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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
冬スペシャル 12/31+ā
316/1818

9-冬SP8 12/31 山の風景

「今年も一年お疲れさまでした。」

 リューネ達我流の尾根の頂上にある”リューネハウス”で全員を集め、”ドールハウス”で宴会を行っていた。先日行った千鳥万花の新年の集いの話で”代紋屋敷”の話が出て、そのルームを購入、ドールハウス2号として設置した純和風庭園付きの井原建築。豪華な建物と畳が素晴らしく、こたつ付。冬にピッタリの建物だった。

「でも、あの井原って人いい人よね。建物のオーダーメイドで、家具までセットなんて。」

 炬燵の中身は”保温”の魔導器であり、内部にある水を温める事でホットになるという…。炬燵モドキだ。だがそれがまたよかった。極小の魔石で動くため、冒険者にはちょっとしたお小遣いで動く炬燵だ。

「ですね、僕こっちに来て初めてですよ、こたつで鍋なんて。」

「はい、勇者様。」

 ダンマスである以上建物はいつでも変えれるが、早音ちゃん以下リューネさん宅ではもう雪がそこかしこに振り、雪原でもあった。下にはベビードラゴンの住処の洞窟がありその周辺では竜の育成条件の為、動物の放流も始めていた。これも生態系の話をされ、管理を始めたのだ。後これと間伐をベビードラゴンに教えて、樹の大きさを大きくしてドラゴンでもできる家具の建設にしたいところだ。

「こちらになります。」

 コクヨウは指導された通りダークボックスから出すのではなくお盆でわざと運んできた鍋をテーブルの上に置いた。実は料理に関しては・・・リューネさんが苦手んなことがあり、こっちに来てから不便をしていた。が、早稲ちゃんが料理ができるので、コクヨウ共々料理に邁進していた。一応念の為、リューネハウスの入り口の一つを”空気”して、リンシュメルト上空に設置したので、買い物はできる。まあ、ここからパルミダークが近いので、基本はあっち迄飛んで買いに行くのだが。

「いいねえ、鍋。」

 リューネさんの顔もほくほくだ。当然日本の鍋なんてファンタジーにあるわけがなく、醤油、味噌も”エルフ”製だ。だしもパルミダークから魚を狩って来て鰹節をこっちで製作して念願の鍋となった。

「でもお母様?なぜ、これがそんなに。炊き出しスープとの差は?」

「具の多さよね。後器よ。」

「え?」

「この小さい器をみんなでつつくから出る、シンパシー。鍋を食べて国が平和になったという逸話があるのよ、だからうまい、みんなで一緒の鍋をつつけるのってこの距離もあって平和なのよ。」

「そう言えばそうですね。こっちの料理の多くは一人で完結するから。みんなで一個の食べ物とかないですね。」

 キラリがお玉をダークマターで作りスープの一部を自分の器に移して、醤油とかき混ぜる。

「食べていいわよ、…そう言えばネルちゃんが言うには昔はスープを囲んで食べる風習があったらしいのよ。但し都会になると”野菜”が高いから豪勢にできないって言ってクズ野菜誤魔化すために一人一人の器によそうんだって。」

「ネル様ですか?」

「そう言えば、あの方って?」

「あの子は、私は聞いたのよ、身の上を…うん。思いっきり泣いたわ。」

 リューネさんは思いっきりネルと親しかったりするし、ライバルでもあったが、原則は仲がいい。魔王軍女子会でもよくつるむ。

「そうなんですか?」

「まあ、ああいう人だから、きっとみんなが回るのよ。謙虚が大事よ、行き過ぎてもダメだけど。」

「はい!」


「お前ら!ケイブの試運転は終わりだ。」

「はい!」

 ドワーフ地下商店街の一角に声が響く。

「来年一月3日から。開店できるからな!みんなありがとうな!」

「はい!」

 居並ぶダンマスたちを前にドルカスが整列させていく。

「ケイブの企画を聞いた時にはあほかと思ったけど、」

「やればできる!}

「でも、オープニングは?」

「ああ、俺、イツキ、南が最初だ。で、具合を確かめる、どうも最近はトライしがいがある高難易度が受けがいいらしいからな!」

「担当のダンマスは!調整が終わったら、DP出すから。後のみんなは年末セールと後、一年会計のデータを出す様に。後は大宴会会場を今回は借りてある、鋼鉄城2階大広間だ。

「おおー!」

 ケイブ。亜人同盟の主に山岳同盟がきっかけとなり作られた”世界最大ダンジョン”が売りのダンジョンである。ダンジョンマンションを応用した作りで書く亜人同盟会員の”サブダンジョン”をつなげた作りとなっている。オープニングはドルカスの”ボスラッシュ鉱山”、イツキの”蟻穴”、南の”聖女の安息所:撮影現場コレクション”が鎮座することになっている。

「でも報酬はいいんですか?」

「大丈夫だよ、回るって、最悪こっちが払う。」

「確かにこんな報酬なら、僕たちも潜りたいです。」

「潜っていいぞ、生死の保証はできん。」

「えー。」

 内部には一応”手加減改”が張られてあるが、一分である。その為ちゃんと死にうる、が、それに報いるために同盟ルールから”完全ランダム宝箱”を設置。これをすべてのダンジョンの宝箱にすることにした。この宝箱は設定したDP内のこの世界にあるアイテムの中から何かが出る。という言う物だ。何が出るのかは本人さえ知らない。実際はナオのダンジョンアイテムリストを参照するのだが。運がいいと”思い出アイテム”やドルカスたち作成の刀とか出る。テストだと、”工具”も出ていることが確認されていてドルカスたちが、珍しいものを買い取るため、ケイブの出入り口を設定していた。

「危険がないダンジョンの利益率は低いし、…実際手加減される、根性のある物は出ない!」

「確かに。」

「でその分の資金の保証を行うのがうちらだ。階層数?その日の手加減だ!」

 全員から笑いが漏れる、会員数15名のサブダンジョンを一か所に集めたダンジョン。それがケイブである。ついでに最大は南の40フロア、ドルカスの36フロアとなっていてかなり広大なのだ。その為突破が難しく、テストで、配置の調整を行う事になっている、ただし、初回フロアは初心者ダンマスが請け負い、デビューによる売名も狙っている。

「でも蟻穴って…。」

「あの蟻穴本隊だと、接続行を一部繋げたそうだ。蟻が地下にいるイメージなのと、こっちがほぼ職場だからな。」

 イツキたちが説明の棒を叩き、今回のダンジョンシフト表を叩く。

「それ不味くありません?」

「まあ、否定しない。」

 蟻穴はイツキたちの”メイン”ダンジョンだ。土の中にあり、蟻が好き勝手に作った穴をモチーフにしたダンジョンでその広大さと”実体型ダンジョン”で山中に作られているため”蟻穴”外から増援が来る意味で凶悪なダンジョンである。

「月下の連中来ますかね…。」

「分からん。」

 秋の討議大会以来、月下の庭園の様子がおかしい…何かあったのだろうか?

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