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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
秋スペシャル 勇者カップ
281/1813

9-秋SP10 東雲恵の魔界探訪 秋祭りシーア篇 勇者見学祭り

「エルシュウッドの件は仕方ないが…確かに南でもめったに入国したことが無いのだな?その辺の自由が聞くなら、我が国の対応も考えなくてはならいのか?」

「いえ…。まずはこちら…。」

 独り言が多い、ザガートン王たち一行は各自、護衛を付けたうえで商人たちがリンシュメルトに出て、各自散策する中、ザガートン王とシーアと護衛の騎士たちがリンシュメルトのギルド内部の訓練場に来ていた。勇者たちの攻撃に耐えれる防壁を持つこの、特殊訓練場の…名義上のギルドマスターは春宮柳葉となっていた。一応春宮一家の中で唯一の武術経験者で森魔法も得意というとても優秀な…というよりも妹は半分南に乞われ、官僚の真似事で会計をしている鈴香。そして商店の切り盛りをしている七海と独自の商売網を引く綾香母さんの間において、暇なのは彼女である。必然と名誉職を押し付けられた。実際”不死であり”属性魔法が得意で、たとえ殺されても”首”が死ぬだけなので復活が容易な彼女は、最近ダンマスとカミングアウトしたばっかりである。

「ようこそ。」 

 深くお辞儀してザガートン王を出迎えると恭しく一礼する。

「感謝する。いいな、その例という奴は、王宮ではやらせるか…。考え直さないといけないな。」

 と言っている間にも現在祭りの最中であり、建国祭の真っ最中であった。商人たちはその間に勇者ので店や、このリンシュメルトの施設とかの視察を行っている。

「ここは安全なのかね?」

「最悪は私が実を盾にして守ります。ご安心を。」

「はいー。大体勇者の攻撃は貫通したことないですしー。」、

 ついでにシャラとか、キラリとかの秘蔵の勇者だと貫通してしまうので、ここでの訓練はさせていないので、嘘は言っていない。

「そうなると彼らが?」

「はい―。勇者たちですー。従者の中でも腕自慢とかも参加してます―。」

 このギルドの予選会においてにおいて、冒険者たちが避け、激戦区となったのがこのリンシュメルトの代表枠である。エクトネーゼは早々にクラムブラッドという大型傭兵団が宣言を行い一枠がつぶれ、パルミダークはキラリの出場が叫ばれ、キラリに挑む者たちという強者に挑む物しか行かなかった。じゃあ、その環境で勇者たちはどこで勝つしかないのか…。ここ、リンシュメルトかモートリアであろうということは確実である。ついでにザガートン国は予選会に行くには当然”ゲート移転サービス”を受けねばならず、向こうに行ったら半年は資金難で帰ってこれないと言われている。当然国の代表として行けばいつでも帰れそうである。ついでにザガートンでの”戦勝祭”はその3日だけゲートが無料開放される事が言われているが、そんな駆け込みの予選会に強敵がいない保証はない。ので、冒険者たちはモートリア、そして移動もしたくない勇者たちが必然とこのリンシュメルトの予選会に集っていた。

「こちらに…。」

 それなりに豪勢な絨毯の下、隠し基ありそうな椅子に座り、ザガートン王は着席して、戦闘を見守る。

「この戦闘は?」

「はい、準決勝第2試合の疾風のサラディンと、黄金のギルフォードの戦闘ですね。」

「その”疾風”とか黄金とか言うのは?」

「自称です、最近、ギルド通信で二つ名を付けるのが流行りでして。それで、一応本名とは別に二つ名付きで、ギルドカードの姓名欄を書き換えたそうなので、その名前でお呼びしてます―。」

「ふと思った。あんなにパレードも派手だったのだが?この戦闘も派手だな。あれがリンシュメルト流か?」

 シーアは言葉に詰まってしまった。一応リンシュメルトの祭りのパレードは南垣隠し光魔法の”幻覚”を使い、派手に演出した”南の趣味丸出し”である。なので、あれをリンシュメルト流というには、抵抗があった。どっちかというと、地味な方が色合いを選ぶのはシーアは騎士団にいて分かっていたからだ。が、さらにこの戦闘は冒険者になった勇者の中でも特に派手に魔法を使う風魔法が得意な勇者”疾風”と光系の多用で知られ、クラウドドラゴン戦以降ほぼ、後光支援を欠かさなくなったネオン勇者”黄金”だからだ。あまりに光っぷりに混雑時に来ると蹴って追い出されるほど光るのだ。ついでに目に痛い。ギルド内に聖域張り直してでも後光禁止という話が出るレベルの光かたをする特徴ある戦闘系勇者なのだ。

「…いえ、殻らだけだと思いますが、光魔法は全て光りますので、そう印象持たれても不思議ではありません。」

 これが実際の光魔法の欠点の一つで、何やっても目立つのだ。なので、潜入には決して向かない。逆に闇魔法は何やっても目立たないので、囮になることができない。さらに風魔法は色がそこまでついていないので視認しにくいというという特徴があり、光魔法の防壁や土魔法で最初から防壁を展開していないと戦闘しにくいという特徴がある。ので、目立っているのはあの黄金のギルフォード(自称)だけだ。

「という事はあっちのポーズとってダンスしてるだけに見えるあっちも、戦闘しているのだな?」

「はい、あれは風魔法”風の矢”ですね。魔法の中で一二を争う視認しにくさを誇りますが、風圧で位置が分かるので、防御は可能です。」

「軍用にするには向かんのか?」少し運用を考え直さないと。」

「あ、終わったようです―。」

 勝負はしばらくギルフォードがバリアで風の矢を受け止めつつ徐々に範囲を狭め、追い詰めた後にパニッシュメントレイをこれでもかと打ち込み、終了した。流石に勇者らしい戦闘だった。

「俺達が!俺達が勇者だ!」

「「おおー!」」

 ギルフォードの掛け声に全員が腕を突き上げ、答えると…それを見ていたシーアも、ザガートン王も呆れていた。

「あれは?」

「はい、あれは彼が偉業としてスタンピードの防衛をした際にした掛け声で、何か事があるとあの掛け声をするんですー。意外とピカピカする以外は、基本善人ですので、人気あるんですよあの勇者ー。」

「あれで人気あるのか…おおッと、素が出てしまった、驚き過ぎるのも考え物だな。」

「私も初めてですので、同じように呆れました。ご安心を。」

「終わって、30分のインターバルを置いて、決勝ですね。こちら、楽園開発の新商品、ピタパンでございます。出てかぶりつくのが作法なのでー。そのまま掴んで食べていただければいいですー。」

「毒見を…。」

 騎士団の一人が出てくるのを手で押さえる。そして、出された食べ物はギルド特製トレントライクアップルジュースと肉を味付きで焼いて、野菜と梱包して薄いパンで包んだピタパンだった。

「ここで、毒殺を疑っては、今後の未来に禍根を残すと思う、だから頂くぞ。」

「どうでしょうかー。」

「うむ、肉が旨いな…この肉はこの地方のものか?」

「はい、パークボアのコブ肉です。脂肪が強く、独特の甘みがあるので、火を入れれば旨味が出ます。それをエルフ醤油をベースにしたタレに漬け込み、それを挟んだものです。今季一押しの

メニューです。」

「野菜も…この葉はなんだ?味がするにはするが…。」

「それはこのあたりで育成されている”ウィーブル”という、葉野菜です。」

 ウィーブルはこの地方で取れる白菜とレタスの合いの子で、緑が強く、それでいて少し根元は硬く葉は撓りやすい。それでいて、馬意味が強いが、この野菜…本来はパークボアの寄せ餌として、育てられていたが、勇者が発見、そのまま食べれる調理法が出て、一躍人気となった野菜だ。レタスと白菜の良い所取りというこの野菜の発見に、この地に移り住んだ料理系勇者や異世界人の料理開発は進み、このお祭りにおいて、ほぼすべて市場にあるウィーブルを使いつくす勢いで消費されており、楽園も市場混乱を防ぐべくウィーブルのウォーキングプラントの生成に踏み切るほどだった。

「ふむ、これを入れると味はどう変わる?」

「味は薄いんですけど。これがあると肉の臭みが消えるので、さっぱりと多くお肉が食べられる、という効果ですー。」

「流石勇者だな…。」

 シーアもこの食事関連には感心してしまう。ナオが料理は得意でないだけにこの分野での発展のために勇者が行かされていると言っても過言ではないと、”狂王の試練場”をやっていた頃にサブマスターのヨミに言われ、よく食べ歩きに招待してもらっていた。そんな事を思い出していた。

「これはうまいな、これはザガートン国ので祭りに期待できるな、収益見込みを考え直さないといけないな…。」

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