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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
始まりの魔王 高橋直の章
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外伝 東雲惠から見た高橋直

 私、東雲惠にとって高橋直は長年連れ添った幼馴染であり、家族ぐるみで付き合った大切な子だった。生まれが少し早いせいか、お姉ちゃんと呼ばれ、ずっと来ていた。私の人生自体は普通の人間、普通のテストの点数、主に目立った欠点も、特徴もないだろう。ナオの事以外は。


 私が知っている高橋ナオはそれは数奇な、いや、ありきたりにひねくれるにひねくれた運命を受けて尚、素直に育った奇跡の子供だった。悲劇の始まりは2歳の時だった。その当時ナオの両親は”子役”になって目立ちたいと、子役オーディションを受けまくったのだ。その為、その頃から、自分はちょいちょい同じ幼稚園に居ても合えない日があった。確かにナオは凄いかわいくて、自分が言うのも何なんだが、相当画像に映える子で確かに両親が子役にしてやるんだ!と意気込むのも理解する、そんな外見だったがそれがまずかった。受けるオーディション、オーディション、片っ端から落ちるのだ。自分が知ってる一年のスケジュールを聞くと、一年のうち100日はオーディションで暮らし、その待機の合間で学習し学芸会とか行事は全部休み、すべてオーディションのために生きていた。その上でやっと手に入れた端役も親に演技をなじられ、かわいくないと説教の声がこっちまで響いてきた。その怒鳴り声に私はよく夜泣きもしたと後で聞いた。それくらいだった。そして、その間を埋めるように友達のいないナオは私の家に遊びに来ていた。その頃から一人っ子だった私は演じるようにお姉ちゃんとなり、ナオと一緒にいた。そして目立つとわかれば過酷系でも画面映えするナオがやり、親はその企画だけをやる。失敗も多いし。かと言って手は抜かない、その過酷さは動画を見て吐き気がするくらいだったでもその中でも、私の前でもなおは素直に応じ…。純真無垢に見えた。が実際言葉の星には、この世の中の悪をすべて見尽くしたような冷たさがあり、実際してる話は底冷えするくらいの事ばかりだった。オーディションで聞けば派閥争いで、嫌がらせされ、いじめられる日も多く、かつ。目の前で熱湯をかけられることもに日常茶飯事だった。目の前の見えるとこで賄賂がわたされ、自分が追い出されたという事もあった。ナオ曰く、”子役オーディション”は”利権と見栄とエゴの塊”であり、その中で何も持たない彼は端役でさえ拾うに難しかった。そして、そのナオの両親はその端役でさえ私たちの前に見せびらかしに来て、映像でお披露目会するのだ。私はナオがかわいそうだと思った、

 小学五年のころには私は絶対にナオを守る。そう誓った。がそんな日々も中学生で終わりを告げる。”子役と言えるのは小学生まで”という親の勝手な言い草で、突然それは何の成果もなく終了。数度、テレビの端に出ただけの幼少時代だった。しかもその間とても飽きやすい両親に引きずり回され、パパは”あんなうちの子じゃなくて本当に良かった”と感心するほどだった。が、その話聞いて、本気で怒って家出しそうになったのもある。では中学生になった彼は幸せだったか?いや、そう思わなかった。今度はネグレクトになり、まったく無視され始めたのだ。まるで飽きた玩具見てるみたいに冷え切り、今度は相手されなくなったのだ。自分の学校は昼は弁当なのだが、一切作ってもらえず、パンを一つ、ちびりちびりかじって食べる、そんな生活だった。それを見て私までも人間不信になりそうだった。ナオ君が何をしたんだろうか?それでも私と合うときはニコッて笑い”お姉ちゃん”と言ってくれる。それだけでも私はこことが救われる思いだった。その中で私たちはひっそりとそれはもう目立たないように二人生活していた。その中で私たちはお互い呼んだラノベの話で盛り上がった。そんな文学少年と文学少女だった。そしてもう目立つのも嫌だけど。ナオがそんな生活をしていた。それは高校二年の修学旅行まで一緒だった。飛行機で北海道に行った帰り・・・飛行機は神隠しに会い…突然私隊は意識を失った。


 そして私は謎のお城の一室にいた。どうもここはラノベのテンプレ展開で召喚されたらしい…そしてナオのステータスを見た時思ったのは、

”なんでこんなにして、ナオくんになにをしたの?”

 信じられないほど差が出たステータス、劣等性のレッテルを張り、まだ尚いじめに合わせようとする世界、私は世界に恨みを言いたくなった。なんで、異世界まで来て嫌がらせされないといけない

のだ…いや私が守ればいいんだ。ナオになくても私にはある。私がナオ君を守ればいい。今まで通りだ。だが、そう思い訓練に励む日々も2週間で混乱の極致に落ちる。それが”ナオの消失”だった。

朝起きたら、ナオがいなくなっており、その言葉になぜか長谷川さんが狂乱の雄たけびを上げていた。私も床にうずくまり泣いてしまった。なんでこうなった・・・。それは歯車が狂い落ちていく時計を見るようにぼろぼろと、何かが崩れ落ちた感じだった。でもちょっとおかしいよね?長谷川さん、ナオ君とほとんど面識ないはずだよね、しかも私たちはより目立たないように二人生活してたからほとんどの人が覚えていないはずなのに…。

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