9-番外編2 東雲刑のぶらり探訪 いじめ勇者来たけど…。
「では、状況を。」
モートリアの首都”モートリア”のギルドマスタールームには、フルプレートを着込んだケイと、男のハイエルフであり、モートリア管轄のギルドマスターのペルーがいた。
「うん。」
「現在こちらから、根こそぎ魔石を買い、カラムから思いっきり値段を釣り上げているのですがそれでも、勇者召喚を止めないようです。モートリアの王は。」
「うん。」
「で、パルミダーク王の自慢であり神との邂逅という話を聞いたモートリアの王が怒り狂いまして。で、借金してでも願い事をかなえると、そう断言したそうです。」
見栄って奴だろうね。
「ただ、勇者たちが近いと、どうも勇者召喚が規定数以下でも失敗するらしく、機能しませんでした。そこでモートリアの王は、魔王討伐と言い張り勇者を各地に放置、そして再召喚を繰り返す手に出ました。」
距離を離すだけでいいならこうるけど、ここまでして呼ばれるときつい、ただ私が知っている限りでは裏で何とでもなるようにセッティングされている、パルミダークに攻めるにはハイエルフが守る
エルシュウッドを抜けねばならず、シーアたち狂王の試練場の魔物部隊も控えている。また、エクトネーゼは現在サブダンジョンをリーメ君がいくつか設計して、配置済みで初心者ダンジョンも制作し
てある、その上、傭兵としてゴブリン村の村民傭兵部隊が周辺警護に回っている。だからモートリアが勇者を大量召喚した程度では揺るがない。が、従者システムを使っても。そこまで差がないと思わ
れる。最悪はリューネが出てきて、コクヨウで焼き払う宣言が、エクトネーゼ王に伝えられている。
「で、現在依頼として、勇者に勝てる指導員が欲しいとの声があります。…勝てないはずだから召喚されているのに、勝てる奴寄こせとか言われると、辛くて。」
「無茶よね。」
「で、この依頼がもう半年くらい、数回銀級冒険者送ったのですが、勇者に実力不足で虐殺されるという展開もありまして。もう、管内で受けてもらえる方がいません。」
「どうやってやるのよ?確か神様が言うには従者もいるはずよね?」
「はい、ですがそれのペースを上回り召喚されるので、誰が度の従者として召喚されたのか、当人たちも知らないうえに私もわかりません。そして、勇者たちが…いやこれは必要だからお伝えします。」
ペルーの顔が暗い。
「どうも勇者が腕試しとか称して、銀級冒険者の師範が来ると、魔法とかで殺すらしいのです。そして、事故だったと言い張っているそうです。それを王は容認どころか推奨しているらしく、しばらく
訓練後にその冒険者をいたぶり殺して、そこからダンジョンに派遣するらしいのです。その為、従者予定の人間が、来た途端に勇者に殺されている可能性が高いです。」
「最悪。」
「で、ダンジョンを見つけさせ、そしてそこに勇者を送り込んで魔石回収のループをさせているようです。」
「そんな事になってるの?」
「この辺では勇者と言えば、盗賊より質が悪いと有名ですよ。酒は只で飲むわ。まずいと言って店を破壊することも多いです、ここでやった場合はネル様が来て、その勇者をぼこぼこにしてくれたため
ここではないのですが、そうでない普通の飲食店はもう、このモートリアにはありません。後市場も他の町に移ってしまいました。」
市場が全滅しているレベルだともう、この町には人がいない又は、王級関係者以外誰もいないことになる。よくアニメとかだと酒場は騒動があっても復旧することが書かれているかもしれないが復旧
するくらいなら他の町に言って他の建物借りたほうが安いため、大抵その店は無くなる。そんな店を吹き飛ばす魔法とか連打していれば、どんな店も被害を恐れ、避難するようになるのは必然だ。
「それでも勇者を咎めないの?」
「勇者という武力のほうが大事らしく、最近は重税を他の町に課すようになったとか…。」
市場がないという事はこの町に食料が、自前調達できないことを意味する。一応モートリアの王はギルドカードを持つため、金さえ払えば食料を出せるだろうが、その金額は極めて高額だ。それでも構わないのか…。
「そこまで来ると吐き気するわね。」
「この帳消しに魔王討伐の願い事を使う気でいるようです。その為、ギルドは大っぴらに反対できないんですよ、魔王討伐は勇者昇天させる必須の作戦ですから。」
実際戦勝国同盟においては、どぢらかの軍隊が国境を侵犯しない限り不戦条約に基づき、不干渉を貫くこととなっている。依頼がある場合は別だが、それ以外は口をお互い出さないことになっている。これは依頼であり、国境としてはエルシュウッドであるギルドはその外で殺されようが文句を言う事ができないのだ。
「じゃあ、私がやるのは?」
「はい、勇者の教育役として、潜り込んでもらい、勇者の暴走を抑えてください。後貴方が死なないように、こちら、一応金級の偽装カードとなります、あなた様に頼るのはつらいですが…。」
「分かってる、行ってくる。」
見送るペルーの顔は、申し訳なさ位でいっぱいだった
「…ギルドから来た…。」
「何者だ。」
「…これ。」
私はすっとギルドカードを見せる。やっぱり人付き合い苦手だよー。一応名前がばれると問題があるので”鎧騎士”と書かれたカードになってる、ついでに偽装側で編集可能だ。
「だから何だ!」
「…依頼だ。」
声は、今は気分が悪く毛動けないエレノアに頼んで、男性の分裂体を作ってもらい、それを変身で練習して変身可能にして、その声を借りている。この鎧に女の声だとまずばれる。いや、悪目立ちする。悪目立ち、いくない。
「…何の依頼だ?」
「…教官。」
「テストしてやる。付いて来い、ちょうど勇者が練習中だ。」
兵士に言われ、付いてい来ると、派手な鎧とか、…ジャージの子もいるな。
「オラオラ!」
一人の不良っぽい男が、苦労性っぽい鎧の男を、棍棒でぶん殴っている。
「やれやれー!」
周りの…学生っぽい連中がはやし立てる中、不良が腕力とスピードだけで鎧の…大方兵士長だろうな…。そいつを追い詰めていく。
「雑魚だな、やっぱり、おらよ!」
その掛け声で兵士長(仮)がこっちに弾き飛ばされてくる。
「お、今日の生贄か?」
「ひゃっひゃひゃ、いやマジでこんな鎧来た馬鹿いるのかよ!」
お前みたいな馬鹿より私の方がよっぽど…いや、挑発だな。
「俺は何といってもレベルが9もあるんだぜ。分かるか、雑魚、お前、何者か知らねえがその鎧置いて、死ね。」
…もはや帰れとかもないのか。仕方ない。
「…私は自衛って事でいいな?」
「ああ?そんな事、死ぬんだろうが!」
そう言うと、棍棒を…そのまま構えるまでもなく…溜め攻撃で受け止め…勢いのなくなった棍棒が鎧に当たる。剣を抜いてもいいけど、潜入の意味がなくなってしまう。拳を当てるふりをしてそのまま腹に手を差し込み、溜め攻撃を解放。相手の火力そのまま、みぞおちに叩き込んだ。この腕力でぶん殴れば最後、この勇者を殺しかねない。、
「何!」
その不良が、そのまま膝から崩れ落ちる。
「おい、大丈夫か!」
周りのジャージ来た人間たちがその不良を取り囲む。
「勇者様!」
兵士たちも勇者と呼ばれた男を囲む。こいつが勇者か。世も末だね。
「貴様、勇者になんて事を!」
奥から岸良氏気鎧を着た連中がやってくる。
「…私はギルドから来た。…まだ話も聞いていないが襲われた。…自衛だ。」
「関係ない、勇者を傷つけるなんて!やってしまえ!」
騎士たちが全員抜刀をする。いやちょっと待ってよ、襲われたの私よ?仕方ない、見せかけの奴抜くか…。
「…静まれ、…死にたいか?」
私は手のひらからダークボックスを展開。持っていた剣を取り出す。この鎧どうも2mくらいあるので、その身長と腕力に合わせてネルに頼んで木のソードを作ってもらったのだ。但し、切れるには
切れるが、重さで殴る方がメインの奴である。
「な!」
全員の顔が青ざめる。その剣の全長は、ちょうどいい大きさって事で、私の身長位だ。ほどほどの重さだからほどほどの長さなんだけど…。
「…。」
一応、機能軽く練習した分で構えだけしっかりしてみた。やっぱり手加減覚えるべく、今度から格闘覚えるかな…。
「侵入者め!」
「…。」
「待て!」
奥から、偉そうな派手な服を着たおじさんが来た。
「ギルドの者だろ?また頼んでおいたのだ。勇者の教官役の人間をな。で、お前か?」
「…ああ。」
やっと話の分かる人来た。
「とりあえず、腕を見たい、勇者と戦ってみてくれ。」
「…倒れてるそいつとか?」
「…ああ…ちょっと待ってくれ。」
よろよろと、二人係りで肩を持たれ、勇者は立ち上がると私を睨みつけ、指差した。
「てめえ!勇者に逆らいやがって!お前ら!やれ!」
これはもうだめだね…。
「…もう一度やるのか?」
「そこの騎士ども、やれ!俺は勇者だ!王も言っていただろ!勇者に逆らう奴は死ね!だからこいつを殺せ!」
「ギルドは…。」
偉い服のおっさんが躊躇する、こっちは魔石を頼みこまれて売っている側だぞ。
「関係ねえ!」
「…警告する。私は襲われれば自衛する。いいな?」
これは仕方ない。けどこんな奴、野盗よりひどいな…。剣を大降りに振って剣を構える。流石の空気に全員が動けなくなっていた。ただ、勇者と周りだけが騒ぎ立て。やれと言い張っている。屑にもほどがあるだろ…。ラノベで言う腐った貴族や腐った王族よりひどいぞ。
「さっさとやれや!」
勇者はよろよろと立ち上がると周囲を無視して、木の剣でこっちを指す。
「…強いならお前らがやれ。弱いなら黙ってろ。」
「ふざけるな、もう手加減しねえ!」
そう言うと勇者が両手を構える。
「パニッシュメントレイ!」
…だが、魔法は発動しなかった。正確には発動しているんだけど、私が溜めた。
「・・・何?」
今までは発動できていたんだろうが。今回は何もなかった。出した直後に溜めたからだ。食らうと抵抗で少しは喰らうだろうが、それも嫌だ。
「パニッシュメントレイ!パニッシュメントレイ!パニッシュメントレイィ!」
勇者が手を何回も付きだすが…何も反応がない。これには…周りの空気の冷え方が尋常でないほど…恐怖を見る感じになってきたついでにその都度編集して、隙間を開けています。
「お前は何者だ?」
そう言えば、名乗ったことないな、カードには一応偽名が載せてある、仇名って奴。
「・・・。」
無言でカードを突き出す。そこには”鎧騎士”の文字がある。
「私が相手する、お前たち、引け。後勇者殿はきっと疲れているのだ。今日は訓練を終わり…。休んでくだされ。」
「こいつを殺せ!命令だ!」
「勇者殿、ギルドはわが王家の大事な取引相手です、資金提供してくれているのですぞ?」
お偉いさんが慌てて止めてくれる、騎士団もそっちに追従する形になったようだ。勇者がなぜか弱い。そう思ったのだろう。
「大臣さんよぉ?勇者が偉いんじゃねえのかよ!」
「限度があります。王に言いますぞ?」
「う…ぐ…追い出されるとまずいか…帰るぞ、お前ら!」
「へい!」
「あいよー。」
勇者と3人の取り巻き達はそのまま…訓練場を去った。よかった、武器を振らなくていい。ダークボックスの中に剣を収める。
「ギルドの方。すまないな。勇者が粗相をした。」
「…依頼を聞こう。」




