10-2 南さんの苦悩
「やばいです。これ…。」
南は相当この文章を受け取り焦っていた。現在最大勢力である亜人同盟が不戦敗はあり得ないが問題はこのダンジョンに”戦闘員”がほぼいない事である。勇者は探せばいるし、シャラがいる、それはいい。が魔王がいない。さっき受けて報告で現在のレベル10ダンマスは6人。大方ネルさんは棄権するとみている。がナオは強制参加。リューネは性格上参加。三日月は反亜人同盟リーメは参加とみている。すなわち、ほぼ棄権する人いないのだ。今戦闘できる最大が七海なのだが…あの子戦闘大っ嫌い…なんだよね…。ナオからだれか借りてくる…。わけにもいかない…。ナオが強制参加の上に、相手があのエレノアである。ついでにあの人相手だと…普通にシャラでも勝てるか怪しい。が、負けるほうがポイントが高い試合だ、完全勝利とはいかなくても当然…。シーアやユーを引き留めればよかった。がいまやそれは融合されてしまい、ケイさんを引き込むしかないが、あの人の性格上無理だろう、こっちが手玉の可能性もある、となると
「いらっしゃいませー。あれ、南ちゃんだ。」
「少し相談したいことがありまして。」
来たのは楽園の本店である。ちょうどたくさんのスタッフに囲まれて、いたのはである鈴香。実は会いたいといっていた友人の一人であり、南の同級生であり、これが楽園からこっちに拠点を移してもらった理由でもある。魔王軍に来て、鈴香と再会し、意気投合し七海さんともそのお姉さんと、母親のあのゴージャス親子にも一緒にいてもらう話ができた。後の分はネル様に相談し、彼女の直属である精霊たちと、私の使い魔を渡した。実際あの話を聞くと最強候補ではあるはずなのだが、実際はこうして店員である。
「えっと…ここじゃまずい?」
「はい、ちょっと重要な案件でして…。」
「じゃあ、私が奥に行くから、みんなお願いね。」
「はい!店長!。」
実際楽園ショップはこのリンシュメルトに根を下ろして以来、生鮮市場および、ここでの農業生産物及び畜産の牛乳やバター等実際、元の世界に近い生活がここリンシュメルトでできるようにした。実際彼女も料理が好きで、料理チートを可能としている。今はサブダンジョンとして農業区域をたくさん持つダンジョン楽園という巨大生産地をモンスターであるトレント達やプラントを召喚し、管理させている。文字通りリンシュメルトの胃袋を支えるのがこの楽園である。当然入り口が二つあり、一つはここ、もう一つは坑道を掘り、エルシュウッドに2号店がある。ついでに現在ザガートン王国のある別大陸にも3号店があり、そっちの分も全部食料を生産している。ここでの店長生活も、あの地味っ子だった、鈴香がここまで大きくなるとは南も思わなかった。しばらく店員通用道路を通って、楽園ダンジョンに入る。ここは秘密エリアであり、原則最初のドアから、関係者以外は入れない。破壊してやっとなのだが、それも事実数万単位のステータスが欲しい。
「実はダンマスとして…これを見て欲しいの。」
「んッと…え…魔王バトル?」
「そう、魔王を出さないとまずいんだけど、ドルカスの所に行きたくても…。」
「そういえば大陸の連中は?」
「それが、最近同盟に変更して、ダンジョン経営してもらってる。」
そう勇者を拾い、勇者の従者となった長峰達『大陸統一機構』の3人のダンマスは独立し、現在は亜人同盟の同盟相手として運営してもらっている、レベルは1スタートだが、こちらからDPを渡し、追放した。ついでに現在は長峰が旧モートリア地域の辺境卿として公爵に。モートリアの元国王は小さい地域を任せている。そしてあと2名も海洋地域とか広い地域の支配を行っている。かなり政治的には楽させてもらっていて。勇者たちや異世界人に理解があるため、結構登用してもらっている。
「そうなると私かミーアしかいないけど、戦闘できそうなのはネル様の精霊たちを抱える私たちだけなのよね…。投資して、わざと10を増やす手も使えるけど、それにしてもこの急だと納得してもらえるとは思えない。姉とかはやっぱり反対したいみたい。ミーアが出るのはもっと問題があるし…。」
双頭持ちであり、急成長を持つ使い魔を持つ七海たちは実際リューネの所のリア、およびケイと本来は匹敵する力を持ち、もう頭が11個という強さがある。
「向こうは勇者として、ケイさんを送り込んでくるはず。」
「相手は強すぎない?」
ケイさんについては第二回の映像を見て知っている。ついでに第二回クラウドドラゴン戦は保存禁止となっていたので、持っているのは亜人同盟の関係者のみとなっている。ついでに出品禁止。
「だから、せめていい試合であるために…ついでに時間さえ稼げればルール上負けたほうが有利なのよ、このルール。だからこそ、突く隙間もある。」




