29-164 N&D1・山奥ダンジョン奮闘記 安曇野
そしてその日は、そのまま豪邸に相部屋で泊まらせてもらった。明日は安曇野に行かないといけないから。ただし、部屋からは出られないが、会議は即座に行われた模様。ただし声は明るく…そこまでではない模様。
『大方、モンスターの件が本当か疑ったと思うぞ。・・・出たら責任取らせるつもりで構えていたと思う。』
『確かに…』
機密も絡めてアプリでの会話に終始した。そして、まあ無言を通して食事だけもらって寝た。まあ、次の日までに何も起きないため…それ以上は、ダンジョンギルドが決めた普通の職員が何とかしてくれ。
そして次の日になると、とっとと次の目的地に向かった。安曇野…のかなり奥地だったので、移動だけで半に近かった。給油が2回ほど。よっぽど坂も多いが、これでも職場より都会というのが地方格差を感じる。エルマも感心して…山間部を見つめていた。が基本無言だった。どうもヴァンパイアの上に普段慣れない日光で、途中かなり強い医薬用日焼け止めを使ったが、だるさまでは抑えられないようだ。それでも腕力とか人の数倍はあるんだが…それも弱体化しているようで、なんというか、日光を浴びているだけで疲れるそうで、筋力も下がる…というよりすぐにピークが来る感覚だそうだ。そう言えばヴァンパイアは日中に弱いよね。どうもダンジョン特性で日中の弱点を抑えていて、…それでも皮膚の痛みは軽減できないとなったが…現在は皮膚の痛みは日焼け止めで止めれるがだるさは止められないそうだ。こうしてみるとヴァンパイア弱いな。けどその状態でさえ、普通の人のかなり上の腕力と脚力はあるのは…確認できた。
「で、ここか、確かに不便だわ。」
そう言った感想で見たのは本当に畑のど真ん中にすっぽり開いた洞穴というより、直下型の穴で、・・・・ギリギリブドウの幹と幹の間という嫌な場所に建っていた。いや地下だ。そこに高所作業用の梯子を下ろすと…そこからいきなりゴブリンが飛び出したが…そのままエルマさんが拳を合わせてダンジョン内に押し返した。これはまずい。相手はこっちの様子を確認して、攻撃を仕掛けてきた。そして、私達は出入り口オープニングゴブリンがこれ以上いないのを確認して突っ込んだ。実は…エルマさんとの検証上…スタンピードで一番厄介なのは…ゴブリンだ。これがダントツだった。まず増える…以外に”ステータスの影響が少なく、ダンジョン外に出ても大したパワーダウンはしない”である。ほかのホブゴブリンやオーガもいたので、研究所で三木原さんが実力測定を行った。そうした所…非常に厄介な事にホブゴブリンは、普通の筋力の高めの人間ぐらいでそこまででもなく、知力が無い分だけ逆にやりやすかった。オーガは確かに体格は大きいが、ダンジョンを出ると愚鈍化して…むしろ殴られても死ぬまで気が付かないことも多い。硬いけどね。そして、行動はダンジョンにいる事みたいな人間を超越するスピードも、パワーもなくなり…脚も遅くなった。なので…遠距離で射殺が一番楽だ。まず腕力も下がっていて、岩を持ち上げても投げるにすぐそばまで…中世までなら苦戦するだろうが今の世なら手りゅう弾やフラッシュなどで十分感覚にダメージを与えることができるし、そのまま脚間接狙えば崩せる…勝ちようはいくらでもあるのだ。そしてそれを見たエルマさんは驚いていた。ステータスが無い状態でも勝てると思っていたらしい。
『中に入れたが…どうもあれは先遣隊…ではないな、ゴブリン養殖場か。』




