9-12 進化するお姉ちゃん
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だと思う。圧殺でも最悪何とかするよ、きっと、」
僕たちがじっと待っていると…いや結構すぐにお姉ちゃんが戻ってきた。
「それは無理。肉壁は耐えれないかも…。」
「もう終わったの?」
入口を見ると泣いているユーちゃんの姿があった。南さんも流石にこれはジト目だった。
「これは?」
「うん、試練だ―って出したやつ全部倒した。大方放置するとこっちが死ぬものばかりだった。怖くてね…。」
「本当なの?」
「そうよ、だから、チョイスが悪いわけじゃないよ。」
「お姉ちゃんの悪い癖だ…きっと…。」
「何が?」
「お姉ちゃん見た目より合理主義で、手間を嫌うんだよ。だから…相手の感情無視して動くときある。めんどくさーい。うりゃ―って奴。」
それにはさすがに南もケイをジト目で見る。
「いやいや、お姉ちゃん試練とか言われて頑張ったんだよ。本当だよ」
「例えば瞬殺とかしなかった?出オチぐらいの。」
「ぎく。」
やからしたな、これ。そりゃあ、ユーちゃん泣くわ。試練します、瞬殺されました、って奴だ。
「で、でも認めてくれるよね?」
「ケイお姉ちゃん怖い。ダンジョンの床もぶち抜く。しかも何枚もぶち抜く。痛い…。」
元に戻ったユーの顔には涙が浮かんでいた。
「不壊設定入っているなら…。」
南場不思議そうにするが、ハーリスは当然という顔だった。
「ああ、不壊設定は実は一定ダメージ以上で壊れます。防ぎ過ぎると、ダンジョンが構築できなくなるまで硬くしないといけないので、一定値越えると壊れて、スルーしてすぐ
復活するようになってます。が一億程度では沈まないのでよっぽどですね…。」
「魔王軍恐るべし…。いや、ケイさん料理するより勇者しません?」
そう言う間にもシーアがユーちゃんの涙を拭いて、慰めている。
「いや、そう言われても。時々助けに行くじゃん。それでいいでしょ?」
「ケイお姉ちゃん。ごめん、私を今度こそ、魔王軍の一員にしてください。お願いします。」
「そうでなくても元々、一員だよ。よろしく。」
ナオは歩いて傍によると、ぎゅっとユーちゃんを抱きしめた。
「でもどうするんです?UR認定は。」
「実はそれには考えがある。で、まずはお姉ちゃん、一度ストックに戻って。…レベルアップさせる。だから一度…部屋を出て、」
「うん。分かった。」
「で、シーア、ユーちゃん、君たちには一応検証に付き合ってもらう。これができるなら今後に未来が開ける。お願いできる?」
「は!」
「いいよ。」
二人はピシッと直立して敬礼した。
「何をするんです?」
「お、やっとストックに戻ったから、経験値を注いで…。材料OK.結構きつめの材料だから…でないんだよね普通は。」
「ん?」
南は不思議そうにナオを見つめる。
「お姉ちゃん専用の進化ルート。これを開発するのに3年かかった。そしてレベルが貯まった今、それを使う。」
「え?まだ上があるんですか?」
ケイお姉ちゃんの種族は本来上位でカンストのはずで。ゴースト―デュラハンーリビングアーマーである。普通は上位なのでもうこれ以上存在しないはずである。
「お姉ちゃんは勇者でレベル上限が+20されていた。だから上級の上”超級モンスター”が可能だった。但しうかつに強さをあげすぎるとURになる。だからその境目探す
に時間がかかった。リビングアーマー自身もほぼ隠しなんだけど、その上を用意するに時間がかかった。」
「そんな計画があったんですか。」
「そう、本来は終わるはずの上位の上は4体か5体しか用意してない。そのうちの一体が、これなんだ…。材料も蘇生したダンジョンコア3つと死んだサブコアが14個とかこれ
も凄まじいものを要求する。」
「何です?その材料!」
ダンジョンコアは取り込めばダンジョンは様々なスキルとか、余ったDPを得ることができる、その為、めったに破壊されたダンジョンコアはできない、しかも材料にする際にはサブコアはサブコア表示になるので、ダンジョンコアはダンマスを倒した場合にしか存在しない。市場で売られていた”ダンジョンコア”をこっそり購入して全部集めておいたのだ。
「死んだダンジョンコアに魔石とか後破壊されたサブコアとかを投入して作った疑似的に再生して機能を持っているダンジョンコア。それを三つも使う凶悪スペック。」
「すごい力の入れようですね…。」
「うん。後の材料も高いけど完成した。お姉ちゃん!」
そう言ってこっちに戻って来るケイの姿は何も変わっていなかった。
「一応レベル1になってで、職業欄が二つになったけど…これ何変わった?」




