29-196 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 ゲートの仕様
「よろしくお願いします。」
「社長・・・と言っていいのか?」
「あ、まあいつもの西川でいいっすよ、割大気ッと、後で社長じゃなくなると思うんで。」
「じゃ、西川、テストするぞ。ここが、ダンジョンの入り口って事だが、あっさり通ったな。」
「そうだ。」
今は、研究員の一さんと。昨日到着したダンジョン研究員増員の前川さんとエルマさんとダンジョンの入り口前に来ていた。と言っても警備室のドアのすぐそばで今は楢原が付けた”二段階認証セキュリティドア”の前だ。ただし、これは時美さんが送ってくれた特殊な奴で…最新のシステムらしい。で、ダンジョンエリアを守るための物だ。が、その入り口を開けっぱなしにして検証をしている。
「で、今回はこの間に限りお互い電波も、物体も…とどまることができないことが分かっている。正確には運動エネルギーが完全に0の状態なら。物体を強制的に動かすか弾くかする機能がある。これに関してはダンマスでも一切触れることのできない領域だという事だ。」
「ダンマス…ですか、本当にいるんですかね?」
「分からん、が、そういう資料があるって事だ。それにエルマさんは異世界人だ。その彼女と言語が全く通じないが…翻訳ソフトは起動している。細かいニュアンスは無理だが、大体は通じる。」
「戻しましょ。」
「分かった。でこの特性上、この入り口を経由させたものの移動はできないし、電波などの…でも…おかしい。」
前川さんが扉越しに私を見つめてくる。
「なんですか?」
「電波をカットするならなんで扉を見ることができるんだ?性格にはダンジョンのドアの向こうだ。」
「意味わかんないんですけど?」
それにはエルマさんも一緒のようだった。
「よく考えてみろ。光だって波長なうえに粒子の移動があるんだぞ。電波とかを遮断するのに向こうが見えるって事は光の粒子は通ってるって事だ。声も…。」
「それはあれじゃないんですか?恣意的に通す可能性はないっすか?」
「恣意的?」
「実際このレポと実験によると、ダンジョンの壁越しには音は貫通しないそうっす。」
「恐ろしいな、恣意的に通す波長を選ぶ建物とか。やろうと思えば無線吸える…。でもないか。」
「可能だと思いますよ。実際自衛隊の攻略日記にはドローンによる通信網設置の際に…よく分断されたそうで。そういう意味でチャフ喰らった感じに近いと。それが自衛隊を…どんどんダンジョン破壊に追い込んだらしいっす。」
「となると…ダンジョンが本気出せば軍隊は目じゃないな。」
地味に現代社会の道具とファンタジーの差での欠点に使用してみるものの一極集中による…突き崩しが些細な要因で起きるというのがある。電波も攪乱装置などがあれば、筒抜けどころかこっちの通信が阻害され、分断させる。そしてファンタジーに無敵と言われる銃でさえ…雨が降って火薬が湿気れば使い物にならなくなる。天候に弱い銃は…それっぽいギミックをダンマスが作ってしまえば無効化できるらしい。そういう意味で、ダンジョン用の武器の開発・・・だけはしないといけない。




