29-203 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 準備運動
「こうだ。こう。」
「はい!」
一応ダンジョンに入って今日の稼ぎを入れるかと思って…自宅…いずれ無くなる予定だけど。寂しいものがあるな。でもコンテナハウスを入れる話もまずはここの土地の廃屋を全部撤去する話からだ。しかも…周囲にばれないようにとなる厳しいので、当面は無いと説明された。んで…。
「何やってるんです?」
「いや、この子達が武器とか教わりたいとかいうからな。」
お隣の息子夫婦の子供たち3人が大磯さんに武器の振り方を教わっている。庭先でだ。
「ダンジョン、はいらないんですか?」
「3人そろってからだ。テントはともかく女性だからな。それに…ダンジョンは逃げないだろ?」
「化粧ですか?」
「私は職業を持っていないが、職業持ちの中には…となんか大胆な衣装ですね。浴衣とか。」
私はいつもの浴衣姿だ。
「ダンジョンの職業由来ですよ。大磯さんの職業は?」
「私はまだダンジョンに入ったことが無くてね。あとの二人は入ったことがあり、レベルも9までは鍛えたそうだ。」
「ほう?」
「お待たせ!」
出てきた二人はジャージ姿と…。
「化粧落としたんですか?」
「ダンジョン内の気温が分かりませんし、動画見た感じ明りが無いので、この警備用LEDライトを持ってきました。」
かなりごつい懐中電灯だな。確か警備員が使う奴で、殴れる太さと頑丈さがある明りで、殴れる。
「一応スキルは使い込んだ方がいいですよ。職業をお聞きしても。」
「みんな市民じゃね?」
「ほら、一割の特殊さんもいるでしょ。」
「いや、俺とかその一割…だと思うんだ。学生だったから。」
どうももお孫さんたちは一応全員ダンジョンに入って職業を授かったらしい。
「ああ、私は9で、兵士だな。」
ほう?大林さんが兵士。
「私は野外諸子。」
羽倉さんは普通にいうが。全然わからん。
「何なんです?」
「10超えると適正職業が出たうえでの選択で職業が出るでしょ?その中に野外諸子、兵隊長、機械整備兵の三つがあったの。んで、レア職業っぽい野外諸子に。」
「…なんかすごいっすね。」
私からすれば転職できない可能性が高いんだから。もっとまともに選ぼうよって思ったけど。
「兵隊長は戦闘と”指揮”関連が半々で、機械整備兵は見た目と違って主武器がレンチになるのよ。で、整備系の能力って…飛行機とかの大型にしか効果ないから事実上ダンジョンでは死にスキルなのよ。」
そういう事ね、試した人がいて、そのデータだと兵隊長は部下が無いとダメで整備兵は機体が欲しいと。しかも直すしか駄目だと、ダンジョンの入り口次第では全然ダメか。
「そう言えば社長は何なんです?」
「ああ。私…。」
なんかお孫さんたち3人がこっちを見る目がまぶしい。そして恥ずかしい。
「私は力士ですよ。」
「「え!?」」
「ささ、入って戦ってみましょう。」




