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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
始まりの魔王 高橋直の章
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1-2 僕は魔王になるらしい。

 それから2週間たった…僕はこのままだった…正確には部屋から出られなかった…。時々食事をだしにメイドさんが来るので聞いてみると、さすがにスキル、職業なしは初めてらしく見たことないらしい。ただ、みんなは職業があるために訓練開始してるんだそうだ…。こっちは学者の会議待ちだそうで…。どうなるんだ…。

『おはよう…。』

 それは…聞いたことない声だった。

『ちょっと異常事態発生だからさ…起きて説明させてほしいのよ。』

 まさか、起きたら知らない天井…マジかよ…。石畳?さっきまで王宮の客間だぞ。そして…牢屋だ。で、目の前には金髪の美人と言っていい女…均整なプロポーションである。がなんか引っかかる。

『とりあえず、規約に基づく緊急事態なのよ。』

「何が?」

『このままだと明日あなた死ぬわ。』

「え?」

 異世界転生して何もしないで死亡とか何?

『正確にはあなたが王国で極秘に処刑される。』

「なんで?」

『んと…あなた以外の3人は勇者とか職業があるよね。』

「うん。」

『で、職業がないのは不吉って事と…勇者側から、あなたを処刑しないと、王国がつぶれる可能性があるってこと言われちゃって…現在脱走されないように厳戒態勢よ。』

「…あんたは?あんたは何者だ?」

 というか、確かにここは牢獄だ。だがなんでそんなことをこいつが知ってる?

『うーん…わかりやすいように言うと、…言うの面倒だし…思い出して?もう3回目よ。』

 それか、引っかかってるのは・・・ん…あ…神様?

『しいて言うならば…ね?ついでに考えてることはわかるからしゃべらなくてもいいわ。』

 で、神様が何の用だ。処刑とか言っていたが。というか、それ以外思い出せない。

『今回は限定的だから説明のほうが楽だし、説明するよ。まあ、あんたと、勇者たちは2回目なのよ。この世界に来るのは。』

 なんだそりゃ?覚えてないぞ。

『うん、来るときに記憶消したし。その分だけ。というか、説明最後までさせてね。』

『で一週目の世界では、勇者がこの世界に降り立って、まあ最終的に魔王を倒すというべたな展開を「あれ…その前に…。」そう、気が付いたのね、最初にこっちに来る前は飛行機が学校に墜落して 学校ごと全員死亡、乗客もね…で死んだときに余った寿命とか因果があって…で、みんなに何したいのか聞いたのよ。で、そこで、異世界転生して、僕ツエーしたいと。』

 定番というが、やってみたいと言われれば言うわ…。。

『で、この世界に送られてきたわけよ。で、勇者は人間殺すとかもろもろイベントをやって、大陸を全国統一して、魔王を倒す体制を整え…で、魔王と戦うとなったのよ。』

 まあ、順当な小説だな…王道すぎて泣けそうだが。

『で、そこで問題が発生した。これにはあなたとかみんなのスキルが関係するから説明するけど…あなたに私はぼこぼこにされたわけ。』

 え?

『正確にはあなたのスキル、『スキル獲得確率:大』にね…。』

 そんなスキルステータスにはなかったぞ。

『当り前じゃない、スキル取るスキルなんて書けるわけない。それこそ悪用されて一発で世界崩壊よ。』

 そんな危険な物なのか。

『で、賢者の子とあなたが、そして勇者で、魔王と戦うと決まった夜…まあ悪ノリが始まったのよ。勇者は固有スキル”溜め攻撃”というスキルを持っていたのよ。で、それを使って魔王のいる大陸に向かって打てば、終わるんじゃないか…てなったわけよ…。ついでにこれ、言い出したのはあなたね。』

 まあ、ないわけでもない。

『で、そこからが悲惨だった。私の想定を越して溜められた攻撃は三日間も貯めて…で、しかもみんなで暇だからと支援とかそれはもうたっぷり思いつく限りかけて…。』

 三日もチャージさせるなよ!いやマジでおかしいだろ、貯めれるの?

『で、攻撃撃ったら…この星ごと崩壊しちゃって…。で、巻き戻し決定。』

 何してんだ、みんな…。いや、この話だとやらかしたの僕?思い出せないけど僕?

『これが第一回召喚ね…。それ以外にマヨネーズ無双とか、後は…大陸横断ウルトラ王家引きずり回しの刑とか。色々想定外があったわ。』

 色々ツッコミたい。…当時の僕にツッコミ入れたい。

『ついでにそれまでの全国統一だと、あなたのほぼ一人無双よ、勇者とかなしで。』

「え?」

『ノリとして”僕無職でスキルなしだけど、スキルゲットできるチート手に入って勇者とかざまぁして僕ツエーしちゃいました!(知識チート込み)”みたいな展開ね…。』

 恐るべし、”スキル獲得確率:大”。

『で、世界終了後。一応意見聞きに行ったのよ、あなたたちに、まあこれでいいかな?って事で、』

 なんか色々ぐだってる気がしてる。やらかしたらしい僕はともかく、他の人はだめだろう。

『そしたら、さすがに溜め攻撃して世界終了の件なんで納得するわけもなく、全員一致でリテイク希望されたのよ。僕が活躍してないだの…なんだの…。』

 それはすごい理解できるぞ。

『で、私も確かにやらかしてたので、で、一応一人一個希望聞いてで、妥協点見つけて、リテイクして今があるのよ。』

 でもそれだと…なんかおかしくないか?じゃあなんでこんな展開に?

『それが緊急事態なのよ。あなたが初手処刑されるっていう展開こそイレギュラー。いるのが前提のシナリオで主人公が即死するって展開ね…。』

 確かに、主人公が即死すると、ゲームオーバーって出て終わり…そのままスタート画面に戻る。

『で、願った条件は各一人ずつで4つ。』


 一つ。緊急事態を除き、今度は神様が干渉しないこと。

 一つ、4人の職業をシャッフルすること。これは4人にくじを引いてもらった。

 一つ 4人のうち一人だけ、追加で、一週目の記憶と経験を持っている、一人にしたのは私の方ね、ただしだれが持っているかは私は本人に明かされるまで私も知らない。

 一つ、全員に見せ場を作ること。そしてエンディングまで行かせること。


『ただ、今のこの展開はないわけでもないが、気に入らないのよ。なんだろう、一番働いた奴放置して、みんな楽して僕ツエーしたはずなのに、一番仕事した下っ端切り捨てるみたいな?』

 この人は見ていたからいいが。僕はいまだ思い出せないぞ…。むしろ本当にそんな展開になったのか?なりそうではあるが…。

『で、あなたに提案がある。緊急事態だから、すぐ決めてね。』

 ああ…。

『明日の朝までにはもう即処刑決定、逃走もほぼ死亡って感じだから。その運命に従い、あなたはゲームから降りる、私は3人だけで履行するシナリオを描いて履行する。これが一つね。』

 人生諦めるって奴か、僕が一度主人公で俺ツエーしたなら、それでいいかも。

『その次は”ダンジョンマスター”となり、魔王となること。ま、さっき言った魔王って、代理で私がやってたのよ、適任者いなくてね…。で、それをあなたがやるって奴、』

 …。

『見せ場を作るというルールに全員が味方である必要性はないのよ。どうする?』

「受けなかったら?」

『例えば…脱走はルート構築できない、しかももうすぐ殺しに来る奴がいる。で…全員に見せ場というのが曲者で、勇者は勇者らしくないといけない。すなわち…冒険させて、見せ場作らないといけない。

その観点で私には今、あなたも、彼らも生きていてもらわないと困る。』

『じゃあ、なんで僕にその選択を迫る?』

 これが実は一番引っかかっていた。

『単純よ、言ったでしょ?あなたにぼこぼこにされた。一度シナリオも全部。そんな計算外生み出せる奴。面白いじゃん、貴方の為にリテイクしたのに、なんで貴方抜きなんてやらないといけないのよ。そんなつまらないことやるくらいなら、とっとと終わらせて、強制リテイクするわ。ついでに向こうの世界に帰るというのは条件上後の4つの項目満たしたうえで、最終決戦まで行ったらということね。それが終わり次第、条件を教えるわ。』

 選択肢ないじゃんかよ。消えるか、生きるか、だけだ。なら、せっかく来たんだ…。

「僕はダンジョンマスターになる。」

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