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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
夏スペシャル シオバニラで休日を
208/1816

7-夏SP15 準備体操はちゃんとしよう

「お前ら!一列に並べ、ついに手に入ったんだぞ!現物がよ!」

「おやっさん、これ、本当にDPで買うものか?」

 イツキもこの骨とう品を見るのは初めてで、ちょっと感動していた。

「いや、これでいいだろ?

 掛け声とともに整列を始めて居ていたのがドルカスたち鍛冶師一同だ。

「こいつはな!テンポも重要なんだよ!分かるだろ!」

「やるぜ、おやっさん。」

 ドルカスが砂浜の上にラジカセを置くと。スイッチを入れた。

”まずはてをのばして、”

 その掛け声にドワーフたちが一斉に・・・ラジオ体操を始めた。それに黙々と従うドワーフたちと、イツキたち掘り屋の部隊である。

「何やってんだ?おっさん。」

 ガルージ達がその様子を…勇者共々みんなで見ていた。

「ラジオ体操だよ、見てわかるだろ!」

「何だそりゃ?」

 全員が音に合わせて動きながら…ドルカスは周囲を見渡すと、珍しいのか、その周りを勇者とゴブリン村のメンバーが見ていた。

「俺たちの朝の習慣なんだよ。鉱山だろ?」

「まあね。」

「で、意外と重労働でよ?で、こうして体をほぐさないと事故が多いんだよ、体がカチコチになるからな。」

「でなんでこんな、不思議な踊りしてるんだ?」

 ドワーフたちが、ピョンピョン跳ねている。

「これは…。」

 そこで、ドルカスは言葉に詰まった。観客に勇者が混ざっているため、”生贄召喚”で異世界の物体お取り寄せは秘密だという事だ。ばれれば市場は混乱する。

「俺から言うと、これは俺たちのいた国で、国家主導でやってた奴なんだよ。準備運動を連続でさせるもので、これで戦場での死亡率が下がったとか、」

「はぁ?」

 ガルージ達クラムブラットのメンバーが疑わしく、ダンスを見ていた。

「よし終わった。どうだ、本物はよ!」

「まあ、確かにポカポカ来るわね。」

「これ、元に戻ってやると、大方災害になるにゃ。」

「やっぱり叔父貴の掛け声は遅かったんだって。」

 ドワーフ達が口々に感想を言う中、ゴブリン村のメンバーはその不思議な踊りを見学していた。

「ちょっと待ってくれねえか?それで勝ちやすくなるのか?」

「お前ら、そこん、座れ。」

 ドルカスが砂浜を指さす。

「まず、お前らに準備運動の話をせにゃあならん。これの有無は結構重要だぞ。勇者どもも、実戦に出て、理解ているだろうが…。」

 その言葉に従者はともかく、勇者たちは頷く。

「お前らもやってみるか?」

「久々にか、非番の日の朝ならいいぜ。後、ハンコくれよ。」

「ハンコ作ってもやるもん…粗品…。」

「それなら私が出すわよ。宣伝になるし、」

 来たのは、白を基調にしたロングパレオと付けた南の姿だった。

「開発中の新ポーション”聖女水”一人一本出すわ、水中での事故率さげたいしね。但し、量産体制が整うまでは粗品だけにしておいてね。」

 その言葉に勇者たちとゴブリン村もざわつく。今回の海水浴で必要であろうと付与魔法の技術で魔石をごく微量混ぜた水に回復系の魔法を付与したもので、効果はそれなりで擦り傷や打ち身

程度は直せる力がある。この世界魔法使いがいて、回復魔法が使えるなら、ポーションの地位が低いと思われるが回復魔法は精神疲労を伴うので、軽い怪我だと魔法を使うのを嫌う実戦派の

冒険者が多いのだ。それに水分でもあるので、水分補充兼用で購入、使用する冒険者が多い。

「いいのか?商品だろ?」

「後で感想くれればいいわよ、ガルージ達も参加してくれれば宣伝になるし、」

「いいけど、これで強くなるのか?」

 ガルージ達も、なぜかいそいそ準備を始める勇者たちを従者たちと一緒に見つめている。

「人間の体って、最初カチコチなのよ。寝てるとき動かないでしょ?だから、最初からあらかじめ、動かして柔らかくしておくことで、最高の状態を維持できるのよ。私たちの所のプロは、まずこれをやって、ポテンシャルを上げるのよ。」

「へぇ…。」

「ついでに私たちの世界でこれをやらない場合は、プロは簡単な実践訓練さえ拒否するわ。それくらいの重要な物よ。近接職が覚えておいて損はないわ。」

 その言葉に全員が頷いていた。

「じゃあ、やってみます?」

「リーメ君?」

 声の方を向くと、ちょうど来たであろう、リーメ君と鬼ちゃんの姿があった。

「いいよ、リーメ君が言うなら。」

「試してみましょ?」


”まずは手を伸ばして、背伸びの運動”

 それに合わせ、警備兵含め、全員が整列し、ラジオ体操をしていた。その様子は…ハイエルフ達にとっても奇異だった。

「何あれ?」

「あ、ラジオ体操か…。」

「そう言えばさ、ドルカスがしがみついてきたんで、ついあたいの給料から、あれ出したんだが…。」

 ドルカスの足元にあるラジカセと、カセットテープ、そして手回し充電器と充電式電池を見つめる。

「ああ、ラジオ体操か…。」

「ナオは知ってるの?」

 ネルが白い幼児用水着を着てナオの傍に寄ってくる。いつもの衣とは違う…ちょっと派手な感じだ。

「よくやっていたんだよ。懐かしいな。」

「むむ、それは。でもあれ…。」

「モンスターがやって効果あるのか?」

 視線の先には、水着に着替えていた、ミリーとニャーコの姿があった。それなりにいい体形である二人に…女性陣の皆さんの視線が痛そうだ。

「あると思う。泊まりの撮影になると、やってた頃もある。」

 一応僕もエキストラに限ると数回は…ドラマの撮影に出たこともある。で、そこで泊まりの撮影の…朝に呼ばれるんだよな。で、そこでスタッフがラジオ体操をしているのを見たことがあった。

準備運動はスポーツ選手なら、オリジナルルーティーンでするので、ラジオでなくてもいいが…。

「変わった事するんだな。」

「聖女教でもやる?」

 ネルもじっと見ているるようだ。こっそりと…南の後ろのイケメンさん達が、景品予定の”聖女水”を箱に詰めて持って来ていた。あれが、ラジオ体操の粗品だが、ポーション一本とは豪勢だな。

「子供相手にやってみてもいいかもね。」

「後で、ドルカスに聞きに行く。ちょっと色々作ってみる。」

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