29-188 N&D秋 ここでは格闘はハズレ系
中は普通におんぼろソファーと低い応接テーブルって感じの部屋だった。
「ここでは本来冒険者に武器の詳細を聞くんだがな。」
「歴史から頼むわ。後、茶をくれ。」
「冷えたのでいいか?}
「そっちも求刑?」
「一応所長でさ、応対は社長がやるって事になってるからさ。後受注が意外と少なくて暇なんだ。」
まあ、ざっと説明すると九州は意外な事に県道の市内や防具の受注が多い。薩摩の影響で一大消費地の鹿児島があるせいで、吸収には県道の防具メーカーなど剣術関連の加工所が多い。その中でも新進気鋭な連中が、本物の武器を作るという事で、当然銃刀法に引っかからない武器として市内の改良版などを販売していた。当然剣道系の竹の胴。あとは布の面など剣道系の者も受け付けている。意外とこの別府ダンジョンではこれだけでも十分相手の攻撃が防げるので、結構受注が多いらしい。
「とっても現場は浅草だがな。」
「だろうね。」
「向こうにも職人が多いからな。後東北も地味に産地が多いからそこと争う感じかな。」
「大変だねぇ…。」
「でもあんた、職業はなんだ?それに防具に全く興味が無いようだが?」
「ああ、一応ギルドには登録してあるし…秘密にしてないが、恥ずかしいからね。」
「ハズレ職業?」
「ある意味。」
「ほう?」
あたしは隠してるつもりもない。ギルドカード裏面の職業欄を見せる。
「…力士?」
「そ、力士。格闘系だね。」
「これまた難解な…。」
そう、私の職業の一般的な評価は格闘系という…ハズレ職業なのだ。
「何というか、ハズレですよね?」
「私は思ってる。」
「一度実力を見せてもらっても?}
「装備持ってきてないけど?」
「は?装備、力士ですよね?」
相手はここの社長の 子貢さんだ。珍しい感じだが・・。
「それがこの職業がハズレの理由で、最大限嫌いな理由よ。」
「…装備…。」
「格闘系でもまれなタイプですね。」
格闘系戦士の多くはハズレ扱いである。なぜなら装備制限、又は衣装制限が付くからだ。その多くに置いて…ダンジョンを引退する競技者が多いのも…この衣装制限と武器制限のせいだ。そしてそれらが無く、武器なら何でも持っているアビリティが生かされる戦士が当りと言われるが所以である。例えば空手選手が空手見習いの職業に就くと装備制限として素手系以外ではステータスが無効化され、下手すれば10歳の子供のステータス持ちより腕力が出ない。実際腕相撲で負けた動画まである。そのぐらい○○制限は過酷なのだ。ただし空手家には素手制限は優しいし、靴やメリケンサックぐらいまでなら容認されるだけましだ。そして装備制限の有名なのが…ボクシングだ、ボクサーパンツとシャツ、ボクシンググローブ以外その割合に応じて能力が下がるのだ。特に問題なのが…女性だ。なんと上着のシャツに違反定義がある(試合では認められている)のだがそのせいで、基本は30%しか能力が出ない。その為にボクササイズをメインとした勢はその多くがダンジョンを引退した。剣道だと竹刀のみ防具無し禁止。など装備制限系はかなりきつめなのだ。
「じょ、女性の方ですよね。」
「10%に引っかかったので。」
「ああ…あ…ああ…そうですか。」
子貢さんが諦めた顔をしていたが…。
「ん?諦めなかったんですか?」
「一応。それにこれをそろえてくれるなら行くよ。」
さっとスマホからメモを見せる。
「これなら知り合いが持ってますね。ちょっと行かせます。明日。いいですか。」
「あるんですか。」
「この辺の染物屋多いですし、見てみたいです。」
「あー。一応社長だから…手加減してね。」
「いいですよ。」
「後、夜でいい?」
「それは、構いません。僕たちも夜に武器の試験しますし、」
弟に見せれん。笑われるに決まってる。




