9-冬SP2 12月25日の秘密、
30分後、取りあえずセッティングした魔王城会議室に…。僕と南さん、そしてネルと…今回はセバスチャンがいる。南さんの所の第一の僕でありホーリーゴースト部隊の一体で”天使”になっていた。 後教授も書類を抱えてやってきていた。最近の教授はどっちかというと経営者の匂いがするな…。
「ふむ、了解した。でも年末か…。」
教授が書類を見て、添削を行っていた。
「それもですか?」
「まず、野外でのイベントはない、リンシュメルトは寒いからな。で、今回は冬至の次の日に行う。」
「冬至、カボチャ?」
僕も適当にいうが、なんで冬至?
「冬至というのは、キリスト教でも有名な”祭事”だぞ。まあ、騙しのテクニックだな。」
「何それ?」
教授が自分の手元に最近登場したガムシロップをリンゴジュースに垂らしつつ書類をめくる。
「何で新年が冬で12月なのか。という話と密接につながる、」
「は?」
「当時の季節は当然”太陽が一番沈んだ日”だ。ネル君とハーリス君に頼んで、暦の策定を行っている、」
実はマジックフォンを作る上での最大の難関がこれだったらしい。時間の設定がなく、”時計機能”の作成ができず、これがないと他の”マジックフォン”と同期がとれない。通信障害にもなったので、このために2年以上”惑星”の時間測定を行っていた。
「で、当時の言い方だと自分たちが儀式したから”太陽は上った”一年に一回これをみんなでやって神様にお祈りするんだというイベントを行った。これは当時の各宗教派閥の有名イベントで、大手3か所の宗教でやっていた”太陽復活祭”だ。で当然このお祭りが終わって、太陽が上ったのを確認すると、その勝利記念祭を行った。そしてその日を太陽が始まった日すなわち”新年”とした。というものだ。その為、新年のイベントは当時と共にあり、クリスマスもこれにちなんだ”キリスト”の誕生日が何で12月25日かというと日が復活したのを確認できた…即ちキリストが生まれたから太陽が昇っていると思わせるという話があった。まあ、あれだ、誕生日とお年玉が一緒だと一緒に祝えば
費用が半額にできるというそう言う意味もある。」
「へぇ…。」
「ただ準備期間が一か月近くある、それにこの書状だと11月中旬に千鳥万花とやらの新年の集いがあるのだろ?行ってみてはどうだ?いい参考になるぞ。それを見て、こっちがやるイベントを決めればいい。そこから計算すると半月ぐらい後になる、それを亜人同盟各位に伝えれば、納得してもらえるぞ。冬のイベントだからな。」
「分かりました。リンシュメルトはそのタイミングで”聖女生誕祭”を開く準備を行います。」
「でも何やる?」
ネルは、教授から回してもらった添削済みの書類のチェックを行っていた。
「それこそ配給と…。飲み物、食べ物を食べるだけでいいぞ、あったかい食べ物がいい。」
「え?」
「第一、イベントのやりすぎは国費が絡む、それにイベントは定着させるに時間もかかる、徐々に増やす方がいい。リンシュメルトは”勇者が広めた”という言い訳で何とかなるが亜人同盟の名前も絡む、会場は各首都ってなるからある程度の出費は覚悟しないといけない。そう派手過ぎるのは問題がある、」
「じゃあ…。」
「集まって飲み食いするだけでいい。暦が変わり、ギルド主体で暦の発布でいいし、その新年って事で集めればいい。後ハーリス君。」
「分かっています、ナオ、よろしいですか?」
「僕はありがたい。でも暦か…。これも発明品なんだね。」
「ああ、時間がある、ないは意外と重要なんだ。後時間を示す合図やそう言う機械とか、そう言う物もあるといい。そうでないと、作業の効率化が図れない。通称フランス時間になる。」
「なにそれ?」
「大体作業に3時間ずれるとか普通にあるぞって事だ。昔、一日先の友達の貴族に遊びに行くに貴族は”一両日中につく”という話をして3日後についたという話もある。それくらいのルーズさがあるという意味だな。時間を厳守出来れば早くなる作業も時間の徹底がないというだけで遅くなる。」
「時間の概念ですか…そんな重要なんですね。」
「渡したい”地球人の中でも日本人”は時間壊年が強い。それによる工程の高速化もあるんだぞ。」
図らずとも、そう言えば、こういう類で時計の重要性ってあまりないよね。
「とりあえず、こちらから、向かうという話はしておきます、千鳥万花の”新年の集い”に。」




