7-夏SP21 21日目
「これで終了!お疲れさまでした。」
ドルカスが開けた魔界のゲートにエムント国王含め、全員を見送った後…。魔王軍の面々が、そこに立っていた。そして、最後の一人を送り出すと、魔界1日チケットのゲートが閉じてしまった。
時間にして10倍、そして周期が飢えの半分の20日の激闘が終わった。そして、設営で残った物をダンジョンが吸収し、元の静けさに近い環境になった。
「お疲れさまでした。」
ナオが設置した大きな円形のテーブルと共に。国賓用の別荘に全員が食事を設置していた。交代とは言えバカンスの裏方は流石に全員…。疲労のようだった。
「さすがに疲れたよ。」
「南は?」
「帰った。一応、キラリ達も帰った。」
「でも、どうする?」
目の前にはミーアとケイが用意した料理が並んでいる。
「あと一日はいいんじゃないかな?だって…。」
「え?いいの?」
「20日も耐えたんだから、リューネさんも…。」
「ちょっと外行ってくる!コクヨウもおいで。」
「は、母上。」
リューネさんが、外に走って行ってしまった。
「いいの?」
「いいよ、今は、みんな、お疲れ様。」
「ありがとう。」
「疲れたのだ、主にバックバンドが。」
「もう少しだけ、ナオ成分ちょうだい、」
「でも、これ、またやるんです?」
海の家は確かに公表だがあと2年だろうか、先な気配もしている。
「できれば今後を…」
「魔界ではやらないと思う、警備の大変さが異常だった。但し、浜は僕たちのバカンス後に縮小する。があとはそのままの予定、観光都市シオバニラとして後、インスタンスダンジョンも置いておく。」
その言葉に歓声が上がる。
「で、ちょっと裏技を使う。」
「はい?」
「実は設定上、…南半球と北半球の背って言って魔界で、切り替え可能なんだよね、天候の季節のオプションにあった。」
「じゃあ?」
「常夏化は可能だよ。但しそれやると…。」
「そう言う事ですね。」
膿がきれいと夏を大量にすれば暑くて植物が今度は育たなくなる、なので、確かにリセットはされるが・・・そんな自然破壊を好むわけじゃない。
「じゃ、みんな食べて、飲んで、あと、どうする?」
「ちょっと騒がしくなるけどいいかい?」
ヨミが、館の外を見つめつと…その大きさ一杯に肌色が埋め尽くされていた。
「どうして?」
「リューネの奴を懲らしめてくる。ナオは館の上あたりで鑑賞していてくれ、ちょっと激しくなる。」
「なら、エレノア達も一緒に遊んでおいて。」
「いいのです?」
「マスター。」
シーアとエレノアが、ちょっとうずうずした顔で見てくる。
「責任は僕がとるし、この後フィールド転換があるから、今日の夜くらいは遊んでおいて。ハーリスはどうする?後ネルは?」
「今日は一緒に見てる。ハーリスは?」
「当然、傍に。」
「食事用意したのが無駄になったね。」
「いえ、思いだけでも感謝してるんですよ、お構いなく。ケイは?」
「一緒にいる、当然じゃない?」
「では、こちらに。」
ゆっくりと歩きながら外に出てみると…。5人の女性が浜辺で遊んでいた。が大きさが違っていた。海は暗く、月がこうこうと輝く中、時折館に振動が来る。
『ナオ!』
『母上。もう少し離しましょう。』
元々は変身は体を魔素で成形するため、非情に窮屈で、我慢はできるが、一日8時間から12時間は元に戻らないといけない、それはあの種族でもモンスターであれば必ずなる。当然龍族であるリューネさんやコクヨウ、巨大スライムであるエレノア、シーアもだ、ついでに巨大化するだけなら、ヨミも変形経由で可能であり、例えばリューネに変形してそこから彼女の持つ変身を応用してさらにという事が可能だ。その為、目の前には200m台の、巨人の水遊びを僕たちを鑑賞している、最初の内は龍の姿であったであろうリューネ達もヨミの姿を見て人間の形にしたようだった。これは流石に南たちには見せられない。
『ダメなのです。よると、衝撃波が。』
『魔力体は大丈夫だって。…ってあたしだけか。』
「一応、私もなれるのです。』
『流石、エレノア様。』
壮観と言えばそうであり、凄い離れたこの距離でさえ、時々彼女たちの歩いた海の水しぶきだけで建物が揺れる。
「止めたほうがいい?」
ネルが杖を構える。
「いや、羽を伸ばしてるんだからいいよ。」
「そうだよ、時々伸ばさないと、いろいろ不便だからね。みんな。私たちはそれがない分。楽に生きてるのよ。こうして独り占め…。」
きゅっとナオを系が抱き寄せる。
「…一人じゃない。」
『なのです。』
5人の視線がナオに突き刺さる。
「良く見えるよね。」
『一応ずっと感覚は張ってるからね、』
ヨミの声が響く。上を見ると、5人が、屋上にいつ僕たちを見つめている。顔だけで空が埋まっている。
「絶景と言えば絶景だよね。」
『でもさ。こうして平和って…いいと思うんだ。』
『そう…なのか?』
『たって、これを求めて3年はずっと彷徨ったんだよ。そして、ナオはずっと3年、待ってくれていた。じゃないの?』
じっとみんなが見つめている目線が…うん、恥ずかしい。
「そうだね。こういう、まったりした一日がいいんじゃない?」
『ケイはもう少しだけ…。』
あっという間にケイの体が、スライムに包まれる。
「ちょっと待ってよ、もう少し、もう少し。」
『いや待たないです。ネルちゃん。マスター確保。」
「…それはエレノアがやったらいい。私は、こうして一緒に見てるだけでも幸せ。」
「なのだ。」
ゆったりとした空気が空を包む、こんな平和な日々が・・・・これからもあるといいって思えてしまう、そんな時間だった。
これで夏スペシャル”シオバニラで休日を”終了です。次回から第6章”VSクラウドドラゴン”の章です。秋も季節SPがあります。お楽しみに。




