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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
第6章 VSクラウドドラゴン
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8-7 初心者底辺マスターの嘆き

「俺たちはあんなのと戦う話してたのかよ!」

 魔界連合の幹部”狼”のダンジョンマスター、シライの意気は荒い。

「あんなんだと思うわけね―じゃねーか!」

 第一の僕”魔獣“のガルーは呆れていた。そう、それは2か所で出た”クラウドドラゴン討伐戦”の映像だった、それは一方はDPランク7位の”花の楽園”のマスターの映像であり、もう一方が”亜人同盟”の映像だった。そこに映し出された勇者軍団の面々、そして、あの超巨大レーザーを放つ勇者、聖女も強く、そしてその従者と思しき者の強さもはっきり言って異常だった。隣の冒険者が雑魚もいい所に見えるくらい凄まじい映像だった。それがこの”アンチ亜人同盟”を名乗った。4名のメンバーに衝撃を走らせた。まだ公言はしてないが…とりあえず集まった彼らの勢いをくじくには十分な物だった。その為、同盟員のSNSは大荒れに荒れ。今に至る。確かに人間を攻撃し、攻撃させれば人々はこの山の中腹まで来るだろうが…確かにこのままではジリ貧だった。またその中において前は8名だった魔界連合も脱退者が相次ぎそれらが”親人類派”に流れる始末だった。戦いも好きな自分たちにとってはこれは意外通り越した内容で許しがたい話だった。まあ、俺もあんな化け物相手に戦いたくねえけどよ?けどさ、あんなのばっかりじゃねえじゃねえか。

「でもどうするんだよ…。」

 そう、この魔界連合は創設者の”バラのヨシカゲ”以下数名で成り立つ戦闘系ダンマスが初心者をDPを上納してもらう代わりに保護するという形を取り、護衛料で安定させてきたクランである。がその初心者の一部及び戦闘系ダンマスの一部が抜けた為収益の大半であった”護衛費用”が失われるに至った。それがあったため、周辺のダンマスたちの勢力図が変わりつつあったその為、田舎と言われたこの地域も安全ではなくなりつつあった。近くの領地もあるもののバスにDPが足りず、日銭も少ない。かといって周辺の村に対して攻めてもどうしようもない、ダンジョンルームからもらえるDPも投資で置いておいたが乏しく、増強には一歩及ばない、

「とりあえず、ウルフ隊に地図を完成させる、そしてそれからがどうなるかだ。」

【シライ様、ヨシカゲ様の連絡で、今夜こちらにダンジョンバトルでそちらに向かうようです。】

「分かった、総長もあせってるようだな…。」

 コアの連絡にひとまず落ち着く…が一大勢力”亜人同盟”はよっぽどだったらしいな。


「私はランク9位のクラン”月下の庭園”に誘われてな、それでこのクランを解散することになった。」

 魔界連合の総長のいきなりの宣言にシライたちが仰天した。

「私たちはどうなるんです?」

「一応聞いてみたさ、そしたら”切れ”だって言うからさ、付いて来てもらっても困るし。これで俺とお前たちの関係も終わりな、今度は敵で会うかもしれねえがその時は手加減してやるよ。」

 そう言うと、ヨシカゲは一方的に去っていった。残ったのは初心者マスター2名とシライだけとなった。

「どうする?」

 初心者マスター、ハナカワは顔は暗い、これに頼って防衛してもらっていた以上ダンジョンバトルが来た場合の対策なってなかった。

「俺に言われてもさ。」

「あんたは、あんたは大丈夫なんだろうね。高い金払ってんだからさ!」

 思いっきりお姉さんの…初心者ダンジョンマスター、ミズキに肩を思いっきり揺すられている。

「お、俺は見捨てねえ…。」

「あなただけが頼りなんですぅ―!」

 そして揺すられる横でハナカワにしがみつかれて…俺は泣きたくなった。


「でもどうすりゃいいんだよ…実際。」

 全員が一通り泣き終えて帰った後のコアルームで一人泣きそうだったのはシライもそうだった。

「シライ…。」

【あなたの言う事もわかりますが、ダンジョンは生きてるのです。なので、まずは自分の身を守りましょう。】

「分かってるけどよ、泣きたいぜ…。俺たちどうなるんだ?」

【それはお答え…すいません。いま、スカーウルフ隊が帰りました。ただ様子がおかしいです。】

「何だ?」

【まず、20体送ったのが、3体しかおらず、傷を負ってます、現在ストック側に移転中です。】

「何だと!」

 地図作成部隊のウルフが全滅か。こういう時に限って!


 侵入警報!侵入警報!領域内に戦闘可能者確認!


【侵入…者…確認しました。勇者を確認!】

「何だとぉ!つけられたのか!」

【その模様です。】

「勇者はこの大陸にはいないんじゃねえのかよ!」

「どうするよ?」

「迎え撃つけどあれだろ?」

 思い浮かんだのはあの極太レーザーの勇者の姿だった。勝てる気がしなかった。

「すまない、みんな…。俺はここで死ぬ。」

「マスター!」

【あきらめてはいけません。】

 シライは泣きそうだった。もう徹底的な不運がそこにあるように見えた。


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