29-182 N&D秋 距離とか費用は一緒だがこっちのほうが近い気がする
次の日はあいさつ回りとして近所の店に食事に行き…軽食貰って雑談して…をしていた。結構この辺に同級生もいるからね。帰ったらあいさつとしていかないと、それこそ何かあったらここに帰ってこれん。ついでにいつもの内の余り物を置いていく。そして午前中であいさつが終わるとようやく本当の休み…。
「ねーちゃん!この別府!別府行こう!」
玄関で信二が待ち構えてるとは思わんかったわ。持っていたスマホには別府山ダンジョンの映像があった。なんで別府と言わないのかというと、正式名称を別府と被らせると、風評被害に遭うと…名称変更を現地の観光局が言ったからだ。直位置は、別府の温泉の山の一番奥だ。
「行くの?」
「今しか行くときねーじゃん。」
私は靴を脱いで家に上がるとソファーにドカッと座る。
「んでもカーちゃんは?」
「私…悩むわー。別府でしょ。ちょっと遠くない?」
「いや、カーちゃん連れて行って2回攻撃で全体攻撃なんてされたくないし!」
「いや、珍品出るぜ。以外と。」
「そなの?」
「ああ、ダンジョンに入るのやめた人とか、バトルバレーボーラーとか言う職業がわけわからんくてそれでダンジョン潜るのやめたんだと。取引先が言っとった。」
「…それはそれで困るわ。」
「え?もしかしてハズレも多いの?}
「多い。非常に多い。というか、まだ当たりハズレが分からん。」
「そうなの?‗」
「育てた勇者待ち。上級職とかあるらしいし、変な職業の上級職とか目も当てられん。」
「…うーん。」
「やめとけ辞めとけ。」
「諦めきれん。」
流石に…これでひるむ信二じゃあないか。
「仕方ない、カーちゃんは行く?」
「湯治もいいかもしれんが、今は大事だから。二人で行ってきな。」
こっちを向くことはしないが…声は優しかった。
「外れても文句言うなよ。」
「分かったよ。」
こうして私は休暇を潰して…ダンジョンに潜るという切ない展開となった。




