8-外伝9 物品で報酬支払してみた
「ただいま…です。」
キラリたちが帰ってくると僕と南さん、そして、リューネが優雅にお茶会をしていた。いや、こういう小さい所でいいんだよ。僕たちは。
「なんかあったの?」
白々しく聞いてみる。
「どうにかいじめは無くすことができたんですが…。ちょっと複雑です。自分も全力は賭したんですよ。」
若いなあ…。
「感動しました。」
「自信持っていいんです。勇者様!」
「リア、思いっきり目が恋する乙女ね。…キラリ…。」
「え…え…あ…あの…。」
リューネさんがジト目でにらむ。
「ぬぷぷぷぷ。本来あなたぐらいの勇者はそれくらいの魅力があり、今までずっと従者なしというのは逆に偉業なのよ。」
「え?」
早音のほうが驚く。
「だって、師匠になって欲しくてずっと努力してきました。師匠以外考えられないんです。」
これ、もう告白だよ。こっちまで顔が…あ…テストの料理持ってきたお姉ちゃんが固まってる。
「ぬぷぷぷぷ。嬉しいというか、冥利に尽きるというか、ただ、まだ足りないよね…。」
「はい…。」
実際一週間ほど前にはフルボッコにされている。
「が、南ちゃんはどうよ?」
「先生が言うにはその衣装を抜けば筋がある方で。」
「えっとそんなにあれが嫌なの?」
その意見に全員がキラリを見る。
「私は、ショタスキーとして拒否、先生は?」
「”教授”は理解できないそうです。で私もイケメン大好きさんとして実は…。」
その場で崩れ落ちるキラリ。わかるぞ、これはきつい。
「け、けど衣装作るのは手伝ってもらった…。」
「はい、クラウドドラゴン戦では象徴が欲しいので作成しました。ついでに預かった衣装は今度はリューネさんとナオが、気合入れて作ってました。」
「え?」
「いや、ミーアの衣装リストがあって、歴代”キラリ衣装”と言うのがあるらしくて、で、それをうまく使えないかって事で、ちょっとがんばって作ってみた。後、材料の余りは僕がもらっていくから。」
と言って差し出したのはスマホだった。変装用の衣装なので今のキラリは普通の男子ブレザーである。
「何これ?」
「教授に頼まれて作った物の試作版。≪ハイパーマジックフォン・キラリ☆セイントドラゴンスペシャル≫、後これ称号編集して全部横文字にした。」
「スマホですか?」
「うん、教授の報酬のために開発してたものを流用してる。で、リューネさんのメガネほどではないが、機能が盛り込んである、カメラ越しの鑑定機能、撮影、付録でゲーム600個後動画撮影、音楽再生、ギルドカード連携型ショップサイト付き。後下着さえつけておけば、衣装は画面から選択したものに自動フィット付きで作れる。スキルオーブも一部スキルオーブ抽出機能があるので、自分のスキルをDPとMP払えばスキルオーブ化できる。後、この機能は触れているなら従者でも使える。でこの衣装展開時は防具なしでもこのスマホが攻撃力、防御力を担う。で、魔石吸収成長機能をつけた。後、ダークボックス連動機能。セット登録機能もある。追加でエンチャントも可能。スロットの空きが4つほど。」
「相変わらず、自重という言葉を知らない作りです。」
スマホを見つめてリューネと南はじっとそれを見つめていた。いやあ、頑張った。
「欲しい?」
「はい、凄い欲しいです。衣装変更が旨い。」
キラリはひったくるようにスマホを受け取るとそのまま奥に行ってしまった。
「後でハーリスに使い方聞いてね。」
「これ、後で全員分作るよね?」
「お姉ちゃん?」
いや、全員の顔の圧がつらい…。
「製作費高いから、ハーリスと相談でいいなら作るよ…。」
「一個どれくらいなんですか?」
「んーとあれ、ダンジョンコアの死んだ奴をチップ代わりに、機能停止サブコア4280個ほど個程で作ってるから…。29兆くらい。材料の再生成にかかるDPが半端じゃない。」
その言葉に全員が固まった。
「えっと、リアの改造が2億くらいでしたよね…。」
「え、そんなに1?」
お姉ちゃんも驚く。
「で、その10万倍ですか…それ。」
「死んだダンジョンコアに疑似の魂を吹き込みそこから演算機能だけ抽出とかえぐいことしてるからオーバースペックもいい所だよ、あれ…。というか、演算装置とか化学再現に凄い色々かかってる、知識が無いのが痛かった。もう少し技術があれば安くなるけど、今は、管理に特殊なダンジョンコアから作ってダンジョンオーブが欲しい。ので量産は今はできない。」
ついでに今まで結構教授に助けてもらってきているので、ダンジョン傾くのを覚悟で作ったのがこの”マジックフォン”だ。後の分は称号のおまけである、普通に作ると全くエンチャントスロットが空かないので、加工技術を磨き、エレノアに細かいパーツを作ってもらい、それに買ってきた”死んだダンジョンコア””死んだサブコア”を用いてパーツチップを作り形成した一個あたりのDPは文字通り魔王軍でさえ傾くレベルのDPとなり、これでも圧縮や、経費節約を結構してる。ギルドシステムみたいにハーリスが制御に関わり最適化するのに費用が莫大となった。ついでにこれで、第2段ギルドシステムの開発もするつもりだ。但し、制御用の管理コアをこちらと魔界にひとつづつ設置しないといけない。後この装備品は”ダンジョン内”でも機能する。通話もダンジョン内から可能となっている。これに合わせて50億DPかかってる。
「27兆ですか?」」
「ついでにクラウドドラゴン生成が25億DP。」
「え?}
南があせんとする。
「それで、こいつの凄さを覚えておいて欲しい。それくらいかかってる。」
ついでに生産の際には聖、龍、王のコインがあれば1/10にできる。が、それでも2兆かかる。そう思ってると、キラリがいつもの…いやちょっと派手になってるか…各所…。




