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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
夏スペシャル シオバニラで休日を
211/1812

7-夏SP18 マグロ解体現場にて 

「すいませーん、あと8本あります?」

「まって―な。こっちまだ終わらんやん?凍傷なるで?」」

「速くしてください。こっちも売り切れ多くて、昨日はどうにかなったんですけど。」

 寒さに強いナオの部隊”トレント作業員”と解体本部長(雑用)となったカラムが寒さ対策で長袖にエプロンでこのマグロ冷蔵庫外の解体作業台で水の矢で冷凍マグロを解体していた。

当然取ってきたとしても、解体して提供しないと、マグロ定食にはならない。当然”解体”して提供されないといけない。DP生産は可能だがその出費は解体費込みとなるので、こうして生で

解凍したほうがおいしく、そして安い。なのでこうしてみんなで解体をしている。取りに来てる配達班のネーリィは椅子に座っていた。

「分かってるがな。解凍も辛いんやで?」

「分かってます。予想以上に売り上げが多くて、各所で売り切れで焼肉定食に切り替えてるんです。」

 実は意外だったのが、予想よりマグロ定食の売り上げがよく、各民宿及びレストランで大量発注が相次いだのだ。これには勇者たち”異世界勇者”の故郷の味でもある”米”を含む高級品

である、マグロ定食が予想以上にはまった形だが。

「でも予想より多いやん?うちこれでも、1.5倍働いてるで?で、昨日の増殖量で足りへんから明日から漁やで?」

「それが、ある勇者が・・・。」


「これはマグロ定食っス!感動っス。」

「勇者様、感動しなくても。」

 それはある定食屋での事だった。

「いやあ、マグロはある意味庶民の憧れっス。儲けで買えるとか勇者これだけでもやっていけるっす。本気で亜人同盟様様っス。」

「勇者様…。」

 二人の従者が呆れてみているが、無心に掻き込む勇者の姿に少し引き気味に見ていた。彼らの多くは勇者ショップも利用できないが、あるダンジョンでの海岸警備と聞かされて来ていた。が

このシオバニラの定食の話は聞いていないが、話題に上ると全員がシオバニラの町に向かい、民宿で出されるマグロ定食に舌鼓を打っていた。

「食べないっすか?」

「魚でしょ、しかもかなり生臭い魚を生でしょ?」

「焼かないと旨くないでしょ?」

「生が一番っすよ?赤身は特に筋肉になるんで強くなるし、お肌にもいいらしいっすよ?むしろ日本では女性の方が好んでマグロ食べたっす。」

「強くなれるんですか?」

「筋肉の元はお肉でもあるっすが、魚はより質がいいらしいっス。なので、ちょっと筋力上がるらしいっス。」

「ちょっと待て、そこの筋肉馬鹿の聖職者。これ以上腕力上げる気?」

「当然じゃないですか?あなたこそ前衛だから、欲しいでしょ?」

 その言葉にその場にいた現地の全従者がその勇者の方を見たが…食べ物に夢中の勇者はその視線に気が付かなかった。

「このトロって部分も、お肌がプルプルで、つやつやになって、それでいて痩せるとかで大人気だったっス。」

 結構騒がしいはずの勇者たちそれぞれ食べているシオバニラ食堂では時代の空気が変わる音が聞こえたという…。


「って聞いたのよ?で、それから、勇者を射止めようとする従者たちがこぞって食べるようになって、これ。」

 ネーリィに見せられたのは勇者SNSでの”#マグロの良さ”というタグ記事だ。そこにはシオバニラとマグロ定食の記事があった。そしてそれに反応する勇者たちの姿もあった。

「待てや。なんでそうなったんや?」

「私も知らなかったけど、ネル様も知らなかったみたい。でも時々魔界で修業中ではここで食事してた。で…そのため従者の食べる分まで計算してなくて。で今考えてるところ。」

「問題あるやん、漁で行くって言っても相当かかるんやで?あの”ランク5の海”。」

 シーアとエレノアのコンビの体なら伸ばせば届くが、そうでない場合、最悪2週間かけて現地に向かいそこで一本釣りしないといけない。なので、簡単に回収できないのだ。その分大量に

確保するんだが。今回はそれを数日前にやってしまっていた。なので増量するにはDPしかない。

「一応ネル様にも伝えていおいてや?最悪頼む羽目になるっちゅうねん。後、手が痛いねん。主に凍傷で。」

「仕方ないけどヒールはできるでしょ?」あと保温も?」」

「分かってるやん。だけど量多すぎて、魔法切れるほうが速いねん。」

 カラムの後ろにあるのは、大量に山積みされた冷凍マグロの束だった。

「仕方ない、手伝うけど。後、数日持つ?足りないならDP産混ぜる?」

 ネーリィがマグロの束を持って解体台に上げていく。

「この消費やと、もって一週間や。」

「えっと、二〇日分用意したよね?」

「昨日と今日で、そのうち七日分は使い切ったんや。焼肉とかのかさましで、何とかなるんやろうけど、これ、限定品にしないとまずいんやで?ネル様に許可取れるなら、だから、ブラック

すぎるんやって。楽園に頼めへんか?」

「あそこは植物系だから。肉は冒険者と商業ギルド、魚はこっちが受け持つって昨日決めたはずよ。配達はこっちもやるから解凍室に魚ぶち込んでおく。」

「解凍気ぃつけてな。解凍焼けするで?後、DPで配達しておいて欲しいねん。」

「分かった、ネル様に言っておく、」

 配達係のネーリィは マグロの一本釣りを流石に冒険者にさせるわけにいかないので仕方なくネルに連絡し、マグロの刺身のDP生産の依頼を行った。それから18日間でもかなりの量の

マグロがはけ、このシオバニラ冒険者ギルドには常に”マグロ漁船搭乗員募集”のクエストが張り続けられることになった。

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