前を入れるとばれるので、”シーコミューン”としておいた。と言ってもMPを時々コアの”レイジー”に入れ、いくつか工夫して暮すつもりだ。ただ、この都市は平和すぎる…が、向こうの大陸に行けば、月下の庭園の連中につかまる恐れがある、ある意味私が安全な都市である。
「小さいアパートでいいので…ただし、一階にある部屋が…。」
「そうですねえ…。この、8階建てのアパートの一階の店舗エリアは…2階付きの物件です。」
「借りれるの?」
「お支払いは金貨10枚が手付金の金貨100、事後返済で構いません。金カードの方ですとそれくらいすぐに稼げるので、普通の庶民が手が出ないエリアも買えると思います。」
店員の変な気遣いが…ちょっとウザい。が、店舗付はダンジョンの物を売ればいい。結構好物件だ。2Fがあるなら。
「一度見せてもらえますか?」
「はい。行きましょう。」
最近見ないほどフットワーク軽いな、この人。そして、歩いて10分でたどり着くそこは…角の土地であり、そこに木の戸がある趣ある感じの…店なのか?
「こういうところ多いの?」
「リンシュメルトは最初取り合いになるほど人が来たので、その土地を売って今はモートリアの賢王と呼ばれれる公爵領が人気でそちらに移住される方が多いのです。なのでこういう立地の良い
高く取引される個所が変に余るんです。ただ、この住宅案内所は聖女様の御指導で、免許制でして、私も国の役人なんです。」
土地ころがし対策か…。政治は安定しているようだ。
「特にご命令で、金カード持ちは優遇するようにと。で余ってる土地でまず一番条件に合うよい土地を選ばせてもらいました。」
さすが聖女の安息所だ。この辺はしっかりしてる…。というより…ガラスがないのか…。ちょっと締め切った感じが…。上の方に採光窓がある。あそこからか。
「窓はあそこだけ?」
「最近は油が流通してまして、ランプがはやりですね。生活魔法持ちですと火は簡単につくので、維持費が安いランプは人気なので、。後最近はマジックライターというものが金貨一枚と後魔石で買えるので、それが現在錬金術ギルドの売店に置いてありますね。で、それがあれば生活魔法なしでも簡単に火種が得られるので、それを使う方もいますね。」
魔道具って奴か…。凄い。私のいた頃より進化してる。
「2Fには暖炉もあり、煮炊きできるので、煮物もできますよ。」
「生活魔法か…。」
「意外とその辺の店で売ってる場合もありますし、スキル。」
「売ってるの?」
「はい。」
向こうの大陸では考えられないな…。向こうではまだ文化が火打石であり、魔法も少ない。剣のほうが強いほどだ。それがここだとスキルが買えるという事は魔法を持っている人がおいのだ。
これは武術系もスキル売ってるな…。
「これ、持っておくといいですよ、ギルドの物で、あると便利です。」
そう言うと…少し白いガラスでできたモノクルが出てくる。
「鑑定が3回できる、安いのですけどステータス表示ができるモノクルです。自分を見るのもいいんですけど、ちらつかせれば、嘘のアイテムは出されませんね。」
やっぱり鑑定は持っておこう、そういえば、ギルドカードの偽装はLV6とか言ってたたな、それを超えれば偽装は見抜けそうだ。自分より下なら。コアはメモを取って真剣そうに聞いている、確か…コアには見た物を録画する機能もあるよな。が、ここはいい場所だ、最悪ここでコアに店を開いてもらえば収益にもなるだろう、2Fは…入ってみてみると一家が寝泊まりできる程度には広い。小さいアパートって感じだ。これで100は確かに郊外があり、広い土地があるなら逃げる…そんな感じだ100は高いが…。
「ここでいい。金はこれでいいか?」
金カードの機能から金貨100枚を袋付きで出す。DPにして10万くらいだ…そこまで大金ではない。
「はい。ありがとうございます。流石金カード様。後、これの確認作業を行いますが、足りない場合は請求させてもらいます。が、基本大丈夫です、その土地をお使いください。では。」
そう言うと、役人の女は立ち去り…コアとゴーストの3人となった。
「ここはいいですねぇ…ダンジョンの開設も可能ですぅ。どうもお金さえ払えば一時的に所有権を付与するとぉ、鑑定に書かれていますぅ。但し租税を払わない場合にはダンジョン設置権利を剥奪する。貸与という機能ですねぇ、ダンジョン領域の。但し租税はDPでいいらしいしぃ、自動引き落としらしいですぅ。」
「ダンマスに不動産業をする、ダンマス…。」
兄上、ライバルの聖女は凄い度量が悩ましい人でした。この金額次第では得でもある、生産系ダンマスならこの立地を生かせば人がいて安定商売が可能だろう。勝算があるならね…。ただ、私には兄上からもらったリストがあるのだが…実はハーリスから、警告文があり文明を進ませすぎたと判断されると罰金が発動する。なので、異世界の物はダンマス以外に売らない方がいい。勇者相手はOKだそうだ。勇者が破って内政チートすると、ダンマス全体にご祝儀DPが入るらしく、これを待つ方が旨味が大きいのだという。ただ、魔王軍、そして他のダンマスも自身が使うもの(世間に一般的でないもの)なら大丈夫との認識らしい…商売は…わからん。兄上も得意ではなかったから傭兵団をしていたのだ。そう、月下の庭園は最初、傭兵稼業で儲け、徐々に領地を広げたのだ。がここにそんな傭兵の需要は感じない。勇者が新大陸に多いのは戦闘では稼げないためだ。が、どうする…。
「とりあえず掃除してぇ…で…開設してきます。」
と言うとレイジーは手元から箒を作るとそのまま掃き掃除を始めた。こういう時に闇魔法は便利だ。一度ダンジョンは解説して、簡単な気の板で封じれば設置はできる。と思ったその時…突然入口の扉が開き…ブレザーを着た…見覚えがある、”南”だ。
「本当にくると思わなかった。リューネには聞いたんだけど…。」
「私を笑いにきたのか?」
「一応ここは私のダンジョン領域よ。確認しようと思えだダンジョンの入り口も確認するわ。けどね…。」
そう言うと、南はテーブルをダークマターで作り、その上に…盛りそばを置いた。
「本当は引っ越した側が出すんだけど…引っ越し蕎麦よ。食べる?」




