29-178 N&D秋 ゴーレムは生きているのか
社長のオフィス…兼ラボに入ると、私はレポートを手渡しにする。結構古典的な手法だがこれが一番機密が守れるらしい。社長はそのレポートを読み進めていく。
「住む…これは増員が欲しいな。とはいえこの密閉容器あるか?」
「これだな。」
楢原が鞄から、例のゴーレムを取り出して、その場に置いた。
「これか…これが本当なら、検体を運ぶ際に…というわけでもないか…。」
「まあな、だから満足はしてないぞ。向こうはな。」
「結局あれか、研究器材をダンジョンに入れないとダメか。」
そう、最初の問題は例のゴーレム生存箱だ。これがあればダンジョンからもぢ出せて…研究できるんだろうが…問題が多いらしい。というか、うろ覚えで書いている。専門用語が多くて、私にはついていけないし…その中でもギリギリ理解できたのがこんな感じだ。まずダンジョンから出す際に…それを待機が一切入らないで密封するというのがまず器具などを含め大変だ。そして出に入るのが、サンプルの外見のみだ。それだけなら映像でもいいわけで…しかもその密閉度が問題で双頭厳密な密閉でないと真空バックでもその隙間から入った待機で消滅するため、最終的に1cmの厚さの暑いアクリル板に熱を加えた密閉で、しかも専用機器を使ってどうにかできたぐらいだ。そして問題の2はここにある。それだけ厳重に管理したこれをあげるのに専用でないといけない上に…触感などの確認も出来ず…無菌室程度だと崩壊してしまうもろさのあるダンジョン内の物品である。そう…開けるためには持ち運んだ先がダンジョンであり…しかもそこで結局解析してもそこはダンジョン内なので危険もあるし、しかも…その魔力とかの制御化で、地球に持ち帰ったとは言い難い状況になる。だからどんな結果が出ようとも…それは正式な結果にならないらしい。その為に…これだけでは研究もできないが…。
「とはいえ、これがゴーレム回路。」
「ですね。この中でモンスターが生きてるわけです。」
「ふむ…すごいな。」
社長も初めてのゴーレムに感心しきりと言った感じである。ダンジョン外でモンスターを見るなんて初めてのことだったからだ。
「危険ではないよな?}
「一応この段階でも30kgの筋力がありますね。もっと大きくする研究もなされているそうですがこれがゴーレムって奴ですね。」
「かなり凄い技術だな。こんな…細い線でもできるのか?」
内部のゴーレムはテスト用のアクリル板の内部に入れられた
「三木原が言うにはスノーボウル内部で動かすぐらいは出来そうで、この状態を維持している限り、光、音などは伝播してるそうです。それによるチェックのレポも中に入ってますよ。」
「そうなるとそれだけでも価値があるという感じか?」
「三木原が言うにはOS無しのアセンブリ弄ってるみたいで、本当に単純な事しかできず、高度ゴーレムというOS入ったバージョンなら、基礎としてぎりぎり…だそうです。
三木原さんは機械とかそういうのが得意なケミカルでも珍しいエンジニアだ。その為に最初の先遣隊として派遣されている。それに抱えてる仕事がたまたまなかったというのもある。




