11-2 教授の章 今起きつつある事。
「ここだ、ここがギルドた…。」
と言って紹介するのは、いつもの…。
「向こうと変わらないですね。」
「規格は本家の…。「ネル様!。」
カウンターの柳田の声を遮るのはエミリの声だった。エミリは正式にこの大陸のギルドのグランドマスターとなり…交渉の末、近くの森に初心者ダンジョンを開設。柳田はこのギルドそのものをダンジョンとし、地下に”試練の間”として、ダンジョンを解放してある。説明として、この地にあるいくつものダンジョンを目指し”故郷帰り”を狙うモンスターにより襲われてていたという話にして、ダンジョンを公開した。ただし、この試練は柳田公認勇者や、戦士を見繕うために金級の試練場及び浅い階層は依頼時に買い干して、DP稼ぎの場として使われることとなった。サブダンジョンは壊していい場所として、高難易度ダンジョンを数件サブマスターで建築することとなった。これはマスターなら受けれる初心者講習で習った”ダンジョン都市の作り方”によるものでこれで掘ったアイテムをここで稼ぎ、パーツを集めることでまずは死体の回収の癖を付けさせ、そして他のダンジョンのモンスターの部位を回収させ、自分たちの蘇生可能範囲を得るというものだ。無論サブダンジョンなら壊しても構わないし、領域はサブマスターでも発生するが。…パンダ同好会を狙う他のマスターによる侵攻が数件あり実は検証された。それによると、サブマスターとサブのダンジョンコアが双方破壊された場合、一週間以内に復帰させれば領域は継続されることが発覚した。これはタイムカウンターが出たため発覚したのだ。これによりパンダ同好会は領地の確保を行い、適当な獣人を配置してサブダンジョンを作った。その中央をこの防御硬い王都に置くことによって、大元を守る考えだ。
「君も落ち着き給え、本店ができたら、そっちに移転だろうが…。」
「でも、ネル様がわざわざ何もない日常に会いに来てくれたんだよ!凄い事だよ!」
そしてみんな分かっているのは敵がいるこの環境こそDPを稼ぎ、敵国がある環境こそ、マスターにとって必要だとわかると、王妃も王子もこれ以上の領地拡大を望まなかった。というのも。領地を拡大するより、地域にいるダンマスを活用させ、生産させた方が最終的には市民も幸せになるからだ。無論掘るには冒険者が欲しい。なので、最初の数回は国家主導で発掘を行い、市民に開放する”儀式”をすることで安全を担保するのだ。無論ついていく大元自身がダンジョンをこうやって国に売り込むのだ。そして本当に危ないインスタンスダンジョンはモンスター部隊を派遣調整するのだ。但し…ギルドのダンマスと”会談”し、ダンマスがいるとわかったダンジョンは破壊を禁じる決定をした。利益にならないのと、”それが同胞である”という事が発覚したからだ。そして、ギルドに染まらない場合に限り”全員一致で”潰すという決定をしたのだ。ただ、私は、ナオから最悪のパターンを聞いていた。現地人のダンマスは存在し、条件が整えば成れることだ。そしてそれは不可能ではない。という結論である。だから異世界人のみがダンマスとは限らない。それはリーメが証明していたが、それを理解する人間はいるのだろうか…。
「そんなエミリちゃんと!仲良く、仲良く!」
「…ふん。」
無論ギルドは常に周辺の空白地帯にモンスターを派遣、確認が取れ次第、ダンマスの対応を会議して、さも僕たち知らなかったんですと有頂天にさせ、いい気分のまま引き込むのだ。当然人間を信用しない奴は当然出る。そこは囲い込んだりすることで最終的に従わせる。ギルド伝統の手法があるのだ。がこれが効くのは少数のマスターがせめぎ合う地域まで。ザガートン国のある地域では頼る他のマスターがいるため、そこが綱引きとなるが…ここはまだ小さいので可能なのだ。自分たち地にしてもDP召喚リストの共用化で得られる利益は大きく、ダンマスは欲しいのだ。それにどの段階で気が付いたかで反応が変わるのだ。恐ろしいのはリューネの話を聞いた時だ。カードとギルドを見た瞬間そのことを理解し、パターンを変えたのだ。本当に怖いやつは、ここから違うのだ。無論魔界の意味が分かるやつがこの世界にいるとは思えない。
「でだ、どうもスキュラカンパニーの動きが鈍いらしいのだ。大方…。」
「月光の話に反逆すべく、大方レベル10を作ってくる。」
そうダンジョンバトルで惨敗した月光はトップの地位を下り、野に下った。がその下にいた薔薇のヨシカゲがそのまま残党を編成、そのまま月下の庭園は続行となった。ただ三日月部隊は全員消失した。どうも…満足した扱いとなったらしい…。そして、魔王バトルでいなくなったのはこれだけではなかった。リンク、ミズキ、ハナカワ、シライのチームもまた、満足しそのままリストから消滅した。これは魔王討伐後の願いをかなえるが発動したためだ。残ったのはミカで願いは『リーメ君とゴブリン村の強化』だった。ミカちゃんにはシライたちの特性および従者スキルのオーブが与えられ、リーメ君と鬼ちゃんにはナオのダンジョンの関係者になってもらい、第一従者のメルッチに使い魔機能セットのオーブを渡し、急成長と憑依をを取ってもらう事となった。…そして判明したことは勇者が昇天した場合、元従者という称号が残りレベル上限が残る事だった。但し他力本願ブーストは消滅した。ただこれは一緒に酒盛りをしたドルカスには衝撃的だったようだ。
『そりゃあ、ドワーフが意固地にもなるし、エルフが高慢にもなるわ。勇者とか立派なやつが逝くのを何人も見るんだからな。』
このSNSの発言はある意味この出来事を象徴した。が私にはこれに伴う南の出した身内向けデータのほうが怖かった。現在9名の勇者の消滅が確認。現在勇者総計が19名でついに召喚デッドラインを割ったことが発覚した。どうも異世界勇者の称号がの消失が8名出た模様だった。ついでにこの世界においてダンマスは勇者と一緒に登場するが…異世界ダンマスは補充対象ではない。ついでに今まで死んだり減った勇者の多くは転生による補充が行われ、新大陸に勇者と従者合わせ80名の異世界人が存在していることが確定となった。ただ、転生勇者には魔王討伐のお告げの話をするが…南は強要する気がないらしい。まあ、魔王の間も作ってあり、楽園の魔王の間と魔王回廊があるので魔王として、七海たちが出ることとなっている。ついでに勇者にダンマスとしての支援も考えているらしい。が、七海や涼香のお眼鏡にかなう勇者はほぼなく、美月という店員勇者がいるので、しばらくはそっちになりそうだ。ただリーメ君は勇者を目指す話も出ているが…実際それをやると、私の従者を外れる見込みである。勇者となると従者を付ける側となるのだ。がそれでいいと思ってる。ただ、ギルド側の考えは違った。今度の問題の通達は”勇者8名の消滅”がなぜなのか、一人は何となくわかるが後の8名は犯罪歴はギルドカードで管理していたらしくそのうち6つは新大陸で発生していた。あと一名はどうもこっちらしく、…こっちに来た召喚勇者?と謎の多い事態となった。た、召喚は亜人同盟において喧嘩のタネになることが発覚している。ただ勇者大陸以外の転生勇者の一部がそろそろ6歳になるので、登場が待たれるところだ。
「そういえば、勇者がそろそろこっちに来るのか?」
「そうだな、国に一人いればいいくらいの数しかいないぞ。従者もだ。彼らは神経質に、且つ丁重に扱え。でないと死傷者が出る。」
柳田の不安もわかる。ついでに勇者に合わせ、異世界の住人の従者予定の人間も出る。勇者1に対して従者が3である。実際本来はいるであろう、というか確認はされていた、シャラの本来の従者である。一人は少年で別の雑貨屋を開き、二人は仲峪村で、農業をしていた。…ヨミ君は相変わらず、シャラ君の従者でもある。後確認が取れた、大陸統一機構のメンバーの転生勇者の従者もまた存在しているし、いずれ世に出てくるだろう。今は辺境公となった長峰君の養子として王子となっているらしいな、勇者。
「とりあえず、ギルドは完成したのだが…。」
「先生!」
…私が声のした方を振り返るとそこにはリーメ君と鬼ちゃん。そして妖精のメルッチの姿があった。
「やっと時間が取れました。」




