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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
秋スペシャル 勇者カップ
286/1812

9-秋SP16 秋祭り2日目 ザガートンブロック決勝戦

 二日目は流石に僕たちもオークションも無いので、このザガートンの祭りにメインイベントザガートン国の代表を決める決勝ラウンドの見学に来ていた。と言っても席は取れなかった。この祭りにおいて、各商人たちが己の私兵長を出して、競わせたので、その応援でチケットが爆発的に高騰。また、一説には有名ダンマス同盟がいくつもチケットを買いあさり転売が、開催の直前まで行われたという。というのも今回声明で”魔王国””月下””亜人”の武闘派を大会に出すと宣言したために、直に見たいダンマスが買いあさったのだ。が、亜人側からは…かなり多い出場者となる。パルミダーク代表のキラリ、エクトネーゼ代表のキー(鬼ちゃん)、が有名で、あとは勇者ギルフォード、ケイ、あとハイエルフから戦闘トップのファンダンである。なので、ある意味ダンマスSNSでは中継されないものの。その興奮の度合いが分かる。なので当然僕たちは買えなかった。ついでに最後の決勝戦はS級の審判が付くがそれまでは、ない。今回の審判はネルの役割だ。というより国王が審判の立会人か…。

「これで十分だけど寂しいわね。」

「いいじゃん、これ。」

「なのです。こっちの方が人が少なくていいです。マスター。もう少し寄っていいですか?」

 僕たちは入ることも出来ないし、興奮を聞きつけた首都はもう、人が多すぎて、混雑が激しくクラウドドラゴン戦勝パレードはそれこそ建物に人が張り付き、その中で戦闘した勇者がクラウドドラゴンの形をした神輿に乗りパレードした。これが狙いで、山岳同盟のドルカスさんはドラゴン討伐を行ったのだ。で、そんな人ごみに行けば貧弱な僕は死にかねない。それこそ人混みに揉まれて。なので、ハーリスの監視カメラを使い、一番いい位置にセット、ダンジョン監視機能を使い、パブリックビューイングみたいに浮遊島にモニターを設置して酒場で見ていた。ついでに便乗で、長峰君たちも見ていた。意外と暇な人多いのねぇ…。

「でもこういうのも熱いわね。プロの一戦もいいけど、顔で応援する人決めて結果予想するとか…。」

「でもすごいね。こっちはレベルが…微妙。」

 すごい剣はうまいのだが、このルールはそれこそ、寸止め発動させたら勝ちというだけの”何でもあり”だ。これは、開始宣言にザガートン王が。

「モンスターと戦う事が多いのに、そのモンスターに卑怯というのか?ここの戦術に対策を立て、戦うからこそ、これは強者だ!」

 と宣言したため、何でもありとなった。その分止めるのが大変で。寸止めに加え”寸止め・改(寸止め発動時、一分間相手は一分間ダンジョンオブジェ化)”という、どう見ても、このための

ルールを僕のおごりで購入。無駄に出費した。みんななんで相手を殺そうとするかな…。

「でもすごいわね。剣の腕は。」

 そう、こっちの下馬評だと、不意打ちとかサモナーと言い張るダンマスが来るかと思ったら。剣がメインだった。

「そろそろ決勝か・・・。」

「大滝とヴァンドレイだっけ?流石に…どっちだろうね?」

「ここまで来て勇者と魔王とか…。」

 長峰君が苦笑いするのもわかる。こういう言い方すると、こっちの本物魔王軍は苦笑いしてしまう。

「こっちを拠点に据える勇者も多いみたいね、ちょっとずらすと。」

 その言葉に映像を大滝側に移すと。後ろで数人の女性が熱心に応援していた。


「君は…。」

「一応、ここだと人類扱いだろうが…クカカカ。」

 目の前の人間は人間ではない。黒い肌に銀色の輝く髪、そして赤い目”魔人”という奴である。体は大きく…獰猛な犬にも見える。ギルド協定により、亜人種は人間扱いとなっており、その中に

ヴァンパイアと妖精、そしてこの魔族が入っている。大滝も理解はしていたが。実際に目の前で見ると怒りを覚える。大滝は一応弱いとはいえ勇者である。剣一本で来た”電撃”の勇者だ。この世界

で稀である魔法属性”雷”を使う勇者だ。が、戦闘スタイルは全くの不利だ。

「用意!始め1」

 大滝が剣を構えるが、その時にはもう、ヴァンドレイは足元の懐に入り。両手を構えていた。

「死ね。」

 その両手を無理やりみぞおちに叩き込む。のけぞる大滝をさらに足を構え直治皿に全力で腹をブチ殴る。

「流石キングの作戦だ、勇者は魔法を発声しないといけないから、腹や喉を狙えば勝てる。雑魚が…。」 

 そのまま吹き飛ばされ、よろよろと起き上がる勇者を見つめているヴァンドレイは油断していない。そのまま全力でもう一撃を加える…。

「勝負あり!勝者、ヴァンドレイ!」

 掛け声を聞くと、ぎりぎり踏みとどまった。…攻撃しても無駄な事は前の戦いで分かったから、ぎりぎり踏みとどまった。

「勇者様。」

「だ、大丈夫だ。」

 会場に飛び降り、従者に支えられて出ていく勇者を睨みつける。

「雑魚が。」

 そうつぶやくと、ヴァンドレイは控室に戻っていく。

「良く勝った。ヴァンドレイ。」

「キング。この程度で喜んでいては…。」

 ヴァンドレイが頭を下げるのは二人の主だった。一人は黒い肌ではあるが、黒いスーツを着てそれでいて金色のネクタイをする、威圧感の強い男性で、もう一人はそれを感じさせない白い肌に金髪

青目の少女だった。

「この方は?」

「ああ、わが僕にして、最強の男、ヴァンパイアのヴァンドレイだ。わが王家を支える最強の鉄砲玉だ。いや失礼かもしれん、鉄砲玉は死んで蘇ることはない。こいつは蘇る。その分信頼に値する。」

「あの程度の手合いは雑魚です。まだスキュラの化け物やアント共のほうが…。」

「分かっている。あいつらも見ているはずだ。月下の馬鹿どももな。」

「月下…ですか?できれば私に教えてください。」

「ああ、美玖よ。忘れていたな、今は私は当時よりもえぐい連中と戦っているんだ。スキュラとか言うバカ、そして月下とか言うウザい連中。そして、人間が最強とか言う愚か者、亜人共。」

 黒い肌の男は娘の金髪少女の頭をなでる。

「お父様。お止めください。私は人間ですよ。」

「分かっているが…すまない。お前は。人間だったな。我らが覇道を邪魔する馬鹿どもだ。が連中から学ぶべき点も多い。亜人の連中は規模が大きい。そして…勇者がやられたにもかかわらず会場の動揺がない。という事はあいつは強くないって事だ。そうなるとまだ上がいる事になる。まだ調査しなくてはならない、あの亜人共は言うならば国家という巨大な存在だからな。」

「なら、あえて従う手も…。」

「だとして、あんな人道主義なぞ…。どうしようもないクズも…いや、ああいう奴らこそ弱者さえ切り捨てる。だからこそ我々がいる、」

「…お父様。」

「分かっている、美玖すまない。が、お前はどう感じた?あの勇者は。」

「月下ほどの威圧感はありませんでした。が、あれは団体戦ならきっと魔法を撃ってくるでしょう。月下と同じ団体戦で輝くタイプかと。だからこそ切り離せば…。」

「分かった。後密偵の方は置いておくが…お前はこのまま…ゴブリンのトップと噂されるあのキーに勝ってこい。あのレーザー勇者は負けてもいい。むしろあれに勝つとゴブリンどもが騒ぐかもしれん。」

「キング、騒がせえておけばいいのでは?」

「私たちはまだ、3階層を抜いたことが無い。あいつらのトップを見たこともないのに、挑発すれば、こっちに復讐で100倍バトルが来る。それは避けたい、あのミカとか言う特攻隊長を攻略できるまでは様子見だ。」

「分かりました。まだ不甲斐なく…。」

「分かっている。すまない。俺ももう少しやれればいいが・・。」

「そんなきついんですか?ゴブリン村は…。」

「連中は強い。それこそ鬼のようだ。連中の実践は傭兵部隊を思い出すくらいだ。それくらいの場慣れがある。だからこそ。俺達は天下を取るには勝たないといけない…そして俺達がダンジョン界で

一番強いと証明しないとな。」

「お父様。」

「流石主。でも…。」

「分かっている、情報によると奴らはこの辺を根城に活躍しているらしい、まずは情報だ。情報が欲しい。それにあのガルージに勝ったキーという男も目を離すなよ!」

「は!」

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