9-13 シーアさんとお姉ちゃんと。
「今が大方マギウスアーマーになってる。それは実は”双頭”が付いているんだ。」
「あ!」
南は思い出していた。そうだ双頭の機能がある、しかもケイさんには装着がある。リビングアーマーという名の方の機能だ。リューネさんに渡して、そういえば…なんで
あんなにリューネさんやリアにすんなり渡したんだって思ってた。違う、もうこれはナオにとっては用意済みの内容だったのだ。
「えっともしかして、それでどっかの魂使うとか?」
「いや、ここでシーアの出番が来る。」
「ふぁ?」
流石にシーアも意外だった。らしい。
「そう、目的は”シーアが融合で、お姉ちゃん優先で融合をかける”これでマギウスの真の姿が完成する。この時予想通りなら、UR規定は突破できる。」
「そうか、取り込んだ先はジャッジされないから先がURでないなら問題なく…。」
そう、これは元々ユーちゃんが出歩けないのを何とかしたいと思って開発を進めていた計画だった。そこでお姉ちゃんの話が出たので、それも併せて何とかできないかと思ったのがこれだった。融合して、その一部なら、もしかして…または一体のまま10体はストックできるのでは?と思ったのだ。そして、魂のほうは本来選べない。それはミーアで証明されていた。なので、融合がないと次の工程に進めないのだが、それをシーアが融合することでそれを選んで吸収することで完成するのだ。
「ただ、いやならやめ「やらせてください。」」
「いいの?」
食い気味にうなづくシーアに流石に僕は戸惑った。
「自分は今まで、このダンジョンにいて…役に立てないとずっと思ってました。ですけど、ケイは違いました。私を認めてくれたのです、ナオも認めてくれています。
分かっています。が!私に世界に羽ばたくチャンスをください。」
「ならお願いする。今の状態で融合すれば、頭の設定ができる。それで保存ができる。」
「ケイ。」
「シーア?どうしたの?」
「大方、最初で最後だ。私の願いをかなえて欲しい。そしてそのまま、君にすべてをあげる。」
そう言うと、シーアはケイを抱きしめるとそのまま一気に唇を奪った。あざができそうなほど強く抱きしめると…そのまま…。
「ん!」
そしてそのまま、シーアは光となって消えた…。
そしてしばらくするとお姉ちゃんが手をグ~ーパーして、具合の確認を始める。
「なんかすっごい違和感、腕がぐいーんと伸びたり、すっごいパワフルな感じ…。で…。」
そう言うとお姉ちゃんの鎧のパーツの一部が外れて…シーアの人間での姿に変わった。
「えっと、ケイ?すっごい私変わった気がするのだが?」
「うん、凄いユニゾンって感じ、両方理解できる。」
「成功?」
「経過によるけど成功みたい。分離してるときは感覚が欲しい時だけ往復できて、後は遮断できる感じ。本体はこっちみたいで、どうも…。」
「身体魔境の機能のコアがどうも、分体と本体どちらか実体であればいいってなってる。おかげさまで、こっちが霧になっても問題がない…。」
「たださ、意外とシーアって乙女だったのね。」
「それは!」
「だって、ミーアに聞いていたんでしょ?もし融合するとそいつとキスできなくなるから、やってみたかっただなんて…。」
「いや、ケイも…いや、やめよう、今は私の事でもある。」
「そうだね。二人といういい方も疑問が出るね、これ…。」
二人の仲はいい感じらしい…。ステータスを確認するが、お互いの称号が足されている、URはない、成功みたいだ。
「これを見る感じUR指定は消えてる。どうする?このまま一気にやる?」
「ユーちゃんの意見を聞いて…私たちはいい。何とかするよ。」
「さみしいのは嫌なの。いい?」
「今日から私たちの妹でいい?」
「うん、お姉ちゃん。」
そして、3人は抱き合い…再度光って…。…お姉ちゃん一人になった。
「大丈夫?」
「うん。思いっきり感覚が狂ってるから、後で、ダンジョンの一角貸してくれると嬉しい…。凄い…。」
お姉ちゃんがしゃべってる間にわきに二人が現れる…雰囲気がちょっと違う。
「お姉ちゃんたち、凄い経験値多いの。」
「という事は私だ次女でいいんだよな。」
「名前はナオ君の定義に引っかかるの私だけみたいだから、ユーちゃんは今度から優でいい?」
「え?」
「東雲優。優しいユーちゃんだから、呼び方はほぼ変わらないけど。本当の妹みたいに…一緒にいよ?」
お姉ちゃんが優をなでなでする。ぐ、いいシーンだ。
「嬉しいの、ありがとう。」
「私もなでなで…。」
「…シーアちゃんは普通に私より背が高いよ。」




