9-3 教授の章 聖剣リンシュメルト
「コアの機能を使ってるから、それで報酬分はいいね。後これ…。」
そう言うと白い…いや輝く刀身の剣が一本ある。
「南から頼まれた、教授に会ったら渡してくれ、と、これも依頼なの?」
「ああ、そうだ、期待はしてなかったがな。」
それは向こうにいて、ナッツと別れ際にハーリスと開発したという銃を手渡していたので、ついでに私の分も頼んだのだ。そう、ファクターコインを織り込んだ武器だ。
「どうもこれ、ナオの連絡だと…今までの恩への謝礼。”真聖龍覇王剣・リンシュメルト”。南が言うには自分の力即ち、ドワーフとナオとの全力で作った。」
「ふむ。確かに強い力を感じる。」
持ってみると刀身が輝き。そして…。
「が目立ち過ぎじゃないのかね?」
「これの効果がこの世界でほぼ最強。だから我慢、」
「どんな効果だね?」
「魔素を切る。南のコインの効果が、魔法への耐性だからそうなった。自動修復はつけたけど後は。自分で頼んでつけてもらえって。スロット数は限りなく開けておいた。」
流石にわかっているようだ。私の指示でないと満足しないことを理解してる。が魔素を切る…。確かに魔法が大量にある世界において、対魔法兵器とは恐れ入る、確かに
効果は絶大だ。
「ブラックは七海君の所に持っていくが、ここは今…。」
「分かってる、大方きな臭いんだろ?しばらくはあたいがブラックの代わりをする。」
「ヨミが?」
「ああ、」
ふむ…これはかなり強いが、大丈夫…いや、ヨミのほうが術は強いのか…。
「あと私は…。」
「そうだ、ネルはダンマスかね?まだ。」
「一度、魔王軍を抜け、亜人同盟になった後、ナオの元に行った。私が、ナオの話を聞いて…南に全部任せてきた。…結局同盟の形となり、今はばれないようにダンジョン名変えた。」
「なら、この鉱山周辺の買い付けは?」
「来た時にやっておいた。私は一応ダンマスのレベルは高いから。但しちょっとしかできない。ここはパンダ同好会のエリア。無理やり私の”植物公園”が差し込んだ。」
大方ナオの入れ知恵だろう。わざと目立たない名前にさせてある。しかも自分の事は示すから十分だ。
「流石だ。いい仕事してる、あの鉱山の奥の一区画以外は共同扱いか…。予想通りだな。」
「どういう事?」
「ここにはダンマスがいた、その消滅反応で気が付いたのだろう?」
「うん。」
「が、あのダンマスは。パンダ同好会の一員だと思われる、すなわちここはすぐにも奪還の部隊が来る可能性がある。そうだ、補給物資の食べ物とか。」
「一応ハーリスに言われて登録しておいた、牛乳と、後この煙草?葉っぱでできてるから、スキルがあるなら私も調合する。後そのタバコは、今度は魔素だけでなくHP回復成分入りの物。
強力になってる。ただ、ヨミに吸わされたけど苦い。」
「この苦みがたまらないんだよ。クックック。ネルも大人の階段を上ったものだ。」
「大人?」
「私の昔の言い方だよ。まあ、向こうも対策して、会議してからここの奪還に来るはず。大方パンダ同好会が全滅までは、ここは危険地帯だ。二つ考え方がある。一つは君のダンジョンの
入り口をそこに開け、徹底抗戦。それか交渉して。」
「なら交渉を選ぶ。ヨミは?」
「分かった。あたいは偽装後にあんたについていくでいいね。偽装のほうはやっておく。」
少しすると、階段の方から登る音が聞こえてくる。
「さてネル君はここにいてくれ、私が出よう。」
教授は剣をマジックフォンののダークボックスに入れる。
「そうだ、言い忘れてた。ダークボックス同士が反発するから、マジフォンはダークボックスに入らないし、無理やり入れると再設定が欲しい。すべてデータが飛ぶ。」
「分かった、ギルドカードは入れておこう。」
そう言うとスマホもどきを懐に入れる。確かに、周囲に防御が入った感覚がある。そして…これは?
「ハーリスが言うに、連携ダークマターはダークボックスに連携するとその中のアイテムを再現する効果がある、エンチャント効果も再現。それがそのマジフォンに入ってる。」
「細かいし、かなり性能高いな…。」
この剣の効果を防御に活かせるのか…。かなり大きいな…。が、これミストの容量が足りていない…。そしてこっちのダークボックスにもスキル連動機能が付いている。
はっきり言って有能だ…。
コンコン。
「何者だね?」
「私、パンダ同好会の幹事、白の柳田と申します。私はあなたが植物公園の幹部と思いますが…。」
「来た。」
「だろうね…。入ってくれ。」




