9-19 教授の章 再会
「王妃は・・。」
「まだ私を母とは認めてもらえないのですね…。」
「モンスターなのでしょう?」
「青年、一つ言っておく。モンスターが元だろうが”人”だ。これはこの世界の神も認めている。」
「「へ?」」
そればかりは、同好会の連中も、王子も一緒に驚いていた。
「モンスターでも勇者でも等しく『人』であり『住人』。」
「勇者…。」
同好会のメンバーの顔がお少し、しこりが取れたような顔となっている。
「私はこの言葉がないなら、神をもう殺していたであろう…私もこの意見は賛成だ。結局、争いは己の意思でしかない。君は、この女がモンスターで不利益はあったかね?」
「いえ、モンスターなら倒さなくてはならない、そう教わっていました。だから、父が狂っていくのを見て…怖いと…。」
「そうかもしれない…けど私は王様を…優しくしてくれた王様を愛していた。」
「では、魔王軍伝統だな…。」
「そう、青年、君は、人類の敵になる覚悟はあるか?」
ネルが青年の前に立つ。
「え?」
「その女の正体を知りたくないか?」
「勇者殿?何を言っているので?」
徳永が怪しそうに…にやける私とネルを見つめていた。
「儀式だよ。さて、少しだけ私の称号を見せておこう、鑑定してみるといい。」
私はスマホをいじりいくつかの偽装を解く。、
「へ・・・え・・・ええ?」
「何だ、このでたらめな称号はよ!」
「えっと…。」
二人は泡を食ったような顔をしていた。特にヨミのはひどいからな…。
「どうする?」
「…人類の敵になる…。」
「このままザガンとも別れ、王子派の居城に転がり込めば、普通の人生が送れるであろう。普通の人間としての生だ。それか、深淵を見て、真実の道を走るかだ。」
「勇者!」
流石の徳永も私に武器を構える。
「何だね?」
「あの子にそんな事!」
「だからだよ。私も問われた。人類の敵になる覚悟はあるか?人類至上主義が出てくれば、私も抹殺対象だ。そして、青年、ここでなる覚悟があるという事は王妃とその竜に慣れ合えば、味方となる勢力に殺される可能性がある。だから聞こう。人類の敵になる覚悟はあるか?ついでにためらう方が本当だと思うがね。」
「なっても構わない!だから教えて!真実を!」
「王妃が、ずっと王に恋い焦がれていた話からする。」
「ネル様!」
「え?」
「普通の恋愛結婚と聞いている。だから実はそこがポイントじゃない。まず…ザガンとか言うへっぽこドラゴン。」
「はひ?」
「ヨミが行く?」
「ああ、教授、すまないな。向こうについて場所確認してくる。後でダンジョンバトルさせてくる。場所は、おい!そこのエルフ!」
「秦野だ!”ダークプリズン”だ。」
「ああ、そいつにあたしがダンジョンバトルさせる、会場開けとけよ。」
そう言うとザガンにヨミが…憑依した。
「えっとあの方は?」
「実力なら私より上。魔王の一人…ヨミ。で、そこのアランとか言う王子はこっち来る。ダンジョンの準備が出来るまで、ギルドで登録しながら話する。」




